39 / 163
飛行とは何か
しおりを挟む
「どういう意味かね?」
異議を唱える忠弥にダーク氏は眉を吊り上げながら尋ねた。
「ダーク氏のフライングライナーは人が機体に乗っていただけです。唯々真っ直ぐ飛んでいただけです。機体の上に座ってただ座っていただけ、自由に操縦――上下左右に搭乗者が動かせる構造ではありません。フライングライナーの構造ですが、飛行時の安定性を優先してまっすぐ飛びますが、それ以外が出来るようには見えません」
「飛行機に必要なのは安定性だ、安定して飛ぶことが優先であり、安定していれば操縦者は安心して飛ぶことが出来る」
とうとうと話す忠弥に向かって物の道理をわきまえない子供を諭すようにダーク氏は言った。
空中へ浮かぶ事は固定できる物がない、安定性を確保できない事を意味する。
だから、空中では正しい姿勢を維持する安定性が大事だとダーク氏達をはじめこの世界で飛行研究を行っていた人々は考えていた。
「ですが、それだとそれを自由に飛び回ること、操縦できません」
しかし、忠弥は真っ向から反論した。
「操縦応答性がなく自由な飛行、上昇、下降、旋回が行えず、操縦できたとは言えません」
忠弥の主張はフライングライナーは、空中へ浮かびまっすく飛ぶことは出来るが、自由に空を飛び回れない。
例えるならレールの上をエンジン付のトロッコに乗って走っただけ。
ハンドルのないまっすぐ進むだけの車、エンジンが付いた子供用のキッズカーに等しい。
止まる時はエンジンを切って止まる原始的な動き。
乗ってはいるが操縦できない。
向かう先を指定できるが自由に動かせないエレベーターのようなものだ。
それでは飛行機とは言えないというのが忠弥の主張だった。
「一方私の玉虫は私の操縦により、上昇、下降、旋回を行い空中を自由に動ける操縦を行いました」
対して忠弥の玉虫は自動車のように走る、曲がる、止まるの三つが出来るので操縦できる。
操縦者が自由に操縦できることが飛行機であり、玉虫はその機能を搭載しているだと主張した。
忠弥が飛行実験の際に上昇、旋回、下降を行ったのは、操縦が出来る事を証明するためでもあった。
だからそれが出来ないフライングライナーの飛行を飛行とは認めることが出来なかった。だからダーク氏の主張を否定した。
「私は、ここにフライングランナーと玉虫の違い、ダーク氏と私の飛行について大きな違いがある、ダーク氏の人類初の有人動力飛行に疑義があると述べさせて貰います」
堂々とした忠弥の明確な主張に観衆はどよめいた。
「それは違うぞ!」
会場の雰囲気に飲まれたダーク氏は、自分の業績が否定された事もあって少し焦って声を強めて反論する。
「私のフライングライナーも左右への針路変更、機体の傾き、上昇、下降を行える! 実際に操縦していたからこそ飛行に成功したのだ!」
「ですがそれは、非常に限定的なものでしょう」
強く反論するダーク氏に対して忠弥は静かに、しかしマイクを通じてはっきりと答えた。
「フライングランナーにそのような機能とそのための機構があるとは思えません。よってフライングライナーが空を飛んだのは事実でも、操縦できないのであれば飛行機であるかは疑問です。よって人類初の有人動力飛行を行ったとは言えません」
「そんな事はない!」
忠弥の指摘にダーク氏は後ろのフライングランナーに歩いて行き、操縦席に座って説明した。
「このように椅子で体重移動を行うことで機体の傾きを制御できる。そしてその補助として主翼をねじることで姿勢を制御できる。私のフライングランナーは操縦できる」
ダーク氏がレバーを動かすと翼の先端が動きに合わせてねじれた。
「たわみ翼か」
その動きを見た忠弥は小さく呟いた。
異議を唱える忠弥にダーク氏は眉を吊り上げながら尋ねた。
「ダーク氏のフライングライナーは人が機体に乗っていただけです。唯々真っ直ぐ飛んでいただけです。機体の上に座ってただ座っていただけ、自由に操縦――上下左右に搭乗者が動かせる構造ではありません。フライングライナーの構造ですが、飛行時の安定性を優先してまっすぐ飛びますが、それ以外が出来るようには見えません」
「飛行機に必要なのは安定性だ、安定して飛ぶことが優先であり、安定していれば操縦者は安心して飛ぶことが出来る」
とうとうと話す忠弥に向かって物の道理をわきまえない子供を諭すようにダーク氏は言った。
空中へ浮かぶ事は固定できる物がない、安定性を確保できない事を意味する。
だから、空中では正しい姿勢を維持する安定性が大事だとダーク氏達をはじめこの世界で飛行研究を行っていた人々は考えていた。
「ですが、それだとそれを自由に飛び回ること、操縦できません」
しかし、忠弥は真っ向から反論した。
「操縦応答性がなく自由な飛行、上昇、下降、旋回が行えず、操縦できたとは言えません」
忠弥の主張はフライングライナーは、空中へ浮かびまっすく飛ぶことは出来るが、自由に空を飛び回れない。
例えるならレールの上をエンジン付のトロッコに乗って走っただけ。
ハンドルのないまっすぐ進むだけの車、エンジンが付いた子供用のキッズカーに等しい。
止まる時はエンジンを切って止まる原始的な動き。
乗ってはいるが操縦できない。
向かう先を指定できるが自由に動かせないエレベーターのようなものだ。
それでは飛行機とは言えないというのが忠弥の主張だった。
「一方私の玉虫は私の操縦により、上昇、下降、旋回を行い空中を自由に動ける操縦を行いました」
対して忠弥の玉虫は自動車のように走る、曲がる、止まるの三つが出来るので操縦できる。
操縦者が自由に操縦できることが飛行機であり、玉虫はその機能を搭載しているだと主張した。
忠弥が飛行実験の際に上昇、旋回、下降を行ったのは、操縦が出来る事を証明するためでもあった。
だからそれが出来ないフライングライナーの飛行を飛行とは認めることが出来なかった。だからダーク氏の主張を否定した。
「私は、ここにフライングランナーと玉虫の違い、ダーク氏と私の飛行について大きな違いがある、ダーク氏の人類初の有人動力飛行に疑義があると述べさせて貰います」
堂々とした忠弥の明確な主張に観衆はどよめいた。
「それは違うぞ!」
会場の雰囲気に飲まれたダーク氏は、自分の業績が否定された事もあって少し焦って声を強めて反論する。
「私のフライングライナーも左右への針路変更、機体の傾き、上昇、下降を行える! 実際に操縦していたからこそ飛行に成功したのだ!」
「ですがそれは、非常に限定的なものでしょう」
強く反論するダーク氏に対して忠弥は静かに、しかしマイクを通じてはっきりと答えた。
「フライングランナーにそのような機能とそのための機構があるとは思えません。よってフライングライナーが空を飛んだのは事実でも、操縦できないのであれば飛行機であるかは疑問です。よって人類初の有人動力飛行を行ったとは言えません」
「そんな事はない!」
忠弥の指摘にダーク氏は後ろのフライングランナーに歩いて行き、操縦席に座って説明した。
「このように椅子で体重移動を行うことで機体の傾きを制御できる。そしてその補助として主翼をねじることで姿勢を制御できる。私のフライングランナーは操縦できる」
ダーク氏がレバーを動かすと翼の先端が動きに合わせてねじれた。
「たわみ翼か」
その動きを見た忠弥は小さく呟いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる