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スプールアンスの指示
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佐久田の立てた作戦は見事に図に当たった。
防御力の高い第一部隊を攻撃隊の前に差し出し、攻撃を集中させる。
第一部隊は装甲空母のみ、多少の爆弾を受けても作戦行動可能だ。
だが他の部隊は通常型空母、爆弾を甲板に一発受けただけでも発艦不能になる。
現状、作戦通り敵の攻撃が防御力に優れる第一部隊に集まっている。
敵は効果の無い急降下爆撃を繰り返すだけだ。
魚雷は怖いが、全て回避に成功し、被雷した艦はいない。
このまま行けば、日本側はほとんど無傷で凌ぐことが出来る。
「攻撃隊の準備は?」
「第二から第四部隊まで着艦終了。発艦準備を急いでいます」
空襲を受ける第一部隊の艦載機も着艦させて攻撃に向かわせる。損耗機もあるし着艦機の受け入れ艦もあるため、発艦できる機数は二〇〇機程度。
だが、戦艦部隊が弾切れで飛行場砲撃が中断し、離陸可能となった第一航空艦隊と組み合わせば十分な威力を発揮できるはずだ。
「確実に仕留められるよう。念入りに準備を頼むぞ」
「第二部隊の角田少将はやってくれるでしょう。ご心配にはおよばないハズです」
米軍もそろそろ迎撃に限界が来るはず。
攻撃隊は十分に戦果を挙げられると佐久田は計算していた。
「何か不安があるのか?」
考え込む佐久田に山口が尋ねた。
「ええ、米軍がどんな作戦を行うか、考えていました。状況は彼らに不利なはず。何か手を打ってくるはずです」
「何故、日本軍はこれほど空襲を続けられるんだ」
攻撃隊を送り出していたアメリカ第五艦隊司令部では焦りが募っていた。
参謀達は口々に日本の執拗な攻撃と、これまでの攻撃機の数を計算し、状況分析を行っていた。
サイパン島への上陸を開始しているが、敵の陸上航空基地はまだ健在。そこへ現れた日本軍の機動部隊の相手もしなければならない。
ようやく位置を掴み攻撃隊を送り込んだが、成果は不十分。それでも攻撃隊の発艦を妨害したはずなのに、日本軍の攻撃隊が来ている。
想定外の事態に参謀は困惑して焦っていた。
「発見した空母の数は?」
スプールアンスは静かに尋ねた。
内心焦っているのかもしれないが静かな口調であり、参謀を一時的にだが冷静にさせ言われたことを実行し始めた。
「は、はい。攻撃隊の報告では六隻です。うち三隻に攻撃を加えました」
「数が合わないな」
短い言葉だが、参謀たちの頭脳をフル回転させるには十分だった。
「他にも敵空母が」
「我々と同じように、空母をいくつかの任務群に分けているのだろう」
「直ちに、索敵機を周辺海域に回します」
遠くから爆発音が響いてきた。
スプールアンスが座上する任務群にも日本軍の攻撃が加えられているようだ。
だが、必要な処置はすべて終えた後であり、これ以上の方策はないとスプールアンスは考えて、新たな命令は下さなかった。
「索敵機より報告。敵の空母部隊を新たに発見しました」
索敵機の脚を伸ばして向かわせた甲斐あってすぐに見つけることができた。
「敵は我々が攻撃した空母群よりさらに西側に百キロほどの位置にいます」
顔をしかめながら参謀は報告した。
自分のいる空母部隊からならば攻撃範囲内だが、戦闘機のみを搭載しているため攻撃機を出せない。
攻撃機はマリアナ東方の護衛空母部隊に集めている。
彼らから飛ばすと、航続距離はぎりぎりだ。それに午後も遅くなり始めており、長距離の攻撃を命じると着艦が夜になる。
日本軍のようにマリアナを確保しているわけではないので、危険な夜間着艦となり、多数の機体を失う恐れがある。
参謀は黙ってスプールアンスを見た。
今から攻撃隊が発進すれば、敵の攻撃だけでなく夜間の帰還時に多くの損害が出ることはスプールアンスも承知しているだろう。
だからこそ参謀は指示を待っていた。
司令長官としての決断を聞くために待っていた。
そしてスプールアンスは決断し指示を下した。
防御力の高い第一部隊を攻撃隊の前に差し出し、攻撃を集中させる。
第一部隊は装甲空母のみ、多少の爆弾を受けても作戦行動可能だ。
だが他の部隊は通常型空母、爆弾を甲板に一発受けただけでも発艦不能になる。
現状、作戦通り敵の攻撃が防御力に優れる第一部隊に集まっている。
敵は効果の無い急降下爆撃を繰り返すだけだ。
魚雷は怖いが、全て回避に成功し、被雷した艦はいない。
このまま行けば、日本側はほとんど無傷で凌ぐことが出来る。
「攻撃隊の準備は?」
「第二から第四部隊まで着艦終了。発艦準備を急いでいます」
空襲を受ける第一部隊の艦載機も着艦させて攻撃に向かわせる。損耗機もあるし着艦機の受け入れ艦もあるため、発艦できる機数は二〇〇機程度。
だが、戦艦部隊が弾切れで飛行場砲撃が中断し、離陸可能となった第一航空艦隊と組み合わせば十分な威力を発揮できるはずだ。
「確実に仕留められるよう。念入りに準備を頼むぞ」
「第二部隊の角田少将はやってくれるでしょう。ご心配にはおよばないハズです」
米軍もそろそろ迎撃に限界が来るはず。
攻撃隊は十分に戦果を挙げられると佐久田は計算していた。
「何か不安があるのか?」
考え込む佐久田に山口が尋ねた。
「ええ、米軍がどんな作戦を行うか、考えていました。状況は彼らに不利なはず。何か手を打ってくるはずです」
「何故、日本軍はこれほど空襲を続けられるんだ」
攻撃隊を送り出していたアメリカ第五艦隊司令部では焦りが募っていた。
参謀達は口々に日本の執拗な攻撃と、これまでの攻撃機の数を計算し、状況分析を行っていた。
サイパン島への上陸を開始しているが、敵の陸上航空基地はまだ健在。そこへ現れた日本軍の機動部隊の相手もしなければならない。
ようやく位置を掴み攻撃隊を送り込んだが、成果は不十分。それでも攻撃隊の発艦を妨害したはずなのに、日本軍の攻撃隊が来ている。
想定外の事態に参謀は困惑して焦っていた。
「発見した空母の数は?」
スプールアンスは静かに尋ねた。
内心焦っているのかもしれないが静かな口調であり、参謀を一時的にだが冷静にさせ言われたことを実行し始めた。
「は、はい。攻撃隊の報告では六隻です。うち三隻に攻撃を加えました」
「数が合わないな」
短い言葉だが、参謀たちの頭脳をフル回転させるには十分だった。
「他にも敵空母が」
「我々と同じように、空母をいくつかの任務群に分けているのだろう」
「直ちに、索敵機を周辺海域に回します」
遠くから爆発音が響いてきた。
スプールアンスが座上する任務群にも日本軍の攻撃が加えられているようだ。
だが、必要な処置はすべて終えた後であり、これ以上の方策はないとスプールアンスは考えて、新たな命令は下さなかった。
「索敵機より報告。敵の空母部隊を新たに発見しました」
索敵機の脚を伸ばして向かわせた甲斐あってすぐに見つけることができた。
「敵は我々が攻撃した空母群よりさらに西側に百キロほどの位置にいます」
顔をしかめながら参謀は報告した。
自分のいる空母部隊からならば攻撃範囲内だが、戦闘機のみを搭載しているため攻撃機を出せない。
攻撃機はマリアナ東方の護衛空母部隊に集めている。
彼らから飛ばすと、航続距離はぎりぎりだ。それに午後も遅くなり始めており、長距離の攻撃を命じると着艦が夜になる。
日本軍のようにマリアナを確保しているわけではないので、危険な夜間着艦となり、多数の機体を失う恐れがある。
参謀は黙ってスプールアンスを見た。
今から攻撃隊が発進すれば、敵の攻撃だけでなく夜間の帰還時に多くの損害が出ることはスプールアンスも承知しているだろう。
だからこそ参謀は指示を待っていた。
司令長官としての決断を聞くために待っていた。
そしてスプールアンスは決断し指示を下した。
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