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演習の合間の世間話
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「いやあ、良い訓練だった」
訓練が終わった後、昼食となった雪風の艦内は明るい雰囲気に包まれ、各所で乗員が演習の話をしていた。
兵員室では先ほどの成果、刺身が並んでおり水兵達が舌鼓を打っていることも雰囲気を明るくすることに一役買っていた。。
駆逐艦の冷蔵庫は容量が小さく生鮮食料品は少ない。対潜演習で捕まえられる魚は貴重な生鮮食料品であり、ご馳走だった。
駆逐隊司令からカッターを降ろした理由を問われて、捕虜の収容訓練と伝えたら、「捕虜の一部を司令駆逐艦に移送せよ、出来るだけ美味い奴を」と返信されたため、捕虜の一部を移送した。
お目こぼしするから一部よこせということだ。
司令駆逐艦へ渡す作業が加わり、水兵達は腹が減っており食欲は旺盛だった。
「しかし、よく潜水艦対策をするな」
「そうだな。爆雷投下演習が頻繁にあるよな」
一通り空腹を満たし水兵達の間でこのところ、対潜訓練が多いことが話題となった。
ご馳走が食べられるのは嬉しいが、訓練が多いと疲れる。
「アメリカさんが繰り出してくる潜水艦が多いからな」
兵長、水兵の中で最も階級が高く水兵のまとめ役である者が言った。
「出撃したら確実に潜水艦が出てくると考えた方が良い」
「本当ですか? 潜水艦が出たとは聞いていませんが」
前線の支援基地であるリンガ泊地だが、潜水艦が出たという話を水兵は聞いていなかった。そのため兵長の言葉が信じられなかった。
「リンガ周辺に来る事は少ないが南のスンダ海峡などでは敵潜の侵入が多く、撃退することが多いらしい」
インド洋に繋がるスンダ海峡はオーストラリアに近く、オーストラリア西海岸に米軍が潜水艦基地を設けたこともあり、インドネシア周辺へ潜入させようと盛んに潜水艦を送り込んでいる話だった。
「被害は少ないようですが」
「海峡周辺に配置された航空隊や沿岸の電探基地が活躍していて、敵潜を沈めてくれているらしい」
潜水艦が通りやすい海峡などに警戒部隊を配備し、連合軍潜水艦の行動を制限していた。
それでも侵入は多かったが、毎月の被害を数万トンに抑える事に成功していた。
だが、今後も続くかどうか不明であった。
「何でも九〇一航空隊が新兵器を装備して敵潜をどんどん狩っている、と言う噂で」
「変な噂を流したりする軽い口は首が飛ぶぞ」
「すっ済みません」
殺気を纏った兵長の言葉に水兵は縮み上がった。
メンコ――海軍で食事を摂った数、在籍日数の長い兵長は、それなりに人脈、海兵団同期が九〇一航空隊に配属されていて、その辺の事情を知っている。
口外無用という条件で教えて貰ったが、磁気探知機という潜水艦が海中に居ても上空から見つけられる新装備が開発され使用しているとのことだ。
重大な機密だが、潜水艦の脅威に対して安堵して欲しいという気持ちもあり、上官の許可を得て同期が教えてくれた。
電探が使い物になるのはソロモンで幾度も助かって知っていたが、潜航中の潜水艦まで探知できず、聴音と目視が頼りだった。
だが、味方が海中の潜水艦を発見できるようになり仕留めてくれている。それを知るだけでも安心感が違う。
「味方が頑張って潜水艦を狩ってくれているから俺たちは安心して航行出来るんだ。だが油断は厳禁だぞ」
だが同時に欠点も教えられた。
探知範囲が著しく狭い――敵潜のほぼ真上でないと探知できない上に海面すれすれで飛行する必要がある。
限られた範囲を哨戒する、陸上や船舶からの潜水艦情報で周囲を飛び回り探し出す敷かない状況だ。
当然、見逃す事も多く、艦隊側でも潜水艦に警戒、対処する必要があり対潜訓練を充実させていた。
それでも、潜水艦の被害は目に見えて激減していた。
水兵が兵長に叱られている、乗艦が沈んでいないのも九〇一航空隊のおかげだった。
「はい、以後慎みます。……しかし、毎回対潜訓練だと飽きますね」
「安心しろ、午後は榛名の防空演習に参加する。榛名を狙ってくる雷撃機を撃退する大変な事になるから飽きはしないぞ」
「うへえ」
やぶ蛇を言ってしまった、と水兵は思った。
「そう、不平を言うな。訓練が終われば、主計の連中がさっき上がった魚を炙った茶漬けを出してくれるそうだ」
「本当ですか!」
酒と醤油と砂糖でタレを作り、そこへ炙った切り身を入れて一時間漬けたあと切り分けて、ご飯の上に載せ、さらに薬味を追加したところに熱湯を掛ける。
これだけでも美味しいが主計が、魚の骨を炙って作った出汁をかけてくれるので格段に美味い絶品の茶漬けだ。
演習の後の楽しみが出来て水兵達は俄然やる気になった。
訓練が終わった後、昼食となった雪風の艦内は明るい雰囲気に包まれ、各所で乗員が演習の話をしていた。
兵員室では先ほどの成果、刺身が並んでおり水兵達が舌鼓を打っていることも雰囲気を明るくすることに一役買っていた。。
駆逐艦の冷蔵庫は容量が小さく生鮮食料品は少ない。対潜演習で捕まえられる魚は貴重な生鮮食料品であり、ご馳走だった。
駆逐隊司令からカッターを降ろした理由を問われて、捕虜の収容訓練と伝えたら、「捕虜の一部を司令駆逐艦に移送せよ、出来るだけ美味い奴を」と返信されたため、捕虜の一部を移送した。
お目こぼしするから一部よこせということだ。
司令駆逐艦へ渡す作業が加わり、水兵達は腹が減っており食欲は旺盛だった。
「しかし、よく潜水艦対策をするな」
「そうだな。爆雷投下演習が頻繁にあるよな」
一通り空腹を満たし水兵達の間でこのところ、対潜訓練が多いことが話題となった。
ご馳走が食べられるのは嬉しいが、訓練が多いと疲れる。
「アメリカさんが繰り出してくる潜水艦が多いからな」
兵長、水兵の中で最も階級が高く水兵のまとめ役である者が言った。
「出撃したら確実に潜水艦が出てくると考えた方が良い」
「本当ですか? 潜水艦が出たとは聞いていませんが」
前線の支援基地であるリンガ泊地だが、潜水艦が出たという話を水兵は聞いていなかった。そのため兵長の言葉が信じられなかった。
「リンガ周辺に来る事は少ないが南のスンダ海峡などでは敵潜の侵入が多く、撃退することが多いらしい」
インド洋に繋がるスンダ海峡はオーストラリアに近く、オーストラリア西海岸に米軍が潜水艦基地を設けたこともあり、インドネシア周辺へ潜入させようと盛んに潜水艦を送り込んでいる話だった。
「被害は少ないようですが」
「海峡周辺に配置された航空隊や沿岸の電探基地が活躍していて、敵潜を沈めてくれているらしい」
潜水艦が通りやすい海峡などに警戒部隊を配備し、連合軍潜水艦の行動を制限していた。
それでも侵入は多かったが、毎月の被害を数万トンに抑える事に成功していた。
だが、今後も続くかどうか不明であった。
「何でも九〇一航空隊が新兵器を装備して敵潜をどんどん狩っている、と言う噂で」
「変な噂を流したりする軽い口は首が飛ぶぞ」
「すっ済みません」
殺気を纏った兵長の言葉に水兵は縮み上がった。
メンコ――海軍で食事を摂った数、在籍日数の長い兵長は、それなりに人脈、海兵団同期が九〇一航空隊に配属されていて、その辺の事情を知っている。
口外無用という条件で教えて貰ったが、磁気探知機という潜水艦が海中に居ても上空から見つけられる新装備が開発され使用しているとのことだ。
重大な機密だが、潜水艦の脅威に対して安堵して欲しいという気持ちもあり、上官の許可を得て同期が教えてくれた。
電探が使い物になるのはソロモンで幾度も助かって知っていたが、潜航中の潜水艦まで探知できず、聴音と目視が頼りだった。
だが、味方が海中の潜水艦を発見できるようになり仕留めてくれている。それを知るだけでも安心感が違う。
「味方が頑張って潜水艦を狩ってくれているから俺たちは安心して航行出来るんだ。だが油断は厳禁だぞ」
だが同時に欠点も教えられた。
探知範囲が著しく狭い――敵潜のほぼ真上でないと探知できない上に海面すれすれで飛行する必要がある。
限られた範囲を哨戒する、陸上や船舶からの潜水艦情報で周囲を飛び回り探し出す敷かない状況だ。
当然、見逃す事も多く、艦隊側でも潜水艦に警戒、対処する必要があり対潜訓練を充実させていた。
それでも、潜水艦の被害は目に見えて激減していた。
水兵が兵長に叱られている、乗艦が沈んでいないのも九〇一航空隊のおかげだった。
「はい、以後慎みます。……しかし、毎回対潜訓練だと飽きますね」
「安心しろ、午後は榛名の防空演習に参加する。榛名を狙ってくる雷撃機を撃退する大変な事になるから飽きはしないぞ」
「うへえ」
やぶ蛇を言ってしまった、と水兵は思った。
「そう、不平を言うな。訓練が終われば、主計の連中がさっき上がった魚を炙った茶漬けを出してくれるそうだ」
「本当ですか!」
酒と醤油と砂糖でタレを作り、そこへ炙った切り身を入れて一時間漬けたあと切り分けて、ご飯の上に載せ、さらに薬味を追加したところに熱湯を掛ける。
これだけでも美味しいが主計が、魚の骨を炙って作った出汁をかけてくれるので格段に美味い絶品の茶漬けだ。
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