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エピローグ
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「英国旗艦キング・ジョージ五世より入電。ビスマルク沈没」
「艦長了解」
報告を聞いて松田大佐は安堵した。
大和の砲撃により舵を奪われたビスマルクはそのまま直進。
英国本国から来たロドネーを含む英国本国艦隊へ突っ込んだ。
一二インチ四連装砲三基を艦首へ集中配備し対一六インチ防御のロドネー相手では撃破は出来ない。
一方のロドネーも砲撃ではビスマルクを撃破――装甲を打ち抜くことが出来ない。
仕留めようとシェフィールドに率いられた随伴駆逐艦が魚雷を放とうと突撃した。
だが、ビスマルクは素早く主砲を旋回。もう砲撃を加えシェフィールドと駆逐艦二隻を海の底へ沈めた。
だが、彼らの犠牲は無駄ではなかった。
その間にロドネーがビスマルクに接近していた。
ロドネーには水線下に魚雷発射管を二門装備していた。それも二四インチ――六二サンチの大型魚雷だ。
敵艦にトドメを刺すために取り付けられた魚雷発射管である。
日本ではユトランド沖海戦で、リュウツオウが艦首魚雷発射管室に浸水したため沈没したことから廃止されていたが、英国では至近距離での戦闘を想定して残されていた。
主砲が制限されたため、敵艦を仕留める奥の手として残されていたが、役に立った形だ。
決して打ち抜かれない装甲を使い、至近距離まで接近。必中の距離から放たれた魚雷がビスマルクに命中。
大和の水中弾によって多大な浸水が発生していたビスマルクのトドメとなった。
もっとも、ロドネーもただでは済まなかった。
ビスマルクへのトドメとなった魚雷を発射後の次発装填中、ビスマルクの至近弾が魚雷発射管近くに着弾。発射管の扉を歪め浸水を発生させ、魚雷発射を不能にした。
ビスマルクの力戦はこれまでだった。
装甲は打ち抜かれなかったが、非装甲区画、特に上構造物を滅茶苦茶にされ、射撃指揮所、副砲群、高角砲が全滅。射撃不能になる。
主砲も過度の砲撃で閉鎖機に異常が発生し発砲不能となったり着弾の衝撃で装填中誘爆を起こす事故があり、全主砲が使用不能。
戦闘不能、復帰不能と判断したエールズ副長により「処置第五号用意」――自爆を含めた自沈処置および総員退艦が発令され、艦長リンデマン大佐が承認。
ビスマルクの自沈処置と退艦がが始まった。
しかし、上部構造物を破壊され、休戦を意味する白旗を揚げられず、なお前進を続けるビスマルクを英国艦隊は交戦の意思あり、と判断。砲撃を続けた。
結果、退艦中の乗員に砲弾の雨が降り注ぎ、特に避難経路となっていた酒保区画に英国艦隊の砲弾が命中。乗員の真ん中で炸裂しエールズ副長以下、一〇〇名以上を戦死させた。
英国艦隊の攻撃は熾烈だったが、このときには燃料消費が激しく母港である本土へ帰還するのに必要な燃料が底を突きかけていた。
そのため、戦闘速力を維持できず、砲撃中止を命令。
反撃不能と判断し、残った巡洋艦と駆逐艦による雷撃を命じて戦艦部隊は砲撃を中止して反転した。
この間にビスマルクの乗員は脱出し、大勢が助かった。
ただ、艦長であるリンデンマン大佐は、退艦する乗員がごった返す甲板を、悠然と歩き艦首へ向かった。
艦首の先端にある旗竿にたどり着くと乗員への最後の敬礼を行い別れを告げた。
直後、ビスマルクは艦尾から沈み始め、艦首を空に掲げてそのまま海に向かって沈没。
リンデンマン大佐はビスマルクと運命を共にした。
かくしてビスマルクはレーダー元帥が言ったように勇敢に戦い、気高き死に様を見せつけた。
ビスマルクの戦いぶりにさすがの英国海軍も賞賛を惜しまず、積極的に喧伝した。
勝者の余裕もあったが、ビスマルクの戦いぶりに対戦相手として畏敬の念があった。
また海上に投げ出されたビスマルク生存者を、Uボートの雷撃を恐れて早々に切り上げ110名のみ救い出して残りを見殺しにした後ろめたさもあった。
実際、Uボートはこの海域で活動しており、ビスマルクの生存者3名の救出に成功している。
戦時下とはいえ、船乗りとして遭難者を救助できなかったことを英国海軍乗員達は、後日まで悔いていた。
「これで終わりだな」
短く宇垣が呟いた。
それはビスマルク追撃戦だけではなく、ドイツ海軍の戦闘が艦隊決戦が終わった事を意味した。
ドイツ海軍最強の戦艦でさえ、英国軍の包囲を突破できない。
大西洋へ進出する事は不可能になった。
艤装中の二番艦ティルピッツが本国からスカンジナビアに欠けての海域から出てくることはないだろう。
事実、ビスマルク喪失はドイツ海軍上層部に衝撃を与え、彼らが抱いた局所的艦隊決戦という思いは、ビスマルクと共に沈んだ。
以降ドイツ海軍は大型艦の出撃に慎重になり、活動を低下させていく。
「我々の手で仕留めたかったのですが」
黛が文句を言う。
美味しいところを英国にかっさらわれた事に怒っている。
「致し方ない。魚雷を食らってはな」
大和と同じように心がご機嫌斜めで怒ったままの黛を松田がなだめた。
ビスマルクに有効弾を与えた直後、大和は接近してきたプリンツ・オイゲンからの魚雷攻撃によって被雷した。
片舷から六本が放たれた中で大和に命中したのは一本だけ。だがバルジのない機関室に命中。右舷機械室が浸水し右舷外側スクリューが停止。
新たな被雷を恐れた大和は戦線を離脱した。
大和は反撃したが、プリンツ・オイゲンは素早く離脱。
速力が遅くなった大和は追いかけることは出来ず、ビスマルクへの追撃も断念し、フッドとアタッカーの生存者の救助へ回った。
「まあ、我々の働きを認めてくれるよ」
英国はビスマルク追撃のために全力を注いだ。
にもかかわらずフッドとアタッカーを撃沈され、プリンス・オブ・ウェールズは大破した。
しかもフッドは世界で一番有名な軍艦であり影響は計り知れない。ここは英国に花を持たせなければならないだろう。
これも井上中将の指示だ。
世界最大の戦艦として長く君臨し英国の象徴であったマイティフッド――偉大なるフッドの撃沈で色を失った英国海軍上層部の様子を見て大和に指示したのだ。
それに、沈んだアタッカーとフッドの乗員を救助する必要があった。
北極圏に近いため海水温は凍死温度に近い。
すぐに引き上げなければ凍死してしまう。
それでも二艦とも急速に爆沈したため、生存者はフッドで二八名、アタッカーで五四名である。
救助が間に合わなければ全滅の可能性もあった。
「ミスタ・ダンダスと会うことも出来なかったわけだしな」
エジンバラ出身の少年と言える年齢の少尉候補生がフッド生存者の最先任として大和の艦橋に上がり、救助者を代表して感謝を述べたのは先刻の事だ。
大英帝国海軍の一員として、恥じることのない言動をしなければならないという思いから動きはぎこちなかったが、その姿を見た大和乗員は救助して良かったと心から思っていた。
大和が戦場を離脱し救助に当たった甲斐があったものだ。
「艦長、敵信傍受班がビスマルクの最後の電文を受信しました」
「ほう、なんと言っていた」
「ドイチュラント、ユーバーアーレス」
「……ハイル・フューラーではなかったか」
ドイチュラント、ユーバーアーレス――祖国ドイツに栄光あれ
ドイツ海軍のナチス嫌いの噂は聞いていたが本当のようだった。
撃沈前にドイツ、いやアドルフ・ヒトラーからビスマルクへ通信が送られていた。
ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーより艦隊司令長官へ
全ドイツ国民に成り代わり、貴官に感謝す
ビスマルク乗員へ
全ドイツは諸氏と共にあり
保てる全力を発揮されんことを祈る
ゴールに向かって死力を尽くす国民にとって諸氏の果敢な行為は鑑たらん
リッチェンスが戦死していることは、連合国もヒトラー自身も知らなかった。
受信した時、松田は孤軍奮闘するビスマルクに通信のみしか送れないドイツ帝国の正体と将来を見た気がした。
日本は孤立していた一時期ドイツに接近していた事があった。
だが英国が同盟再締結を呼びかけてくれたお陰でドイツとの同盟は不要となった。
もし、ドイツと同盟を締結していたら、日本はドイツ側に立ってこの戦争に参加して板だろう。
その時、自分はどうなっていたか分からない。
第二次ロンドン海軍軍縮条約という異様な条約とその波及効果が大和を生み出し守ってくれたようで、松田は変な気分になった。
「艦長、司令部より通信が入っています」
通信員が弾んだ声で言う。
嬉しい知らせなのだろう。
「読め」
「はっ、大和は損傷修理のため本国へ帰還せよ、以上です」
歓声は湧かなかったが、乗員が喜んでいることは分かった。
遠い北大西洋から日本に戻れるのだ。
嬉しいはずだ。
「司令官」
「よろしい、スカパフローへ寄港し機関の修理とミスタ・ダンダス以下の遭難者を英国海軍に引き渡した後、本国へ帰投する」
「了解。航海長、針路算出」
大和は回頭しスカパフローへ向かった。
全員戦果を挙げたことに満足していた。
日本に凱旋帰国できることが嬉しかった。
松田も嬉しかった。
これでようやく大和の改装が出来る。
歪な艦を本来有るべき姿に戻すことが出来ると思ったからだ。
「艦長了解」
報告を聞いて松田大佐は安堵した。
大和の砲撃により舵を奪われたビスマルクはそのまま直進。
英国本国から来たロドネーを含む英国本国艦隊へ突っ込んだ。
一二インチ四連装砲三基を艦首へ集中配備し対一六インチ防御のロドネー相手では撃破は出来ない。
一方のロドネーも砲撃ではビスマルクを撃破――装甲を打ち抜くことが出来ない。
仕留めようとシェフィールドに率いられた随伴駆逐艦が魚雷を放とうと突撃した。
だが、ビスマルクは素早く主砲を旋回。もう砲撃を加えシェフィールドと駆逐艦二隻を海の底へ沈めた。
だが、彼らの犠牲は無駄ではなかった。
その間にロドネーがビスマルクに接近していた。
ロドネーには水線下に魚雷発射管を二門装備していた。それも二四インチ――六二サンチの大型魚雷だ。
敵艦にトドメを刺すために取り付けられた魚雷発射管である。
日本ではユトランド沖海戦で、リュウツオウが艦首魚雷発射管室に浸水したため沈没したことから廃止されていたが、英国では至近距離での戦闘を想定して残されていた。
主砲が制限されたため、敵艦を仕留める奥の手として残されていたが、役に立った形だ。
決して打ち抜かれない装甲を使い、至近距離まで接近。必中の距離から放たれた魚雷がビスマルクに命中。
大和の水中弾によって多大な浸水が発生していたビスマルクのトドメとなった。
もっとも、ロドネーもただでは済まなかった。
ビスマルクへのトドメとなった魚雷を発射後の次発装填中、ビスマルクの至近弾が魚雷発射管近くに着弾。発射管の扉を歪め浸水を発生させ、魚雷発射を不能にした。
ビスマルクの力戦はこれまでだった。
装甲は打ち抜かれなかったが、非装甲区画、特に上構造物を滅茶苦茶にされ、射撃指揮所、副砲群、高角砲が全滅。射撃不能になる。
主砲も過度の砲撃で閉鎖機に異常が発生し発砲不能となったり着弾の衝撃で装填中誘爆を起こす事故があり、全主砲が使用不能。
戦闘不能、復帰不能と判断したエールズ副長により「処置第五号用意」――自爆を含めた自沈処置および総員退艦が発令され、艦長リンデマン大佐が承認。
ビスマルクの自沈処置と退艦がが始まった。
しかし、上部構造物を破壊され、休戦を意味する白旗を揚げられず、なお前進を続けるビスマルクを英国艦隊は交戦の意思あり、と判断。砲撃を続けた。
結果、退艦中の乗員に砲弾の雨が降り注ぎ、特に避難経路となっていた酒保区画に英国艦隊の砲弾が命中。乗員の真ん中で炸裂しエールズ副長以下、一〇〇名以上を戦死させた。
英国艦隊の攻撃は熾烈だったが、このときには燃料消費が激しく母港である本土へ帰還するのに必要な燃料が底を突きかけていた。
そのため、戦闘速力を維持できず、砲撃中止を命令。
反撃不能と判断し、残った巡洋艦と駆逐艦による雷撃を命じて戦艦部隊は砲撃を中止して反転した。
この間にビスマルクの乗員は脱出し、大勢が助かった。
ただ、艦長であるリンデンマン大佐は、退艦する乗員がごった返す甲板を、悠然と歩き艦首へ向かった。
艦首の先端にある旗竿にたどり着くと乗員への最後の敬礼を行い別れを告げた。
直後、ビスマルクは艦尾から沈み始め、艦首を空に掲げてそのまま海に向かって沈没。
リンデンマン大佐はビスマルクと運命を共にした。
かくしてビスマルクはレーダー元帥が言ったように勇敢に戦い、気高き死に様を見せつけた。
ビスマルクの戦いぶりにさすがの英国海軍も賞賛を惜しまず、積極的に喧伝した。
勝者の余裕もあったが、ビスマルクの戦いぶりに対戦相手として畏敬の念があった。
また海上に投げ出されたビスマルク生存者を、Uボートの雷撃を恐れて早々に切り上げ110名のみ救い出して残りを見殺しにした後ろめたさもあった。
実際、Uボートはこの海域で活動しており、ビスマルクの生存者3名の救出に成功している。
戦時下とはいえ、船乗りとして遭難者を救助できなかったことを英国海軍乗員達は、後日まで悔いていた。
「これで終わりだな」
短く宇垣が呟いた。
それはビスマルク追撃戦だけではなく、ドイツ海軍の戦闘が艦隊決戦が終わった事を意味した。
ドイツ海軍最強の戦艦でさえ、英国軍の包囲を突破できない。
大西洋へ進出する事は不可能になった。
艤装中の二番艦ティルピッツが本国からスカンジナビアに欠けての海域から出てくることはないだろう。
事実、ビスマルク喪失はドイツ海軍上層部に衝撃を与え、彼らが抱いた局所的艦隊決戦という思いは、ビスマルクと共に沈んだ。
以降ドイツ海軍は大型艦の出撃に慎重になり、活動を低下させていく。
「我々の手で仕留めたかったのですが」
黛が文句を言う。
美味しいところを英国にかっさらわれた事に怒っている。
「致し方ない。魚雷を食らってはな」
大和と同じように心がご機嫌斜めで怒ったままの黛を松田がなだめた。
ビスマルクに有効弾を与えた直後、大和は接近してきたプリンツ・オイゲンからの魚雷攻撃によって被雷した。
片舷から六本が放たれた中で大和に命中したのは一本だけ。だがバルジのない機関室に命中。右舷機械室が浸水し右舷外側スクリューが停止。
新たな被雷を恐れた大和は戦線を離脱した。
大和は反撃したが、プリンツ・オイゲンは素早く離脱。
速力が遅くなった大和は追いかけることは出来ず、ビスマルクへの追撃も断念し、フッドとアタッカーの生存者の救助へ回った。
「まあ、我々の働きを認めてくれるよ」
英国はビスマルク追撃のために全力を注いだ。
にもかかわらずフッドとアタッカーを撃沈され、プリンス・オブ・ウェールズは大破した。
しかもフッドは世界で一番有名な軍艦であり影響は計り知れない。ここは英国に花を持たせなければならないだろう。
これも井上中将の指示だ。
世界最大の戦艦として長く君臨し英国の象徴であったマイティフッド――偉大なるフッドの撃沈で色を失った英国海軍上層部の様子を見て大和に指示したのだ。
それに、沈んだアタッカーとフッドの乗員を救助する必要があった。
北極圏に近いため海水温は凍死温度に近い。
すぐに引き上げなければ凍死してしまう。
それでも二艦とも急速に爆沈したため、生存者はフッドで二八名、アタッカーで五四名である。
救助が間に合わなければ全滅の可能性もあった。
「ミスタ・ダンダスと会うことも出来なかったわけだしな」
エジンバラ出身の少年と言える年齢の少尉候補生がフッド生存者の最先任として大和の艦橋に上がり、救助者を代表して感謝を述べたのは先刻の事だ。
大英帝国海軍の一員として、恥じることのない言動をしなければならないという思いから動きはぎこちなかったが、その姿を見た大和乗員は救助して良かったと心から思っていた。
大和が戦場を離脱し救助に当たった甲斐があったものだ。
「艦長、敵信傍受班がビスマルクの最後の電文を受信しました」
「ほう、なんと言っていた」
「ドイチュラント、ユーバーアーレス」
「……ハイル・フューラーではなかったか」
ドイチュラント、ユーバーアーレス――祖国ドイツに栄光あれ
ドイツ海軍のナチス嫌いの噂は聞いていたが本当のようだった。
撃沈前にドイツ、いやアドルフ・ヒトラーからビスマルクへ通信が送られていた。
ドイツ第三帝国総統アドルフ・ヒトラーより艦隊司令長官へ
全ドイツ国民に成り代わり、貴官に感謝す
ビスマルク乗員へ
全ドイツは諸氏と共にあり
保てる全力を発揮されんことを祈る
ゴールに向かって死力を尽くす国民にとって諸氏の果敢な行為は鑑たらん
リッチェンスが戦死していることは、連合国もヒトラー自身も知らなかった。
受信した時、松田は孤軍奮闘するビスマルクに通信のみしか送れないドイツ帝国の正体と将来を見た気がした。
日本は孤立していた一時期ドイツに接近していた事があった。
だが英国が同盟再締結を呼びかけてくれたお陰でドイツとの同盟は不要となった。
もし、ドイツと同盟を締結していたら、日本はドイツ側に立ってこの戦争に参加して板だろう。
その時、自分はどうなっていたか分からない。
第二次ロンドン海軍軍縮条約という異様な条約とその波及効果が大和を生み出し守ってくれたようで、松田は変な気分になった。
「艦長、司令部より通信が入っています」
通信員が弾んだ声で言う。
嬉しい知らせなのだろう。
「読め」
「はっ、大和は損傷修理のため本国へ帰還せよ、以上です」
歓声は湧かなかったが、乗員が喜んでいることは分かった。
遠い北大西洋から日本に戻れるのだ。
嬉しいはずだ。
「司令官」
「よろしい、スカパフローへ寄港し機関の修理とミスタ・ダンダス以下の遭難者を英国海軍に引き渡した後、本国へ帰投する」
「了解。航海長、針路算出」
大和は回頭しスカパフローへ向かった。
全員戦果を挙げたことに満足していた。
日本に凱旋帰国できることが嬉しかった。
松田も嬉しかった。
これでようやく大和の改装が出来る。
歪な艦を本来有るべき姿に戻すことが出来ると思ったからだ。
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