入れ替わりのモニター

廣瀬純七

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トラブルの後始末

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サーバーの復旧には成功したものの、システムの詳細なチェックがまだ終わっていない。  
拓也の体の沙織は、エンジニアたちの会話を必死に聞きながら、スマホの画面を見つめた。  

📩 **拓也(沙織の体)からのLINE**  
「次はログを分析して、不具合の根本原因を特定しろ」  

(えぇ……まだあるの……?)  

「拓也、引き続き調査頼むぞ!」と上司に言われ、沙織(拓也の体)は思わず引きつった笑みを浮かべた。  

「は、はい! えっと、ログを……」  

慌ててキーボードを叩きながら、拓也の指示通りに作業を進めていく。  

📩 「ログの中から ‘error’ や ‘warning’ を検索して」  

「えーっと、grep コマンドで……」  

📩「うん、それだ。それでログを整理して報告すればOK」  

(な、なんとかできそうかも……?)  

上司に報告すると、「おお、助かる!」とホッとした顔で頷かれる。  

(拓也の仕事、マジで大変……)  

午前中いっぱいかけてシステムチェックを進め、ようやく一息ついた。  
腕時計を見ると、もう昼休みの時間だった。  

(ふぅ……)  

沙織(拓也の体)はスマホを取り出し、拓也(沙織の体)にメッセージを送った。  

📩「仕事の大変さが身に染みた……」  

📩「だろ? 俺の苦労、分かったか?」  

📩「うん、めちゃくちゃ分かった……というか、昼休みだよね? そっちはどう?」  

📩「こっちもバタバタしてたけど、今は落ち着いたよ。園児たちの相手は相変わらず大変だけどな!」  

📩「お互い大変な仕事してるね……」  

📩「でも、意外とこなせてるんじゃね?」  

📩「それはお互いのサポートがあるからでしょ!」  

📩「まあな! じゃあ午後も頑張れよ!」  

📩「そっちもね!」  

スマホをポケットにしまいながら、沙織(拓也の体)は大きく息をついた。  

(午後も頑張るしかないか……)  
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