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男子トイレ事件
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次の日の昼休み、歩美の体になった隆司は教室を出て、トイレに向かった。
(あー、トイレトイレ。男子トイレってどこだっけ…あ、そっか。俺、今は歩美の体なんだっけ。)
頭では理解しているものの、長年の習慣が染みついていたのか、気がつくと男子トイレの前に立っていた。
(まあ、誰も見てないだろうし、入っちゃえば大丈夫だろ。)
誰にも気づかれないようにと素早く中に入り、小便器の前に立つ。
しかし、すぐに違和感が襲ってきた。
(ん…?なんか…変だな。いや、違う、今の俺、この体じゃ立ってするわけにいかないんだった!)
気づいた瞬間、隣の小便器に立っていた男子生徒と目が合った。
「……北原?」
男子生徒は目を丸くして固まっている。
「えっ!?あ、いや、その、違う!」
隆司は焦りながら言葉を探したが、何も出てこない。
「いや、何が違うんだよ!?お前、なんでここにいんだよ!?しかも小便器の前で!」
男子生徒は大声を上げ、トイレの空気が一気に張り詰めた。
「ご、ごめん!間違えた!えっと、こっちじゃなかったんだ!」
隆司は顔を赤くしながら慌てて女子トイレに逃げ込んだ。
---
女子トイレの個室の中で、隆司は心臓がバクバクしているのを感じながら頭を抱えた。
(くっそ、マジでやらかした!なんでこんな初歩的なミスを…!)
外からはまだ男子生徒のざわざわした声が聞こえる。
「橘、マジでどうしたんだ?最近、変なことばっかりだぞ。」
「いやいや、女子が男子トイレに入るってどういうことだよ…。」
(やべえ、これ以上バレる前にどうにか誤魔化さないと…。)
女子トイレから出た隆司は、できるだけ自然な顔を作りながら男子生徒たちに向き直った。
「あのさ、これには深い事情があって…いや、まあその…ちょっと考え事をしていたから、」
「考え事?」
「そう、ちょっと悩み事があって、、」
必死な様子に、男子たちは呆れたように肩をすくめた。
「まあ、次は女子トイレ使えよな。」
「わ、分かってる!」
隆司はぎこちない笑顔を浮かべながらトイレを後にした。
---
教室に戻って隆司は大きく息を吐いた。
(もう絶対に男子トイレなんか入らねえ…。女子の体って、ほんといろいろ面倒くさすぎる。)
その日の午後、男子たちの間では「北原が男子トイレに入っていた」という妙な噂が広がり、歩美(隆司の体)はクラスの視線にさらにさらされることになった。
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(あー、トイレトイレ。男子トイレってどこだっけ…あ、そっか。俺、今は歩美の体なんだっけ。)
頭では理解しているものの、長年の習慣が染みついていたのか、気がつくと男子トイレの前に立っていた。
(まあ、誰も見てないだろうし、入っちゃえば大丈夫だろ。)
誰にも気づかれないようにと素早く中に入り、小便器の前に立つ。
しかし、すぐに違和感が襲ってきた。
(ん…?なんか…変だな。いや、違う、今の俺、この体じゃ立ってするわけにいかないんだった!)
気づいた瞬間、隣の小便器に立っていた男子生徒と目が合った。
「……北原?」
男子生徒は目を丸くして固まっている。
「えっ!?あ、いや、その、違う!」
隆司は焦りながら言葉を探したが、何も出てこない。
「いや、何が違うんだよ!?お前、なんでここにいんだよ!?しかも小便器の前で!」
男子生徒は大声を上げ、トイレの空気が一気に張り詰めた。
「ご、ごめん!間違えた!えっと、こっちじゃなかったんだ!」
隆司は顔を赤くしながら慌てて女子トイレに逃げ込んだ。
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女子トイレの個室の中で、隆司は心臓がバクバクしているのを感じながら頭を抱えた。
(くっそ、マジでやらかした!なんでこんな初歩的なミスを…!)
外からはまだ男子生徒のざわざわした声が聞こえる。
「橘、マジでどうしたんだ?最近、変なことばっかりだぞ。」
「いやいや、女子が男子トイレに入るってどういうことだよ…。」
(やべえ、これ以上バレる前にどうにか誤魔化さないと…。)
女子トイレから出た隆司は、できるだけ自然な顔を作りながら男子生徒たちに向き直った。
「あのさ、これには深い事情があって…いや、まあその…ちょっと考え事をしていたから、」
「考え事?」
「そう、ちょっと悩み事があって、、」
必死な様子に、男子たちは呆れたように肩をすくめた。
「まあ、次は女子トイレ使えよな。」
「わ、分かってる!」
隆司はぎこちない笑顔を浮かべながらトイレを後にした。
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教室に戻って隆司は大きく息を吐いた。
(もう絶対に男子トイレなんか入らねえ…。女子の体って、ほんといろいろ面倒くさすぎる。)
その日の午後、男子たちの間では「北原が男子トイレに入っていた」という妙な噂が広がり、歩美(隆司の体)はクラスの視線にさらにさらされることになった。
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