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兄の災難
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兄の浩二は、仕事で疲れていた。久しぶりの休みを利用して、妹の美咲の部屋に泊まりに来た。妹とは離れて暮らしていたが、彼女の住んでいるマンションは快適そうで、リフレッシュするには絶好の場所だった。
美咲は料理が得意で、二人で夕飯を楽しんだ後、リビングでのんびり過ごしていた。浩二はビールを片手にテレビを見ながら、「今日はゆっくり風呂に入って、早めに寝ようかな」と言った。
「いいね!バスルーム、自由に使っていいよ。お湯も張ってあるから、好きに入ってリラックスして」と美咲が笑顔で言う。
浩二はその言葉に甘えて、バスルームへ向かった。ドアを開けると、芳しい香りが漂っていた。「お、いい匂いがするな」と思いながら、湯船に目をやると、湯気が立ち込めていていかにも心地よさそうだ。湯の表面には美しい泡が浮かび、まるで高級スパのような雰囲気だった。
「美咲、さすがにセンスがいいな」と感心しつつ、浩二はすぐに服を脱いで、湯船に浸かった。温かいお湯が体全体を包み込み、疲れが溶けていくような感覚が広がる。彼は目を閉じ、肩までお湯に浸かってリラックスし始めた。
だが、数分経った頃、妙な感覚が体に広がり始めた。初めは肩や背中が軽く感じたが、次第に胸のあたりが変に張っているような感じがしてきた。「なんだ?」と目を開けると、自分の体がいつもと違うことに気付いた。
鏡を見ようと立ち上がった瞬間、浩二は衝撃を受けた。自分の胸が、明らかに女性のものに変わっている。「な、なんだこれ?!美咲か?」慌てて鏡の前に立つと、そこに映っていたのは、完全に女性の姿になった自分だった。長い髪、柔らかな顔立ち、そして細くしなやかな体つき――浩二は自分がどうなっているのか理解できず、ただただ驚きの表情を浮かべた。
「これって、どういうことだ…?」頭の中は混乱していたが、体が完全に女性になっている現実を否定することはできなかった。浴室にあるボトルや入浴剤を見て、浩二はふと美咲が使っていた入浴剤に目を留めた。
「まさか…これが原因か?」
急いでバスローブを羽織り、リビングに戻ると、美咲がソファに座ってスマホを見ていた。浩二は混乱しながらも、「美咲!」と声を上げたが、聞こえてきた自分の声が予想外に高く、女性らしいことにさらに驚いた。
美咲は兄の変わり果てた姿を見て、一瞬目を丸くしたが、すぐに状況を察して顔を手で覆った。「ああ…ごめん、言うの忘れてた…」
「忘れてた?どういうことだよ!俺、女になっちゃってるんだけど!」浩二は戸惑いながらも、なんとか落ち着いて話そうとした。
美咲は申し訳なさそうに笑いながら説明を始めた。「その入浴剤、実は性転換の効果があるの。私もたまに使ってるんだけど、今日はそのことを伝えるのをすっかり忘れてて…」
「性転換?そんなもの、普通置いとくか?」浩二は信じられないといった様子で、変わってしまった自分の体を再確認した。
美咲は肩をすくめながら、「そういう体験がしたくて買ったのよ。たまには男になってみるのも面白いし、気分転換にぴったりだからね」と言った。
「いや、気分転換どころじゃないよ…」浩二はため息をつき、ソファにどさっと座った。バスローブから覗く自分の新しい体に、まだ馴染めていない様子だった。
「まあまあ、そんなに驚かないで。効果は一晩で元に戻るから。今日はその姿で楽しんでみれば?」美咲は悪びれずに言い、軽く肩を叩いた。
「楽しめって…」浩二は呆れたが、次第に「まあ、戻るならいいか…」と思い直した。確かに、このまま一晩だけ女性として過ごすのも、ある意味面白いかもしれない。美咲もそうやって楽しんでいるのだろう。
その後、浩二と美咲は二人で女性と男性の姿のまま、夜遅くまでおしゃべりを楽しんだ。美咲は「男の体だと、こんな風に感じるんだよ」といろいろな体験を語り、浩二も「女性として生活するのって、意外とこうなんだな」と新たな発見をしていった。
「明日には元に戻るから、今日はそのままリラックスしてね」と美咲は笑顔で言い、浩二もようやく落ち着いた様子で頷いた。
その夜、浩二は女性として過ごした初めての夜を経験しながら、「意外と悪くないかもしれない」と思い始めた。普段の自分とは違う視点で世界を見ることができたことに、少しだけ感謝の気持ちを抱きながら眠りについた。
翌朝、浩二は無事に元の姿に戻り、何事もなかったかのように一日をスタートさせた。しかし、この奇妙で不思議な体験は、彼の中で忘れられない記憶として残った。そして、次に美咲の家に泊まるときは、必ず入浴剤のチェックをしようと心に決めたのだった。
美咲は料理が得意で、二人で夕飯を楽しんだ後、リビングでのんびり過ごしていた。浩二はビールを片手にテレビを見ながら、「今日はゆっくり風呂に入って、早めに寝ようかな」と言った。
「いいね!バスルーム、自由に使っていいよ。お湯も張ってあるから、好きに入ってリラックスして」と美咲が笑顔で言う。
浩二はその言葉に甘えて、バスルームへ向かった。ドアを開けると、芳しい香りが漂っていた。「お、いい匂いがするな」と思いながら、湯船に目をやると、湯気が立ち込めていていかにも心地よさそうだ。湯の表面には美しい泡が浮かび、まるで高級スパのような雰囲気だった。
「美咲、さすがにセンスがいいな」と感心しつつ、浩二はすぐに服を脱いで、湯船に浸かった。温かいお湯が体全体を包み込み、疲れが溶けていくような感覚が広がる。彼は目を閉じ、肩までお湯に浸かってリラックスし始めた。
だが、数分経った頃、妙な感覚が体に広がり始めた。初めは肩や背中が軽く感じたが、次第に胸のあたりが変に張っているような感じがしてきた。「なんだ?」と目を開けると、自分の体がいつもと違うことに気付いた。
鏡を見ようと立ち上がった瞬間、浩二は衝撃を受けた。自分の胸が、明らかに女性のものに変わっている。「な、なんだこれ?!美咲か?」慌てて鏡の前に立つと、そこに映っていたのは、完全に女性の姿になった自分だった。長い髪、柔らかな顔立ち、そして細くしなやかな体つき――浩二は自分がどうなっているのか理解できず、ただただ驚きの表情を浮かべた。
「これって、どういうことだ…?」頭の中は混乱していたが、体が完全に女性になっている現実を否定することはできなかった。浴室にあるボトルや入浴剤を見て、浩二はふと美咲が使っていた入浴剤に目を留めた。
「まさか…これが原因か?」
急いでバスローブを羽織り、リビングに戻ると、美咲がソファに座ってスマホを見ていた。浩二は混乱しながらも、「美咲!」と声を上げたが、聞こえてきた自分の声が予想外に高く、女性らしいことにさらに驚いた。
美咲は兄の変わり果てた姿を見て、一瞬目を丸くしたが、すぐに状況を察して顔を手で覆った。「ああ…ごめん、言うの忘れてた…」
「忘れてた?どういうことだよ!俺、女になっちゃってるんだけど!」浩二は戸惑いながらも、なんとか落ち着いて話そうとした。
美咲は申し訳なさそうに笑いながら説明を始めた。「その入浴剤、実は性転換の効果があるの。私もたまに使ってるんだけど、今日はそのことを伝えるのをすっかり忘れてて…」
「性転換?そんなもの、普通置いとくか?」浩二は信じられないといった様子で、変わってしまった自分の体を再確認した。
美咲は肩をすくめながら、「そういう体験がしたくて買ったのよ。たまには男になってみるのも面白いし、気分転換にぴったりだからね」と言った。
「いや、気分転換どころじゃないよ…」浩二はため息をつき、ソファにどさっと座った。バスローブから覗く自分の新しい体に、まだ馴染めていない様子だった。
「まあまあ、そんなに驚かないで。効果は一晩で元に戻るから。今日はその姿で楽しんでみれば?」美咲は悪びれずに言い、軽く肩を叩いた。
「楽しめって…」浩二は呆れたが、次第に「まあ、戻るならいいか…」と思い直した。確かに、このまま一晩だけ女性として過ごすのも、ある意味面白いかもしれない。美咲もそうやって楽しんでいるのだろう。
その後、浩二と美咲は二人で女性と男性の姿のまま、夜遅くまでおしゃべりを楽しんだ。美咲は「男の体だと、こんな風に感じるんだよ」といろいろな体験を語り、浩二も「女性として生活するのって、意外とこうなんだな」と新たな発見をしていった。
「明日には元に戻るから、今日はそのままリラックスしてね」と美咲は笑顔で言い、浩二もようやく落ち着いた様子で頷いた。
その夜、浩二は女性として過ごした初めての夜を経験しながら、「意外と悪くないかもしれない」と思い始めた。普段の自分とは違う視点で世界を見ることができたことに、少しだけ感謝の気持ちを抱きながら眠りについた。
翌朝、浩二は無事に元の姿に戻り、何事もなかったかのように一日をスタートさせた。しかし、この奇妙で不思議な体験は、彼の中で忘れられない記憶として残った。そして、次に美咲の家に泊まるときは、必ず入浴剤のチェックをしようと心に決めたのだった。
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