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はじめてのショッピング
しおりを挟む研修が始まって二週間。
結衣——健一は、仕事にも生活にも慣れてきた。
最初は戸惑いばかりだったが、今ではスカートを履いてヒールで歩くのも当たり前になっている。
そして、今日は初めての休日。
「ねえ、中村さん。せっかくだし、今日買い物に行かない?」
そう声をかけてきたのは、社員寮で同じフロアに住む**佐々木玲奈**先輩だった。
年齢も背格好もほぼ同じで、研修が始まってから何かと気にかけてくれる優しい先輩。
「買い物、ですか?」
「そう! そろそろ私服も必要になるでしょ? それに……下着もね。」
「っ!!?」
結衣は一瞬、固まった。
**(し、下着……!?)**
そういえば、今は社員寮で支給されたものを使っているけど、確かにずっとそれというわけにもいかない。
「で、でも……私、私服なんて持ってませんよ?」
「大丈夫、私の服貸してあげる!」
そう言うと、玲奈先輩は自分のクローゼットを開け、いくつかの服を取り出した。
「うーん、結衣ちゃんの雰囲気に合いそうなのは……これかな?」
そう言って手渡されたのは、淡いピンクのブラウスと白のフレアスカート。
**(うわ……すごく女の子っぽい……!)**
「ちょっと着てみて?」
「え、えぇっ!?」
「恥ずかしがらないの! ほら、早く着替えて!」
言われるがままに、結衣は貸してもらった服に袖を通す。
鏡に映る自分の姿を見て——思わず言葉を失った。
「……なんか、本当に“中村結衣”って感じですね。」
「でしょ? すっごく似合ってるよ!」
玲奈先輩が満足げに頷く。
「じゃあ、このままショッピングモールに行きましょ!」
「は、はい……!」
◆◆◆
ショッピングモールに着くと、たくさんのショップが立ち並んでいた。
「まずは服から見ようか。」
玲奈先輩に手を引かれながら、結衣は女性向けのアパレルショップに足を踏み入れる。
店内は可愛らしいブラウスやワンピース、カジュアルなデニムやニットなどが並んでいた。
「これなんてどう?」
玲奈先輩が勧めてきたのは、シンプルなパステルカラーのワンピース。
「か、可愛いですね……。」
「試着してみる?」
「えっ!? で、でも……。」
「遠慮しないの! ほら、試着室行こ!」
玲奈先輩に押されるようにして、試着室へ。
——数分後。
ワンピースに着替えて鏡を見ると、そこには**まるで本物の女性のような自分**が映っていた。
**(う、嘘みたい……本当に女の子みたいになってる……!)**
カーテンを開けると、玲奈先輩が満面の笑みを浮かべた。
「やっぱり似合う! 結衣ちゃん、もう完全に女の子だね!」
「そ、そんなこと……!」
照れながらも、どこかくすぐったい気持ちになる。
◆◆◆
洋服を数着選んだ後——問題の**下着コーナー**にやってきた。
「さて、次は下着ね!」
「うぅ……やっぱり買わなきゃダメですか?」
「ダメに決まってるでしょ! いつまでも支給品のままじゃ恥ずかしいでしょ?」
**(そ、それはそうだけど……!)**
周囲を見渡すと、可愛らしいレースやシンプルなデザインの下着がズラリと並んでいる。
**(ど、どれを選べばいいんだ……!?)**
「初心者なら、こういうシンプルなのがいいかもね。」
玲奈先輩が手に取ったのは、淡いブルーのブラとショーツのセット。
「こ、これを私が……?」
「そうよ! じゃあサイズ測ってもらおうか?」
「さ、サイズ!?」
「当たり前でしょ! ほら、店員さんに声かけるわね♪」
「えぇぇぇぇぇ!?」
結衣は、人生で初めての「下着選び」のドキドキを味わうことになった——。
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