とある会社の秘密の研修

廣瀬純七

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生理の日

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研修が始まってからちょうど三週間。  

結衣——健一は、バーチャルの世界での生活にもすっかり慣れ、日々の業務もこなせるようになってきた。  

**しかし、今日の朝はいつもと何かが違った。**  

目を覚ますと、下腹部に鈍い痛みを感じた。  

「ん……?」  

布団の中で身じろぎすると、さらにズンと重たい痛みが広がる。  

「あれ……?」  

寝起きのぼんやりした頭で違和感を抱えながら起き上がると、**シーツにうっすらと赤い染みがついているのに気づいた。**  

「え……?」  

瞬間、血の気が引いた。  

何が起こったのか一瞬理解できなかったが、次の瞬間、言葉を失った。  

**(ま、まさか……生理!?)**  

◆◆◆  

「やばいやばいやばい……!」  

パニックになりながら、急いでスマホを開く。  

**【バーチャル研修の概要】**  

研修初日の説明を思い出しながらスクロールし、生理に関する記述を探す。  

——**『バーチャルの世界では、よりリアルな女性の体験をするために、3ヶ月間の間に3回の生理を経験します。』**  

「そ、そういえば……!」  

研修が始まる前に説明された時、まるで他人事のように聞き流していたが……  

**今まさに自分がそれを経験しているのだ。**  

◆◆◆  

「ど、どうしよう……!」  

慌ててクローゼットを開け、社員寮で支給されたアメニティセットを確認する。  

すると、中には**生理用ナプキン**がちゃんと入っていた。  

「これ……使わなきゃダメだよな……。」  

経験がないとはいえ、女性向けの知識としてナプキンの存在は知っている。  

説明書を見ながら恐る恐る下着に装着し、スカートを履く。  

「うぅ……なんか違和感すごい……。」  

それに加えて、下腹部の重たい痛みと、腰のあたりのだるさがじんわりと広がる。  

「これが、生理の辛さってやつか……。」  

これまで、女性が「生理が辛い」と言っているのを聞いたことはあったが、まさか自分が体験することになるなんて——。  

◆◆◆  

朝食を食べるために社員寮の食堂へ向かうと、玲奈先輩が笑顔で手を振ってきた。  

「おはよ、結衣ちゃん!」  

「あ、おはようございます……。」  

「ん? なんか元気ないね?」  

「え、えっと……ちょっと、お腹が痛くて……。」  

玲奈先輩は一瞬きょとんとした後、すぐに何かを察したように微笑んだ。  

「もしかして、生理?」  

「!!!」  

ド直球な質問に、思わずカァッと顔が熱くなる。  

「う……うん……。」  

「そっか、初めてだもんね。大丈夫?」  

玲奈先輩は優しく微笑むと、自分のバッグから何かを取り出して手渡してきた。  

「これ、貼るカイロ。お腹に貼ると楽になるよ。」  

「あ、ありがとうございます……!」  

カイロを受け取り、スカートの下からお腹に貼る。  

すると、じんわりとした温かさが広がり、少し痛みが和らいだ気がした。  

「生理中は無理しないのが一番だからね。今日は無理せず頑張ろう!」  

玲奈先輩の言葉に、結衣は小さく頷いた。  

**(生理って、こんなに大変なんだ……。)**  

バーチャルとはいえ、**女性の体のリアルな大変さを肌で感じる**結衣だった——。
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