Missing you

廣瀬純七

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角島大橋

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達也は、自転車を漕ぎながら徐々に近づいてくる角島大橋の全景を見つめていた。橋の入り口に差し掛かると、眼前に広がる日本海のエメラルドグリーンの海が一気に視界を満たす。その透明度と鮮やかな色彩に、思わず息を呑んだ。  

「これは……ぶちいいんよ、って美咲が言ってた通りだな……。」  

橋の上を進むたびに、海風が心地よく達也の顔を撫でていく。橋の両側に広がる青い海はどこまでも澄んでいて、遠くの水平線と空が溶け合っているようだった。橋を渡る車やバイクが行き交う中、自転車でゆっくりと景色を楽しむ達也。海の香り、風の音、そして光り輝く水面。すべてが美咲が語っていた「角島の魅力」を実感させてくれた。  

橋を渡りきり、島内の道を進むと、大浜海水浴場の看板が見えてきた。美咲の言葉を頼りに、この場所が目的地だと確信する。砂浜に続く細い道を抜けると、広大なビーチと青い海が目の前に広がった。  

達也は自転車を降り、砂浜の上に一歩踏み出した。波打ち際まで歩いて行き、潮の香りと波の音を感じながら視線を遠くへ投げる。白い砂浜が太陽の光を受けて眩しく輝き、子どもたちのはしゃぐ声が心地よく耳に届く。  

ふと、美咲の声が頭の中で響いた。  

「夏休みには、角島のビーチに行って遊んでたんよ。」  

それは、彼女が大学時代に楽しそうに話してくれた思い出だった。  

「海水浴もそうだけど、夕方になると砂浜に座って海を眺めるのが好きだったなぁ。なんか、時間がゆっくり流れてる感じがしてさ。」  

美咲が話していたその風景が、今の達也の目の前に広がっている。彼女が座っていたかもしれない砂浜。彼女が眺めていたかもしれない海と空。達也はそっと目を閉じて、記憶の中の美咲とこの場所を共有するように、しばらくその場に立ち尽くしていた。  

「美咲……お前、ここでどんなことを考えてたんだろうな。」  

潮風に吹かれながら、達也は再び自転車に跨がる。美咲が語っていた景色を自分も見られたことで、彼女に少しだけ近づけたような気がした。そして、達也は次の美咲の足跡を追う決意を胸に、島の道をゆっくりと進んでいった。  

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