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第7章 天下分け目の大決戦編
18.国米の戦い(10)
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木内政豊による援軍の攻撃により、大月軍は総崩れ。
さらに、政豊が殿を務める事で志太連合軍の退路を作っていた。
政豊
「よし、祐藤殿らはこれで無事に城へ帰すことができそうじゃな。」
政豊は、祐藤たちが自国へ向けて退却を始めている様子を見て安心した様子である。
政豊
「さてと、あとは大月軍の大将殿を討ち取らせていただくとするかね。」
政豊は表情を引き締めて大月軍の軍勢を睨んでいた。
長包
「ひいいぃぃっ!いかん、このままでは拙者もろとも全滅してしまうぞ!」
長包は慌てふためいた様子で落ち着きを失っていた。
政豊
「貴様のような裏切り者が副将軍など片腹が痛いわ。裏切りの報いを受けるが良い!」
そう言うと政豊は長包に対して弓を引いた。
放たれた矢は長包の顔をかすめて飛んでいった。
長包
「あわわわわわ!お前たち、早う何とかせぬか!」
長包は情けない声をあげ、その醜態を晒していた。
政豊
「長包殿よ、観念されるが良い!」
政豊は鬼の形相で長包に近付こうとしていた。
その時である。
突然、政豊の軍勢目掛けて無数の鉄砲玉が飛び交っていた。
堀内・幕府・鳥居の連合軍の軍勢が木内軍を取り囲んでいた。
どうやら政豊は長包の兵と戦う事に軍勢を集中させていた為、他の軍勢の接近に気付く事が遅れていたようである。
継晴
「仕方の無い奴じゃ…ほれ、助けに参ったぞ。」
呆れた表情で継晴はそう言った。
義成
「長包殿、もう少し骨のある者じゃと思っておったがな…」
続いて義成は残念そうな表情を浮かべていた。
為永
「長包殿、大丈夫にございますか…」
為永は、政豊の攻撃に怯える長包に対して心配の声をあげていた。
景綱
「この鳥居景綱めがそなたの相手をいたそうではないか。」
景綱は相変わらず凛々しい表情で政豊に向かってそう言った。
政豊は鬼の形相から一転し、笑みを浮かべ始めていた。
政豊
「ふふふ…長包殿よ、お主はどうも悪運が強いようじゃな。今回は命拾いしたと思え。じゃが、次は無いことを覚えておくが良いわ!」
政豊は長包に対してそう言い放った後、大月軍に背を向けて声をあげた。
政豊
「全軍に告ぐ!直ちに攻撃を止めて退却いたせ!良いな?」
退却命令である。
木内軍は1,000人ほどの兵数だ。
そして本体の堀内軍や幕府軍、鳥居軍の軍勢と比べるとその差は蟻と象である。
このような兵力差でまともに戦えば木内軍は壊滅する事は明白。
政豊はそうした状況を瞬時に把握し、退却命令を出したのである。
これは、先の柳城攻めにおいて崇冬によって辛酸を舐めさせられた痛い経験からか、戦場では冷静を保つ事を心掛けていたからこその判断と言っても良いであろう。
政豊による号令を受けた兵たちは、次々と風の如くに戦場から離脱。
そのあっという間の出来事に、継晴たちは攻撃を仕掛ける事が出来ずに軍勢を取り逃がしてしまったという。
義成
「木内政豊、真に逃げ足の早き者にございますな…」
義成が悔しそうな表情でそう言った。
継晴
「まぁ良いわ。こたびの戦は我が軍が勝利したことに変わりは無いからのぅ。」
継晴は、結果的には志太軍を退けた事に満足している様子であった。
さらに、政豊が殿を務める事で志太連合軍の退路を作っていた。
政豊
「よし、祐藤殿らはこれで無事に城へ帰すことができそうじゃな。」
政豊は、祐藤たちが自国へ向けて退却を始めている様子を見て安心した様子である。
政豊
「さてと、あとは大月軍の大将殿を討ち取らせていただくとするかね。」
政豊は表情を引き締めて大月軍の軍勢を睨んでいた。
長包
「ひいいぃぃっ!いかん、このままでは拙者もろとも全滅してしまうぞ!」
長包は慌てふためいた様子で落ち着きを失っていた。
政豊
「貴様のような裏切り者が副将軍など片腹が痛いわ。裏切りの報いを受けるが良い!」
そう言うと政豊は長包に対して弓を引いた。
放たれた矢は長包の顔をかすめて飛んでいった。
長包
「あわわわわわ!お前たち、早う何とかせぬか!」
長包は情けない声をあげ、その醜態を晒していた。
政豊
「長包殿よ、観念されるが良い!」
政豊は鬼の形相で長包に近付こうとしていた。
その時である。
突然、政豊の軍勢目掛けて無数の鉄砲玉が飛び交っていた。
堀内・幕府・鳥居の連合軍の軍勢が木内軍を取り囲んでいた。
どうやら政豊は長包の兵と戦う事に軍勢を集中させていた為、他の軍勢の接近に気付く事が遅れていたようである。
継晴
「仕方の無い奴じゃ…ほれ、助けに参ったぞ。」
呆れた表情で継晴はそう言った。
義成
「長包殿、もう少し骨のある者じゃと思っておったがな…」
続いて義成は残念そうな表情を浮かべていた。
為永
「長包殿、大丈夫にございますか…」
為永は、政豊の攻撃に怯える長包に対して心配の声をあげていた。
景綱
「この鳥居景綱めがそなたの相手をいたそうではないか。」
景綱は相変わらず凛々しい表情で政豊に向かってそう言った。
政豊は鬼の形相から一転し、笑みを浮かべ始めていた。
政豊
「ふふふ…長包殿よ、お主はどうも悪運が強いようじゃな。今回は命拾いしたと思え。じゃが、次は無いことを覚えておくが良いわ!」
政豊は長包に対してそう言い放った後、大月軍に背を向けて声をあげた。
政豊
「全軍に告ぐ!直ちに攻撃を止めて退却いたせ!良いな?」
退却命令である。
木内軍は1,000人ほどの兵数だ。
そして本体の堀内軍や幕府軍、鳥居軍の軍勢と比べるとその差は蟻と象である。
このような兵力差でまともに戦えば木内軍は壊滅する事は明白。
政豊はそうした状況を瞬時に把握し、退却命令を出したのである。
これは、先の柳城攻めにおいて崇冬によって辛酸を舐めさせられた痛い経験からか、戦場では冷静を保つ事を心掛けていたからこその判断と言っても良いであろう。
政豊による号令を受けた兵たちは、次々と風の如くに戦場から離脱。
そのあっという間の出来事に、継晴たちは攻撃を仕掛ける事が出来ずに軍勢を取り逃がしてしまったという。
義成
「木内政豊、真に逃げ足の早き者にございますな…」
義成が悔しそうな表情でそう言った。
継晴
「まぁ良いわ。こたびの戦は我が軍が勝利したことに変わりは無いからのぅ。」
継晴は、結果的には志太軍を退けた事に満足している様子であった。
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