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第7章 天下分け目の大決戦編
75.三浦宮御所の戦い(28)
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抜け穴を使い御所内に侵入した祐宗たちではあったが、その直後に幕府軍の不意打ちを受けた。
この突然の出来事に志太軍はたちまち混乱状態に陥っていた。
祐宗たちは不測の事態に立ち向かうべく、幕府軍と戦いを始めようとしていた。
祐宗
「良いか、何が何でも幕府軍を今ここで殲滅させるのじゃ!」
だが、その言葉に祐永は弱気な態度で口を開いた。
祐永
「しかし兄者、この戦況で我らに勝機はございますか…」
祐宗は祐永の両肩を叩いて真剣な眼差しを向けて言う。
祐宗
「祐永よ、拙者らが先程に申した言葉を忘れたか?よぉく思い出すが良い。」
その言葉を聞いた祐永は思い出した。
例えどのような困難であっても恐れずに立ち向かう決意を述べていた事を…
祐永
「はっ!そうでございました。拙者としたことが…弱気ではいかん!前に進まねばなりませぬな!」
祐永は我に返り、再び闘争心を燃やし始めていた。
すると今度は継晴が不気味な笑みを浮かべながら言う。
継晴
「ふっふっふっ…じゃが、どう足掻いても貴様らが不利なことには変わりは無かろう?そうじゃろう?」
志太軍は退路を断たれ、幕府軍の兵たちに囲まれている。
この状況では、誰がどう見ても明らかに志太軍が不利である事に変わりは無い。
志太軍を追い詰めた事で得意気な表情をしている継晴に対して政豊が声を上げる。
政豊
「けっ、あんたのような武の才能が無い人間にかようなことを言われても何も響かぬな。やれるものならやってみな!」
政豊は挑戦的な態度であった。
圧倒的に不利な状況に置かれてはいるものの、政豊の威勢の良さは終始変わらぬようである。
継晴
「ほう、面白い。ならば試してみるが良いわ!おいお前たち、かかれっ!」
そう言うと幕府軍の兵たちは一斉に志太軍に襲いかかった。
志太軍もこれに負けじと幕府軍に対して激しく抵抗していた。
だが、政豊の言う通り武の才能が無く戦下手であった継晴は、兵たちの指揮を上手く取る事が出来なかったと言う。
武家を束ねし「将軍」という肩書こそあれど、実戦の経験が一切無かった故の弊害であろうか。
しかしそれでも圧倒的に有利な状況にあった幕府軍は、志太軍を着実に追い詰めていった。
質よりも量と言った強引な戦法で志太軍をねじ伏せていたのである。
それから暫くの時が過ぎた。
幕府軍は依然として有利な状態で、志太軍は壊滅寸前状態にあった。
祐宗らの首に手がかけられるのも最早時間の問題である。
継晴
「志太殿よ、さっきまでの威勢はどうした?もう終わりか?つまらぬ、真につまらぬな…」
継晴は、総崩れとなった志太軍を眺めて自慢気にそう言った。
そして再び不気味な表情をして口を開く。
継晴
「どれ、これから死に行く貴様らに一つ念仏でも唱えてやろうか?ふはははは!」
継晴は、下品な笑い声を上げていた。
その様子に教晴がたまらず叫び出す。
教晴
「父上、お願いにございます!もう、かような醜きことはお辞めくだされ!」
教晴は自身の父親の醜い姿をこれ以上見たく無い一心であった。
しかし、その言葉は継晴の心に響く事は無かった。
継晴
「我が三浦将軍家をかような下劣な大名家に滅ばされてたまるものか!これは余の意地じゃ!」
最後まで将軍に従う事に対して首を縦に振らなかった志太家。
継晴は、武家の頂点とも言える将軍家に楯突く姿勢に対して私怨を抱いていた。
やがて幕府軍の兵たちは祐宗たちのすぐ近くにまで接近。
兵たちは今にも斬りかかり、首を取らんとしていた。
祐宗
「最早これまでか…父上、申し訳ございませぬ…」
祐永
「我が志太家は…これで終わってしまうのでございますな…」
政豊
「継晴!煮るなり焼くなり好きにしやがれ!」
この様子に祐宗らは観念した様子であった。
その時である。
御所内が突如として騒がしい雰囲気になり始めたのである。
継晴
「むっ?何じゃ何じゃ?何の騒ぎじゃ?」
継晴は、この突然の異変に戸惑いの表情を見せていた。
すると間もなくして兵が継晴の元に急いで駆け寄り、報告を始める。
兵
「継晴様!大変にございます!御所内に大軍が侵入しております!」
何やら御所の門が何者かの手によって破られたようである。
開門状態となった御所にはたちまち大軍が一斉に侵入し、幕府軍を目掛けて一目散に向かっていた。
やがて継晴らの前に現れた軍勢は、家紋の入った旗印をこちらに見せるように靡かせた。
鞘収め刀紋。
その家紋は、他でもない口羽家のものであった。
崇数
「祐宗様!遅れて大変申し訳ございませぬ。口羽軍総大将 口羽崇数、ただいま参りましたぞ!」
崇数は勇ましい表情でそう言っていた。
この突然の出来事に志太軍はたちまち混乱状態に陥っていた。
祐宗たちは不測の事態に立ち向かうべく、幕府軍と戦いを始めようとしていた。
祐宗
「良いか、何が何でも幕府軍を今ここで殲滅させるのじゃ!」
だが、その言葉に祐永は弱気な態度で口を開いた。
祐永
「しかし兄者、この戦況で我らに勝機はございますか…」
祐宗は祐永の両肩を叩いて真剣な眼差しを向けて言う。
祐宗
「祐永よ、拙者らが先程に申した言葉を忘れたか?よぉく思い出すが良い。」
その言葉を聞いた祐永は思い出した。
例えどのような困難であっても恐れずに立ち向かう決意を述べていた事を…
祐永
「はっ!そうでございました。拙者としたことが…弱気ではいかん!前に進まねばなりませぬな!」
祐永は我に返り、再び闘争心を燃やし始めていた。
すると今度は継晴が不気味な笑みを浮かべながら言う。
継晴
「ふっふっふっ…じゃが、どう足掻いても貴様らが不利なことには変わりは無かろう?そうじゃろう?」
志太軍は退路を断たれ、幕府軍の兵たちに囲まれている。
この状況では、誰がどう見ても明らかに志太軍が不利である事に変わりは無い。
志太軍を追い詰めた事で得意気な表情をしている継晴に対して政豊が声を上げる。
政豊
「けっ、あんたのような武の才能が無い人間にかようなことを言われても何も響かぬな。やれるものならやってみな!」
政豊は挑戦的な態度であった。
圧倒的に不利な状況に置かれてはいるものの、政豊の威勢の良さは終始変わらぬようである。
継晴
「ほう、面白い。ならば試してみるが良いわ!おいお前たち、かかれっ!」
そう言うと幕府軍の兵たちは一斉に志太軍に襲いかかった。
志太軍もこれに負けじと幕府軍に対して激しく抵抗していた。
だが、政豊の言う通り武の才能が無く戦下手であった継晴は、兵たちの指揮を上手く取る事が出来なかったと言う。
武家を束ねし「将軍」という肩書こそあれど、実戦の経験が一切無かった故の弊害であろうか。
しかしそれでも圧倒的に有利な状況にあった幕府軍は、志太軍を着実に追い詰めていった。
質よりも量と言った強引な戦法で志太軍をねじ伏せていたのである。
それから暫くの時が過ぎた。
幕府軍は依然として有利な状態で、志太軍は壊滅寸前状態にあった。
祐宗らの首に手がかけられるのも最早時間の問題である。
継晴
「志太殿よ、さっきまでの威勢はどうした?もう終わりか?つまらぬ、真につまらぬな…」
継晴は、総崩れとなった志太軍を眺めて自慢気にそう言った。
そして再び不気味な表情をして口を開く。
継晴
「どれ、これから死に行く貴様らに一つ念仏でも唱えてやろうか?ふはははは!」
継晴は、下品な笑い声を上げていた。
その様子に教晴がたまらず叫び出す。
教晴
「父上、お願いにございます!もう、かような醜きことはお辞めくだされ!」
教晴は自身の父親の醜い姿をこれ以上見たく無い一心であった。
しかし、その言葉は継晴の心に響く事は無かった。
継晴
「我が三浦将軍家をかような下劣な大名家に滅ばされてたまるものか!これは余の意地じゃ!」
最後まで将軍に従う事に対して首を縦に振らなかった志太家。
継晴は、武家の頂点とも言える将軍家に楯突く姿勢に対して私怨を抱いていた。
やがて幕府軍の兵たちは祐宗たちのすぐ近くにまで接近。
兵たちは今にも斬りかかり、首を取らんとしていた。
祐宗
「最早これまでか…父上、申し訳ございませぬ…」
祐永
「我が志太家は…これで終わってしまうのでございますな…」
政豊
「継晴!煮るなり焼くなり好きにしやがれ!」
この様子に祐宗らは観念した様子であった。
その時である。
御所内が突如として騒がしい雰囲気になり始めたのである。
継晴
「むっ?何じゃ何じゃ?何の騒ぎじゃ?」
継晴は、この突然の異変に戸惑いの表情を見せていた。
すると間もなくして兵が継晴の元に急いで駆け寄り、報告を始める。
兵
「継晴様!大変にございます!御所内に大軍が侵入しております!」
何やら御所の門が何者かの手によって破られたようである。
開門状態となった御所にはたちまち大軍が一斉に侵入し、幕府軍を目掛けて一目散に向かっていた。
やがて継晴らの前に現れた軍勢は、家紋の入った旗印をこちらに見せるように靡かせた。
鞘収め刀紋。
その家紋は、他でもない口羽家のものであった。
崇数
「祐宗様!遅れて大変申し訳ございませぬ。口羽軍総大将 口羽崇数、ただいま参りましたぞ!」
崇数は勇ましい表情でそう言っていた。
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