旦那様は魔王様!

狭山ひびき

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旦那様は魔王様≪最終話≫

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 シヴァはゆっくりと目を開けた。

「お兄様?」

 ミリアムの声がして首を巡らせれば、彼女は座っていたソファから腰を浮かせた。

 部屋の中にはミリアム以外誰もいない。

「……どのくらい、時間がたった?」

「丸一日よ。それで、お兄様が目を覚ましたってことは……」

 ミリアムの視線が、ベッドに横になっている沙良へと向く。彼女の瞼はまだ上がっていなかった。

「沙良?」

 シヴァは沙良の頬に触れて、静かに声をかける。

 すると、沙良の睫毛がピクリと揺れて、のろのろと瞼が持ち上がった。

「沙良ちゃん!」

 ミリアムがベッドに駆け寄って、目を開いた沙良に飛びつくようにして抱きしめる。

 沙良はミリアムに抱きつかれたまま、少し不安そうな表情を浮かべているシヴァの顔を見上げた。

 しばらく何も言わずにじっとシヴァの顔を見つめて――、その顔が、くしゃりと泣き笑いのような表情になる。


「シヴァ様……、わたし……」
 沙良の瞳に怯えた色がないのを確かめて、シヴァはほっと胸を撫でおろした。

 こういうとき、何と言えばいいのかはわからない。

 だが、なんとなく、この言葉が正しいような気がした。

「――おかえり、沙良」

 沙良はぽろりと涙を一つこぼして、笑った。

「ただいま、シヴァ様」
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