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帰宅と結婚準備 3
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雪がだいぶ解けて、桃の花が咲き始めた頃。
イアナの元にアントネッラ伯爵家から至急あつかいの手紙が届いた。
フェルナンドと共に手紙の封を切ったイアナは、その内容を見て目を見開いた。
「え? お父様が危篤⁉」
また金の無心だろうと思って手紙を開けば、父親が危篤状態になったから直ちに王都に戻って来いと書かれてあった。あまりに急なことで茫然としていると、フェルナンドがすぐにメイドを呼んで旅支度を整えるように伝えてくれる。
「さすがに危篤ならば無視できないだろう。すぐに準備を整えて王都へ向かおうか」
「でも旦那様。旦那様は明後日から公爵領内の貴族を集めた重要な会議がありますよね。そのあとには春から着手する予定の新しい町の開発地の視察も入っていたはずです。エラルドも魔術塔の会議に呼ばれているので旦那様の代わりはできませんし、今回はわたし一人で向かいますよ」
イアナとの結婚式と旅行の日数を確保するためにフェルナンドは忙しいのだ。
「しかし……」
「大丈夫です。もし何かあればすぐに手紙を書きますから。クロエもマーラも一緒ですし、護衛の騎士たちもついて来てくれます。王都のタウンハウスにも使用人たちがいます。父の様子を見て来るだけですから、大丈夫ですよ」
フェルナンドはそれでも心配そうだったが、イアナが何度も大丈夫だと繰り返すと、諦めたように頷いた。
「わかった。もし滞在が長引くようなら、私も用事が終わればすぐに向かおう。気を付けて行っておいで」
「はい。旦那様も会議と視察と仕事がたくさんあって大変でしょうけど頑張ってくださいね」
結婚してから長く離れたことがないので寂しい気持ちはあるが、この先もこういうことは必ずある。寂しいから離れたくないなんて我儘は言えないし、あまりべたべたと依存しすぎるのもよくない。慣れるという意味でもいい機会だろう。
結婚式を一か月半後に控えたイアナは、慌ただしく王都へ父の見舞いに行くことになった。
☆
王都に到着したイアナは、一度ステファーニ公爵家のタウンハウスに向かい、アントネッラ伯爵家に使いをやった。父が危篤と連絡を受けたのが一週間前。公爵領から王都まで移動している間は連絡の取りようがなかったので、現状がわからないためだ。
果たして父の容体は回復しているのか、それとも予断を許さない状況で病院に移っているのか、はたまたそのまま儚くなっているのか……。
危篤という言葉から考えると、回復している可能性は低いかもしれない。そもそも何が起こって「危篤」となったのか、それすらイアナに情報が入っていなかった。事故か病気か。意識はあるのかないのか。もしアントネッラ伯爵家に見舞いに向かって、もう他界したあとだったなんてことになれば非常に気まずい。
見舞いに行く場合と、死者に面会しに行くのでは着ていく服も変わるのだ。見舞いに喪服で行くわけにはいかないし、死者との対面で普段のデイドレスで向かうわけにもいかない。
(というか、危篤なら、どうしてそうなったのか手紙に書くべきよね)
アントネッラ伯爵家の家族は揃いも揃って非常識なので今更かもしれないが、もう少し詳細な手紙が欲しかった。
「奥様、大丈夫ですか?」
ソファに座ってぼんやりしていると、クロエが喪服とドレスの両方を準備しながら訊ねた。
「大丈夫よ。ただ、その……やっぱりちょっと落ち着かないものね。父との間に親子の情なんてないと思っていたけど、それとこれとは別というか……」
アントネッラ伯爵家のつまはじきものだったイアナは、父とも母とも親子らしい関係を築けていなかった。あちらがイアナを見ないのと同じように、イアナも彼等に父と母の役割を期待していなかったのだ。
だから父を愛しているのかと聞かれれば否と答えるだろう。それなのに危篤と聞いて多少なりとも動揺している自分に驚いていた。不思議なものだ。
(もしかしたら前世のお父さんが死んだときと重ねてしまっているのかもしれないわね)
前世の両親はとても優しかった。だからふと前世のときのことを思い出してしまったのかもしれない。
しばらくして、使いに行かせていた使用人が戻って来た。父はまだ生きていて、アントネッラ伯爵家にいるらしい。
病人を置くのなら使用人が一人もいないアントネッラ伯爵家よりも病院の方がいいと思うのだがと考えたイアナは、すぐに「お金がないのか」と納得した。病院もただではない。特に貴族が入院するような病院は入院費が高いのだ。借金にあえぐアントネッラ伯爵家が入院費用を捻出できるはずがなかった。
(援助はしないと言っても、さすがに重病人の入院費くらいは出してあげたんだけどね)
イアナがステファーニ公爵家に嫁ぐときに手元に残した支度金金貨八十枚だが、ドレスや子供のおもちゃで三分の一ほど使っただけで、それ以外はまだ手元に残っていた。
支度金とは別に公爵夫人としての予算もついていたし、フェルナンドがあれやこれやと買ってくれるので、手元に残した支度金の使い道がなかったのだ。
だからその金から入院費を出してもよかったのだが――まあこれは、見舞いに行った時に様子を見て切り出すことにしよう。
イアナは使用人が買って来てくれた見舞い用の花を持って、クロエと共に馬車に乗り込んだ。
アントネッラ伯爵邸に到着すると、イアナは馬車にクロエを残して自分だけ降りた。クロエは同行すると言ってくれたのだが断ったのだ。使用人のいないアントネッラ伯爵邸の中はきっとゴミ邸と化しているだろう。そんな中にクロエを連れていくのは気が引けた。
「一時間くらいしたら帰るから、その頃にまた迎えに来てくれるかしら?」
「わかりました。どうかお気をつけて」
クロエが神妙な顔で言う。まるでイアナがこれから戦地へ赴くのを見送るような顔に見えて苦笑してしまった。
玄関の呼び鈴を鳴らすと、しばらくして玄関扉が開いて母が顔を出した。
イアナを見れば顔をしかめる母が、珍しく機嫌がいい。父が危篤というのに機嫌がいいのは解せないが、無理して笑っているのだろうか。
「お母様、お父様はいかがですか?」
「今は起きているのよ。顔を見せてあげてちょうだい」
イアナから花束を受け取り、母が歩き出す。
予想していた通り玄関ホールも階段も廊下も、どこもかしこもぐちゃぐちゃだ。どうすればここまで汚すことができるのだろう。ごみの捨て方も知らないのか、生ごみの臭いのような異臭も漂っていた。クロエを連れて来なくて正解だ。
階段を上がって父が寝ているという寝室の前に到着すると、母が扉を開けてイアナの背中を押した。
「わたくしはお茶の用意でもしてくるわ。花も生けなくてはね。先に入っていてちょうだい」
母にお茶の用意ができたのかとイアナは驚いた。花も生けるというが、花瓶がどこにあるか知っているのだろうか。
身の回りの世話をする人がいなくなったら、人間は多少なりとも成長するようだとイアナは半ば茫然としながら感心して、母に促されて部屋に入る。その直後――
バタン‼
背後の扉が勢いよく締まってガチャガチャと鍵をかける音がした。
ハッとしてドアノブをつかんだが、すでに鍵がかけられていて扉があかない。
「お母様⁉」
ドンドンと扉を叩くと、扉の外から母の笑い声がした。
「あなたはしばらくそこにいなさい! もうすぐ男爵様が迎えに来てくれるわ!」
「どういうことですか⁉」
嵌められたのはなんとなくわかったが、事情が見えてこない。
イアナは重ねて訊ねたが母は何も教えてくれなかった。それどころか笑い声が遠ざかって行ったのでどこかへ向かったのだろう。
唖然としていると、背後から「んんっ」とくぐもった声がして、イアナはギョッとして振り返った。
「誰?」
「んんんーっ」
声は寝台の方から聞こえてくる。
そーっと寝台の帳を開いたイアナは、寝台の上に猿轡を噛まされて縛られている父の姿を発見してポカンとした。
「お父様?」
「んんんーっ」
「ああ、待ってください。猿轡を解きますから。結び目が見えないので横を向いてもらえます?」
きつく結ばれている猿轡を何とか外すと、父が赤い顔でぜーぜーと息をつく。
イアナはその様子を見やりながら、あきれ顔で訊ねた。
「で、これは何の遊びですか?」
「遊びなわけあるか‼」
父が怒鳴って起き上がろうとしたが、縄でぐるぐる巻きに縛り上げられているのでそれも敵わず、ベッドの上で虚しくぽすんぽすんとバウンドした。
イアナは半眼になって、ため息をつく。
父の縄をほどいてあげようかあげまいか、イアナは真剣に悩んだ。
イアナの元にアントネッラ伯爵家から至急あつかいの手紙が届いた。
フェルナンドと共に手紙の封を切ったイアナは、その内容を見て目を見開いた。
「え? お父様が危篤⁉」
また金の無心だろうと思って手紙を開けば、父親が危篤状態になったから直ちに王都に戻って来いと書かれてあった。あまりに急なことで茫然としていると、フェルナンドがすぐにメイドを呼んで旅支度を整えるように伝えてくれる。
「さすがに危篤ならば無視できないだろう。すぐに準備を整えて王都へ向かおうか」
「でも旦那様。旦那様は明後日から公爵領内の貴族を集めた重要な会議がありますよね。そのあとには春から着手する予定の新しい町の開発地の視察も入っていたはずです。エラルドも魔術塔の会議に呼ばれているので旦那様の代わりはできませんし、今回はわたし一人で向かいますよ」
イアナとの結婚式と旅行の日数を確保するためにフェルナンドは忙しいのだ。
「しかし……」
「大丈夫です。もし何かあればすぐに手紙を書きますから。クロエもマーラも一緒ですし、護衛の騎士たちもついて来てくれます。王都のタウンハウスにも使用人たちがいます。父の様子を見て来るだけですから、大丈夫ですよ」
フェルナンドはそれでも心配そうだったが、イアナが何度も大丈夫だと繰り返すと、諦めたように頷いた。
「わかった。もし滞在が長引くようなら、私も用事が終わればすぐに向かおう。気を付けて行っておいで」
「はい。旦那様も会議と視察と仕事がたくさんあって大変でしょうけど頑張ってくださいね」
結婚してから長く離れたことがないので寂しい気持ちはあるが、この先もこういうことは必ずある。寂しいから離れたくないなんて我儘は言えないし、あまりべたべたと依存しすぎるのもよくない。慣れるという意味でもいい機会だろう。
結婚式を一か月半後に控えたイアナは、慌ただしく王都へ父の見舞いに行くことになった。
☆
王都に到着したイアナは、一度ステファーニ公爵家のタウンハウスに向かい、アントネッラ伯爵家に使いをやった。父が危篤と連絡を受けたのが一週間前。公爵領から王都まで移動している間は連絡の取りようがなかったので、現状がわからないためだ。
果たして父の容体は回復しているのか、それとも予断を許さない状況で病院に移っているのか、はたまたそのまま儚くなっているのか……。
危篤という言葉から考えると、回復している可能性は低いかもしれない。そもそも何が起こって「危篤」となったのか、それすらイアナに情報が入っていなかった。事故か病気か。意識はあるのかないのか。もしアントネッラ伯爵家に見舞いに向かって、もう他界したあとだったなんてことになれば非常に気まずい。
見舞いに行く場合と、死者に面会しに行くのでは着ていく服も変わるのだ。見舞いに喪服で行くわけにはいかないし、死者との対面で普段のデイドレスで向かうわけにもいかない。
(というか、危篤なら、どうしてそうなったのか手紙に書くべきよね)
アントネッラ伯爵家の家族は揃いも揃って非常識なので今更かもしれないが、もう少し詳細な手紙が欲しかった。
「奥様、大丈夫ですか?」
ソファに座ってぼんやりしていると、クロエが喪服とドレスの両方を準備しながら訊ねた。
「大丈夫よ。ただ、その……やっぱりちょっと落ち着かないものね。父との間に親子の情なんてないと思っていたけど、それとこれとは別というか……」
アントネッラ伯爵家のつまはじきものだったイアナは、父とも母とも親子らしい関係を築けていなかった。あちらがイアナを見ないのと同じように、イアナも彼等に父と母の役割を期待していなかったのだ。
だから父を愛しているのかと聞かれれば否と答えるだろう。それなのに危篤と聞いて多少なりとも動揺している自分に驚いていた。不思議なものだ。
(もしかしたら前世のお父さんが死んだときと重ねてしまっているのかもしれないわね)
前世の両親はとても優しかった。だからふと前世のときのことを思い出してしまったのかもしれない。
しばらくして、使いに行かせていた使用人が戻って来た。父はまだ生きていて、アントネッラ伯爵家にいるらしい。
病人を置くのなら使用人が一人もいないアントネッラ伯爵家よりも病院の方がいいと思うのだがと考えたイアナは、すぐに「お金がないのか」と納得した。病院もただではない。特に貴族が入院するような病院は入院費が高いのだ。借金にあえぐアントネッラ伯爵家が入院費用を捻出できるはずがなかった。
(援助はしないと言っても、さすがに重病人の入院費くらいは出してあげたんだけどね)
イアナがステファーニ公爵家に嫁ぐときに手元に残した支度金金貨八十枚だが、ドレスや子供のおもちゃで三分の一ほど使っただけで、それ以外はまだ手元に残っていた。
支度金とは別に公爵夫人としての予算もついていたし、フェルナンドがあれやこれやと買ってくれるので、手元に残した支度金の使い道がなかったのだ。
だからその金から入院費を出してもよかったのだが――まあこれは、見舞いに行った時に様子を見て切り出すことにしよう。
イアナは使用人が買って来てくれた見舞い用の花を持って、クロエと共に馬車に乗り込んだ。
アントネッラ伯爵邸に到着すると、イアナは馬車にクロエを残して自分だけ降りた。クロエは同行すると言ってくれたのだが断ったのだ。使用人のいないアントネッラ伯爵邸の中はきっとゴミ邸と化しているだろう。そんな中にクロエを連れていくのは気が引けた。
「一時間くらいしたら帰るから、その頃にまた迎えに来てくれるかしら?」
「わかりました。どうかお気をつけて」
クロエが神妙な顔で言う。まるでイアナがこれから戦地へ赴くのを見送るような顔に見えて苦笑してしまった。
玄関の呼び鈴を鳴らすと、しばらくして玄関扉が開いて母が顔を出した。
イアナを見れば顔をしかめる母が、珍しく機嫌がいい。父が危篤というのに機嫌がいいのは解せないが、無理して笑っているのだろうか。
「お母様、お父様はいかがですか?」
「今は起きているのよ。顔を見せてあげてちょうだい」
イアナから花束を受け取り、母が歩き出す。
予想していた通り玄関ホールも階段も廊下も、どこもかしこもぐちゃぐちゃだ。どうすればここまで汚すことができるのだろう。ごみの捨て方も知らないのか、生ごみの臭いのような異臭も漂っていた。クロエを連れて来なくて正解だ。
階段を上がって父が寝ているという寝室の前に到着すると、母が扉を開けてイアナの背中を押した。
「わたくしはお茶の用意でもしてくるわ。花も生けなくてはね。先に入っていてちょうだい」
母にお茶の用意ができたのかとイアナは驚いた。花も生けるというが、花瓶がどこにあるか知っているのだろうか。
身の回りの世話をする人がいなくなったら、人間は多少なりとも成長するようだとイアナは半ば茫然としながら感心して、母に促されて部屋に入る。その直後――
バタン‼
背後の扉が勢いよく締まってガチャガチャと鍵をかける音がした。
ハッとしてドアノブをつかんだが、すでに鍵がかけられていて扉があかない。
「お母様⁉」
ドンドンと扉を叩くと、扉の外から母の笑い声がした。
「あなたはしばらくそこにいなさい! もうすぐ男爵様が迎えに来てくれるわ!」
「どういうことですか⁉」
嵌められたのはなんとなくわかったが、事情が見えてこない。
イアナは重ねて訊ねたが母は何も教えてくれなかった。それどころか笑い声が遠ざかって行ったのでどこかへ向かったのだろう。
唖然としていると、背後から「んんっ」とくぐもった声がして、イアナはギョッとして振り返った。
「誰?」
「んんんーっ」
声は寝台の方から聞こえてくる。
そーっと寝台の帳を開いたイアナは、寝台の上に猿轡を噛まされて縛られている父の姿を発見してポカンとした。
「お父様?」
「んんんーっ」
「ああ、待ってください。猿轡を解きますから。結び目が見えないので横を向いてもらえます?」
きつく結ばれている猿轡を何とか外すと、父が赤い顔でぜーぜーと息をつく。
イアナはその様子を見やりながら、あきれ顔で訊ねた。
「で、これは何の遊びですか?」
「遊びなわけあるか‼」
父が怒鳴って起き上がろうとしたが、縄でぐるぐる巻きに縛り上げられているのでそれも敵わず、ベッドの上で虚しくぽすんぽすんとバウンドした。
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