40 / 129
空飛ぶ木馬
5
しおりを挟む
エレノアを乗せたまま木馬が空の彼方へ駆けて行くのを見て、サーシャロッドは慌てて立ち上がってそのあとを追った。
猛スピードで飛んできた翁は、そのままサクランボの木に激突して目を回してしまった。
妖精たちがわらわらと翁の周りを取り囲む。
リーファは、サーシャロッドが追いかけたから大丈夫だろうと自分に言い聞かせて、祈るように空を見上げた。
一方そのころ――
エレノアは猛スピードで空をかけて行く木馬の首に必死でしがみついていたが、木馬はしばらく飛んでいくと急に山奥へと降りて、そしてエレノアを振り落とすと、そのままどこかへと駆けて行ってしまった。
全力で木馬にしがみついていたため、すっかり体力を消耗してしまったエレノアは、そのまましばらく動けずに、仰向けてその場に横になっていた。
木の枝と枝の間から見える空が青い。
ここはどこだろう。
木馬にしがみついていた時間はそれほど長くない気もするが、必死だったためによくわからない。
月の宮殿から出たことのないエレノアは、この月の宮――サーシャロッドの世界がどれほど広いのかも知らないし、どうやって月の宮殿に帰ればいいのかもわからなかったが、不思議と恐怖は覚えなかった。
人間界で、山奥に捨てられた時は心細くて、絶望して、生きることもあきらめたのに――、今回は不思議と、大丈夫だと思っている自分がいる。
それは漠然とした自身だったが、きっとサーシャロッドが助けてくれるのだと、エレノアは勝手にそう思った。
ようやく動けるようになると、エレノアは起き上がって、とりあえず目立ちそうなところに移動することにした。
きっとサーシャロッドが探しに来てくれるはずだから、目立つところにいた方がいい。
エレノアはどこか目立つ場所はないかと奥へ向かって進んでいく。
しばらく進むと開けた場所に行きついた。エレノアが五人ほど両手を広げてつないで輪を作ったほどに太い幹の大きな木が、中央に立っている。
その周りは背丈の短い草が生えていて、白い小さな花を咲かせていた。
ここならば目立つだろうと、エレノアは大木のそばに歩み寄ると、その場に腰を下ろす。
柔らかい風が吹いて、エレノアの赤みがかった金髪がさらさらと風に流れた。
木の幹に背を預けて、ぼんやりとしていると、前にもこんなことがあったなと思い出す。
――それは、エレノアがまだ人間界で暮らしていた時のことだ。
エレノアが、十六のときだった。
公爵家のカントリーハウスから少し離れたところに小高い丘があり、そこに一本の木が生えていた。
エレノアは、公爵家の中にいるときは自分の部屋の中でじっとしていることが多かった。家族に見つかれば、意地悪なことをされるから、できるだけ見つからないようにと部屋に閉じこもった。
だがその日は、近隣に住む伯爵にお茶会に誘われていて、父も義母と妹も伯爵家に向かったために留守だったのだ。
外はいい天気で、ずっと部屋に閉じこもっていたエレノアは、少しだけでも外に出たかった。家族が戻るまでに家に帰っていれば問題ないはずだ。
少しの間だけ空をながめて、そして帰ろう。
エレノアはお昼ごはんにと渡されていた一つの硬いパンを包むと、丘に向かって、木の幹に背中を預けてぼーっと空を見上げた。
真っ白い雲が、青い空の中をゆっくりと泳いでいる。
エレノアはパンの包みを開くと、硬いパンをちぎって口に入れた。
水分がなくなってぱさぱさしているので、口の中の唾液が吸収されて、なかなか飲み込みにくいから、しっかり噛まないといけない。
(お水、持ってくればよかったなぁ)
うっかりしていた。でも、忘れてしまったものは仕方がない。
エレノアが少しずつパンを口に運んでいたときだった。
突然、一羽の白い鳥が飛んできて、エレノアのすぐ横に降り立った。
鳥は小さく首を傾げながら、エレノアを見上げていた。まるで、エレノアが自分に危害を加える鳥かどうか観察しているようでもあった。
「おなかすいたの?」
エレノアが話しかけると、鳥はぴょんとエレノアの膝の上に飛び乗った。まるで「うん」と言っているようで、エレノアはパンをちぎって手のひらに乗せると、そっと鳥のくちばしの近くに持っていく。
鳥はエレノアの手のひらのパンをじっと見つめたあと、小さなくちばしの先でつつきはじめた。
パンをつついて小さく砕いては飲み込んでいく鳥の仕草に、エレノアはすっかり癒されて、しばらくじーっと観察していると、「エレノア!」という叫び声が聞こえてきてぎくりとする。
父の声だ。怒っている。
(もう帰ってきちゃったの? ……どうしよう)
父はエレノアが外に出るのを極端に嫌う。
エレノアが顔をあげれば、案の定、赤い顔をして怒った父が丘を登ってきているところだった。
エレノアが慌てて立ち上がると、鳥も飛び上がり、そしてエレノアの肩にとまった。
持っていたパンが草の上に転がり落ちる。
「そのみすぼらしい格好で外に出るなと言っただろう!」
そんなことを言っても、城に出かけるときにだけ与えられるドレスは、城から戻ればすぐに取り上げられてしまうのだから、エレノアにはつぎはぎだらけのメイドのお古しか服がない。だが、言い訳すると父が更に怒るのはわかっていたので、ただ頭を下げてすみませんというしかなかった。
しかし父の怒りは、どうやら謝っただけではおさまらなかったらしい。
つかつかとエレノアのそばにやってくると、彼女の頬を思いっきりはたいた。
頬を叩かれてよろけたエレノアがその場に倒れると、今度はその肩が踏みつけられる。
父は、傷が残るような暴力は振るわない。クライヴ王子に嫁ぐことになっている娘に目立つ傷を残せば、公爵家の落ち度とされるからだ。
だがしかし、傷が残らなければ何をしてもいいと思っているようで、エレノアが殴られたりすることは珍しくなかった。
だから――、慣れているから、耐えられる。
痛みに顔をしかめながらエレノアが父からの暴力に耐えていると、突然、父が「わあ!」と声をあげた。
肩から足がどけられ、驚いて顔をあげると、先ほどの白い鳥が父の目のあたりを何度もつついているところだった。
「ええい、この―――!」
父が腕を振り上げて、鳥を地面にはたき落とす。
「や、やめて―――」
エレノアはハッとして、地面にたたきつけられた鳥を拾い上げると、かばうように腕の中に抱きしめた。このまま、父に鳥が殺されるかもしれないと思ったからだ。
「やめてだと? 親に口答えをするんじゃない!」
鳥を抱きしめたままのエレノアを父が容赦なく蹴飛ばしたが、エレノアは鳥を抱えたまま丸くなって、どうあっても鳥を父から守らなければと必死だった。
エレノアが体を丸めたまま地面に倒れて動かなくなると、父は満足したようで、「さっさと帰って来い」と言い残して丘を下りて行く。
父の足音が聞こえなくなると、エレノアは横になったまま、そっと腕を広げた。
パタパタと鳥が飛び出してきたところを見ると、幸いなことに怪我はしていないようだ。
鳥はいったん飛び立ち、そしてすぐにエレノアのそばに戻って来ると、心配そうにその頬に顔をすり寄せる。
「大丈夫、だった……?」
エレノアが話しかけると、鳥は返事をするようにピィと鳴く。
エレノアはホッとして、そっと手を伸ばすと、鳥の頬をそっとかいた。
気持ちよさそうに羽を膨らませる鳥を見て、「よかった」とつぶやく。
怪我をしなくてよかった。父に殺されなくてよかった。どうしてこの鳥が、まるでエレノアをかばうように父の目をつついたのかはわからないが、エレノアがこの丘にいなければこの子がこんな目に遭うこともなかった。エレノアのせいで怪我をしたり、死んでしまわなくて、本当によかった。
エレノアは殴られたり蹴られたりして痛む全身をかばいながら、ゆっくりと起き上がる。
「鳥さん、元気でね?」
エレノアはまるで心配するように見つめている鳥に小さく手を振ると、丘を下りた。
猛スピードで飛んできた翁は、そのままサクランボの木に激突して目を回してしまった。
妖精たちがわらわらと翁の周りを取り囲む。
リーファは、サーシャロッドが追いかけたから大丈夫だろうと自分に言い聞かせて、祈るように空を見上げた。
一方そのころ――
エレノアは猛スピードで空をかけて行く木馬の首に必死でしがみついていたが、木馬はしばらく飛んでいくと急に山奥へと降りて、そしてエレノアを振り落とすと、そのままどこかへと駆けて行ってしまった。
全力で木馬にしがみついていたため、すっかり体力を消耗してしまったエレノアは、そのまましばらく動けずに、仰向けてその場に横になっていた。
木の枝と枝の間から見える空が青い。
ここはどこだろう。
木馬にしがみついていた時間はそれほど長くない気もするが、必死だったためによくわからない。
月の宮殿から出たことのないエレノアは、この月の宮――サーシャロッドの世界がどれほど広いのかも知らないし、どうやって月の宮殿に帰ればいいのかもわからなかったが、不思議と恐怖は覚えなかった。
人間界で、山奥に捨てられた時は心細くて、絶望して、生きることもあきらめたのに――、今回は不思議と、大丈夫だと思っている自分がいる。
それは漠然とした自身だったが、きっとサーシャロッドが助けてくれるのだと、エレノアは勝手にそう思った。
ようやく動けるようになると、エレノアは起き上がって、とりあえず目立ちそうなところに移動することにした。
きっとサーシャロッドが探しに来てくれるはずだから、目立つところにいた方がいい。
エレノアはどこか目立つ場所はないかと奥へ向かって進んでいく。
しばらく進むと開けた場所に行きついた。エレノアが五人ほど両手を広げてつないで輪を作ったほどに太い幹の大きな木が、中央に立っている。
その周りは背丈の短い草が生えていて、白い小さな花を咲かせていた。
ここならば目立つだろうと、エレノアは大木のそばに歩み寄ると、その場に腰を下ろす。
柔らかい風が吹いて、エレノアの赤みがかった金髪がさらさらと風に流れた。
木の幹に背を預けて、ぼんやりとしていると、前にもこんなことがあったなと思い出す。
――それは、エレノアがまだ人間界で暮らしていた時のことだ。
エレノアが、十六のときだった。
公爵家のカントリーハウスから少し離れたところに小高い丘があり、そこに一本の木が生えていた。
エレノアは、公爵家の中にいるときは自分の部屋の中でじっとしていることが多かった。家族に見つかれば、意地悪なことをされるから、できるだけ見つからないようにと部屋に閉じこもった。
だがその日は、近隣に住む伯爵にお茶会に誘われていて、父も義母と妹も伯爵家に向かったために留守だったのだ。
外はいい天気で、ずっと部屋に閉じこもっていたエレノアは、少しだけでも外に出たかった。家族が戻るまでに家に帰っていれば問題ないはずだ。
少しの間だけ空をながめて、そして帰ろう。
エレノアはお昼ごはんにと渡されていた一つの硬いパンを包むと、丘に向かって、木の幹に背中を預けてぼーっと空を見上げた。
真っ白い雲が、青い空の中をゆっくりと泳いでいる。
エレノアはパンの包みを開くと、硬いパンをちぎって口に入れた。
水分がなくなってぱさぱさしているので、口の中の唾液が吸収されて、なかなか飲み込みにくいから、しっかり噛まないといけない。
(お水、持ってくればよかったなぁ)
うっかりしていた。でも、忘れてしまったものは仕方がない。
エレノアが少しずつパンを口に運んでいたときだった。
突然、一羽の白い鳥が飛んできて、エレノアのすぐ横に降り立った。
鳥は小さく首を傾げながら、エレノアを見上げていた。まるで、エレノアが自分に危害を加える鳥かどうか観察しているようでもあった。
「おなかすいたの?」
エレノアが話しかけると、鳥はぴょんとエレノアの膝の上に飛び乗った。まるで「うん」と言っているようで、エレノアはパンをちぎって手のひらに乗せると、そっと鳥のくちばしの近くに持っていく。
鳥はエレノアの手のひらのパンをじっと見つめたあと、小さなくちばしの先でつつきはじめた。
パンをつついて小さく砕いては飲み込んでいく鳥の仕草に、エレノアはすっかり癒されて、しばらくじーっと観察していると、「エレノア!」という叫び声が聞こえてきてぎくりとする。
父の声だ。怒っている。
(もう帰ってきちゃったの? ……どうしよう)
父はエレノアが外に出るのを極端に嫌う。
エレノアが顔をあげれば、案の定、赤い顔をして怒った父が丘を登ってきているところだった。
エレノアが慌てて立ち上がると、鳥も飛び上がり、そしてエレノアの肩にとまった。
持っていたパンが草の上に転がり落ちる。
「そのみすぼらしい格好で外に出るなと言っただろう!」
そんなことを言っても、城に出かけるときにだけ与えられるドレスは、城から戻ればすぐに取り上げられてしまうのだから、エレノアにはつぎはぎだらけのメイドのお古しか服がない。だが、言い訳すると父が更に怒るのはわかっていたので、ただ頭を下げてすみませんというしかなかった。
しかし父の怒りは、どうやら謝っただけではおさまらなかったらしい。
つかつかとエレノアのそばにやってくると、彼女の頬を思いっきりはたいた。
頬を叩かれてよろけたエレノアがその場に倒れると、今度はその肩が踏みつけられる。
父は、傷が残るような暴力は振るわない。クライヴ王子に嫁ぐことになっている娘に目立つ傷を残せば、公爵家の落ち度とされるからだ。
だがしかし、傷が残らなければ何をしてもいいと思っているようで、エレノアが殴られたりすることは珍しくなかった。
だから――、慣れているから、耐えられる。
痛みに顔をしかめながらエレノアが父からの暴力に耐えていると、突然、父が「わあ!」と声をあげた。
肩から足がどけられ、驚いて顔をあげると、先ほどの白い鳥が父の目のあたりを何度もつついているところだった。
「ええい、この―――!」
父が腕を振り上げて、鳥を地面にはたき落とす。
「や、やめて―――」
エレノアはハッとして、地面にたたきつけられた鳥を拾い上げると、かばうように腕の中に抱きしめた。このまま、父に鳥が殺されるかもしれないと思ったからだ。
「やめてだと? 親に口答えをするんじゃない!」
鳥を抱きしめたままのエレノアを父が容赦なく蹴飛ばしたが、エレノアは鳥を抱えたまま丸くなって、どうあっても鳥を父から守らなければと必死だった。
エレノアが体を丸めたまま地面に倒れて動かなくなると、父は満足したようで、「さっさと帰って来い」と言い残して丘を下りて行く。
父の足音が聞こえなくなると、エレノアは横になったまま、そっと腕を広げた。
パタパタと鳥が飛び出してきたところを見ると、幸いなことに怪我はしていないようだ。
鳥はいったん飛び立ち、そしてすぐにエレノアのそばに戻って来ると、心配そうにその頬に顔をすり寄せる。
「大丈夫、だった……?」
エレノアが話しかけると、鳥は返事をするようにピィと鳴く。
エレノアはホッとして、そっと手を伸ばすと、鳥の頬をそっとかいた。
気持ちよさそうに羽を膨らませる鳥を見て、「よかった」とつぶやく。
怪我をしなくてよかった。父に殺されなくてよかった。どうしてこの鳥が、まるでエレノアをかばうように父の目をつついたのかはわからないが、エレノアがこの丘にいなければこの子がこんな目に遭うこともなかった。エレノアのせいで怪我をしたり、死んでしまわなくて、本当によかった。
エレノアは殴られたり蹴られたりして痛む全身をかばいながら、ゆっくりと起き上がる。
「鳥さん、元気でね?」
エレノアはまるで心配するように見つめている鳥に小さく手を振ると、丘を下りた。
6
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる