あの日、好きになったのは君でした

SNOW❄️

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プロローグー始まり

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初めて、名前を知ったのは、
体育祭のペアを決めるその日だった。

――鈴本ハルカ。

その名前が、自分の隣で呼ばれたとき、
俺は思わず彼女の顔を見た。

一年生。
静かで、目立たない後輩。
でも、教室の前を通るたびに、
どこか目がいってしまうような
――そんな子だった。

話したことなんて、一度もなかった。
顔と名前が一致したのも、
その時が初めてだった。

「よろしくお願いします」

彼女はそう言って、小さく頭を下げた。
その仕草があまりにも丁寧で、
礼儀正しくて、
俺はどう返せばいいかもわからず、
ただ「……うん」とだけ頷いた。

緊張してるのはきっと、
俺だけじゃなかった。
でも彼女の方が、
ずっとしっかりしてるように見えて、
そんな自分が少し情けなかった。

数分間のダンス。
手を取り合って、曲に合わせて動くだけの、
ほんの短い時間。

けどその時間だけで、
何かが心の奥にふわりと灯った気がした。

気づけば、その日の夜には、
頭の中が彼女のことで
いっぱいになっていた。

先輩と後輩。
それだけの関係だったはずなのに、
たった一度のペアダンスが、
俺の中の何かを変えてしまった。

これが恋なのかなんて、まだわからない。
でも、忘れられない。
ただ一緒に踊っただけなのに、
もっと話したいと思ってしまった。

あの日、好きになったのは君でした――
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