「 Little Ballerina 」

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「Little Ballerina」

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 Little Ballerina


これから冒頭に書いた「Little Ballerina」とあだ名をつけたあるお嬢様の話を書いていこうと思います。
私の中で、些細な事からやさしさに触れた体験で心温まる出来事でした。


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今はこういう時期で助け合う事をなかなか行いずらい毎日かと思いますが、
先行き不透明なこういう時だからこそ、なにか温かいエピソードを皆様の心に伝えてみたくて。ほっこりじんわりして頂けたら幸いです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2020/7/26ーーーーーー




「ありがとう」
「謝謝」
「ティリマカシ」
「Thank you」

世界にはいろんな言葉があって、いろんな感謝の言葉がありますが
心にそっと伝わってくる感情に関しては、「唯一無二」で同じ感情だと思います。






私が当時バイトの行き帰りの電車での体験でした。
その日は少しずつ夏の暑さが増してきて
日中ちょっとだけ動いても汗をかいてしまったり気持ち的にも
少し移動しただけでもちょっと疲れたな休もうと心に思ってしまうそんな夏の始まりの時期でした。



カンカンカンカンカン(踏切の遮断器が降りる音、)


毎回、電車に乗る前に障壁があります。

横断歩道、信号を待つ時間、電車の踏切りが降りるタイミングに間に合うかのタイミングのほんの隙間のような一瞬の時間、自転車をとめる時間も惜しいくらいです。


うまくタイミングが合えば、全て順調に事なきを得ず進むことができるのですが「、、、」



(運、その日のレールは運そのものです。)
(もちろん家を出る時間を早くすればすべては解決するのですけれど、)


1つ目の信号機を赤で待ってそのレールに乗ったら
その次の信号機もだいたい赤なんですよね。
「あー、むじょう。」



赤色に表示されてしまったそんな赤い信号機の前で何度も待っていると

「あー、時間の無駄。そんな事を心に思いそして口にだしてしまいます。」


早めに家を出る事を意識してスムーズにレールに乗れる日もあれば、
「ヤバいヤバイヤバイ」

本当にこの1本を逃したら遅刻しちゃう!

そんな事を繰り返す私の出勤時間の日常、(出勤時間はだいたい30分前)
電車に乗るまでのアクシデントは雨が降っていたり、楽しい映画の続きが気になったりして
「も少しも少し、」とついつい自分に甘い言葉をかけちゃうですよね、、、


その日は、コーラが飲みたくて順調に出勤時間のレールをまたいで
駅のホームの自販機を横目に「コーラのみたいゴクリ、」そう思い500mlのペットボトルのボタンを押して
冷たいコーラを片手に電車が到着と同時くらいにその一連の動作を済ませて

さぁ、冷たいクーラーの車内でコーラを飲むぞ!って気持ちが高まっている時でした。
プシュ、コーラのフタをあけてさぁ飲むぞ!

あれ?予想もしていなかった不意打ちを喰らいました。

どうも、自販機からこの世に生まれてきた際にコーラが踊っていたご様子で、、、
コーラの泡がアワワワっと続いて、私の心もアワワワっとドドドっとどうしよう。
ってほんの一瞬で天国と地獄を味わう体験をしてしまいました。



「テンションさがりまくりです。」
コーラはうまかったですよ。泡の味多めでしたけど。

それから、あろう事かコーラの泡が悪さしててですね。
電車の車内の床に泡が流れゃったんですよ。



当然、電車が次の駅を目指せば進むので
進行する際の力が加わってコーラの泡が最初おとなしく収まっていたのにだんだん右の方へ
泡    .。o○    右へ移動
「。。。」

もう、勘弁してくださいってそんな気持ちでいっぱいでした。

その頃は取り分けミニマムを意識していたのもあって
カバンの中にあるのはバイト先で使うお店のシャツくらい
それから、定期。家の鍵、


常にいつなんどき何が起こっても走れる事をいつも意識して軽い服装を心掛けていたので!


いつなんどき何が起こっても走れる事をいつも意識
こう書けば格好いいですけど、
前にもあげた通り
信号機、踏切り、自転車をとめる時間
改札機はIC定期が反応するように基本的に金属物は入れずに定期だけを意識

これだけを求めていたので必要最低限のミニマム生活意識で軽いんです。


と話が脱線してしまいましたが、コーラをこぼしてもなんの手立てを打てないいわゆるピンチって状況でした。

クロックスで泡を踏んでみて拭いてみました。
あまり効果はありませんでした。

「はぁ、どうしよう。」
(心の中でなんども繰り返し、溜息が出たような記憶があります。)
最後に残る手段はバイト先で使うお店のシャツ。



(どうしょうかと考え込む沈黙の間、、、)



ふと、目があった向かいに座られていた外国のお嬢様、そして隣には読書をされているお父様のお姿、
アメリカの方って表情のリアクション日本人と違って巧みですよね。
まだ幼くても表情が豊かでした。。




「私は口を膨らませた渋い表情で見つめられてました。」
「私も悪いね。。。と(アイコンタクト。。)」
(どうにもならなくてさぁ。コリゴリだよ。)




お嬢様の中で渋い表情を浮かべて眉間にシワを寄せてなにかすごく考え込む一瞬の間がありました。
(怒られるのか一瞬ドキッとした記憶があります。)



その後に隣に座られていたお父様に耳に手をやりこしょこしょ話をされていました。
(まだまだ小さなお嬢様なんです。はじめてのお使いに出てきそうな小さなお嬢様、)

その後にお父様がカバンの中からティッシュとコンビニのビニール袋を出されて
「コレ、ツカッテクダサイ。」と私に手渡ししてくれました。



その時、渡されたビニール袋にはエコの意味合いで描かれたイラストと
「できることから ひとつずつ」という文字が書かれていて電車でたまたま私の向かいに座られていた
見ず知らずの外国の方々に助けて貰った。

そう思い「ありがとうございます」とお辞儀をして
電車の車内で泡が進行方向とは逆に伸びようとしていた泡の行方をティッシュで拭き取りビニール袋に収めて
事なきを得ることが出来ました。




私の中でそのお嬢様の服装は、バレリーナの発表会に向かう印象を受けたので

名前もわからないけれど助けてくれたお嬢様との体験を「リトルバレリーナ」と名前をつけて
しっかりと記憶に留めてその時の体験を胸に焼きつけたのでした。

「ありがとう、リトルバレリーナ。」
本当に困り果てていたので助けられました。




続き 2,「できることから すこしずつ」















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