職業、死神〜今夜、終わるいのち〜

かざぐるま④

【side アオ】

「俺、ちゃうねんけど」

蓮は、そう言った。
そのひとことで、わかる。
蓮は今、戸惑っていて。
それでもこうして、男のソレを舐める。

頬を膨らませ口いっぱいに頬張って。　
俺に刺激を与え続ける。

決して上手くはなくて。
でもなぜか、一生懸命に蓮はその行為を続ける。
その姿が、愛おしい。

綺麗に舐め上げて。
蓮が戻ってきた。
向き合って。目が合って。
軽い、キスをして。

「あー……アオ？」
「ん？」
「……この後……どうしたらいい……ん？」
「ふっ……」
「え、そこ笑うか？」
「んや、可愛すぎやろ」
「バカにしとるやろ」
「してへんわ」

そっと蓮を押し倒した。

「え、なに？　なにすんの？」
「ビビりすぎやろ」

少しだけ柔らかくなった蓮のモノを刺激しながら、蓮に跨がる。

「俺に、挿れて？」
「え、まじで？　大丈夫なん？　それ大丈夫なん？」
「大丈夫やって……」
「まじかぁ……」

今まさに、後孔に押し当てたところで、ピタリと動きを止める。

「やめんなら今やで？　……やめる？」
「それはいじわるやろ……これどうするん？」
「……じゃぁ、挿れんで？」

体重をかけて。
体内に、ズブズブと入り込んでくる、圧を感じて。
　
「はぁッ……」　

腹の力を抜きながら、体内に、蓮を感じた。

「入った……」
「……動いて……ええのん？」
「……ええよ、動いて……」

ずっぽりと咥え込んだ蓮が、動き始める。
下からゆっくりと、突き上げられて。

「あぁっ……なにこれ……気持ちッーー」

蓮の声に、頬が緩む。

「蓮……あぁッーー」
「はぁッアオーーッ」

息が大きく漏れて。
身体が揺れる。
ガツガツと突き上げられて。
カラダの奥に、どうしようもない感覚が湧き起こる。

蓮が上体を起こして、向かい合う。
ギュッとこのカラダにしがみつき。
唇を重ね、舌を絡ませる。

蓮の手が背を這って、あたたかい腕に、包み込まれて。

「アオ？　ーー大丈夫？」
「ん……気持ちいぃ……あぁッーー」

激しさが増して。
大きくカラダが揺れて。
支えきれないカラダを蓮に包み込まれて、ベッドに横たわる。

手を重ねて。蓮の重みを全身に感じて。

重ねた指先に感じる蓮の強さ。
ぶつかる息に感じる、蓮のあたたかさ。
包み込まれるカラダに感じる、蓮の優しさ。

まだ残る痣とキズ。
その痛みが、消えていく気がした。

蓮を求めて。
蓮の頬に手を伸ばす。

「あーーーもう……イキそ……」
「俺も……イキたい……」
「一緒に……いこ？」
「うん……一緒に……」

優しさと温かさに包まれて。
その傷を癒して。

俺たちは、果てた。

いつの間にかベッドの下に落ちていたかざぐるまが、カラリと揺れた。