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運命の時⑩
しおりを挟む【side アオ】
蓮は人の命を助けるのが仕事。
そこに、本気で向き合っている人。
医者としてはいいのかどうか知らんけど、感情持って行かれて。
一喜一憂する、優しい奴。
そんな蓮のことが、好きで。
そんな蓮とずっと、一緒にいたかった。
一緒に、朝日を浴びて、夕陽を眺めて、夜空を見上げたかった。その優しさに包まれて、生きていきたかった。
なぁ、蓮。
俺は蓮に、なんか返すことができたやろうか。
守ってもらってばっかりで、癒してもらってばっかりで。
これからもっともっと、俺にできること。
探していきたかった。
蓮と一緒に。
命を本気で守る蓮のことが、俺は好きやから。
だから蓮……
蓮らしく、いてほしい。
絶対にまた、出会う。
空から絶対に、見つけ出してみせるから。
【side 蓮】
とんだ頑固野郎だったのは、死神やったから。
人の命を終わらせる死神が、俺が必死で助けようとしている命の話を聞いて。
応援してくれて。そして、泣いた。
アオの強い心。
そして、優しい心が、俺は好き。
相手の心を感じて、それに巻き込まれて悩んで、それでもアオの中に在る芯、みたいなのが、俺は好きだ。
ずっと一緒にいたかった。
アオが探したあの家で。
朝日も、夕陽も、夜空も、一緒に見上げたかった。
なぁ、アオ。
頑固野郎なくせに巻き込まれやすいアオだから。
俺は心配やねんけど。
俺は絶対に、なかったことになんか、しない。
また出会う。何度でも、出会ってやる。
空を見上げて、アオの香りを待っているから。
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