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終章 天紡ぎ
二
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背に跨る、亡き昭王が地上を見遣って、子供のようにはしゃいでいる。
「見てみろ、楽毅。之が俺達の目指していた、泰平の世の姿だ」
昭王は阿々と哄笑する。楽毅は白き双翼をはためかせ、鋭い眼で眼下を見下ろした。
永延と続く恵みが溢れた大地。そして、緑の地で暮らし人々の姿。
人々の顔は笑顔で満ちている。其処には、公子董、魏竜の姿があった。
美しい完璧な世界だった。戦もなく、人々は泰平の世を謳歌している。
心が弾み、翼の先端にまで力を込めた。千里の翼が風を巻き上げた。
瞼を開いても、視界に飛び込んできたのは闇だった。
「目が覚めたか」
「平原君―」
己の枕許で座しているのが、平原君であると、声で分かった。
「今日は、随分と長い間眠っていたな」
「ええ。心地の良い夢を見ていました」
「ほう。訊いても?」
さっと平原君の纏う、衣服の裾が擦れる音がした。
「大鵬となり、昭王を背に乗せて、泰平となった世の空を翔ける夢です」
「それは真に良い夢だな」
平原君が優しく語りかける。楽毅は一生晴れることのない、闇を見つめたまま微笑んだ。
遠くの方で、廉頗に武芸を習う、楽間の声がする。
息子はまだ幼いが、武の才があった。それに目を付けた、廉頗が父に代わって、武芸を仕込んでいる。
「楽毅よ。田単は見事、斉を奪い返してみせたぞ」
一拍の間の後、
「そうですか」
と短く答えた。
田単は楽毅が燕を出奔した後、軍の総司令である騎却を率いる燕軍を、火牛の計を用いて、燕軍を搔き乱し、勢いのままに騎却を討ち取っている。
火牛の計は、田単自ら編み出した戦略で、千頭を超える牛を用意し、尾に松明、角には短剣と真紅の布を括り付け、尾につけた松明に火を灯すことで、千頭の牛は怒り狂う、習性を利用したものだ。
田単は密かに、即墨の城壁に穴を開けさせ、夜陰に紛れて、千頭の牛を引き連れ、
燕軍の陣営に向かって、尾に火を灯した、牛を放った。之により、角に武器を、尾の炎を宿した、千頭を超える牛の顕現に、狼狽した燕兵は、武器を執る暇もなく、背を向けて逃げ出した。
追い打ちをかけるように、田単は即墨の全ての兵、または民衆までも巻き込んで、銅鑼や鐘を打ち鳴らし、燕兵の混乱を更に煽った。燕兵は田単の奇策により、完全に統率を失い、十万を超える大軍は瞬く間に星散し、総司令である騎却は、田単自らの手で討ち取られた。
即墨での敗戦は、反撃の嚆矢に過ぎず、田単は各地に散った敗残兵を纏め、西へと進行した。
斉の民は侵略者でありながら、楽毅に敬意を示していた。楽毅は斉の大分を制圧したが、兵の狼藉は断固として許さず、また、斉の支配時に重税で喘いでいた土地などからは、一切税をとることはしなかった。
楽毅の存在があったからこそ、斉の民衆はすすんで心服した。しかし、楽毅が去り、騎却が総司令となると、各地に駐屯する燕兵は横暴を極め、民衆に狼藉を働いた。
民衆の不満は一気に募り、田単が即墨から討って出たことを皮切りに、ほうぼうで敗残兵が蹶起した。決河の勢いで、田単は奪われた城邑を奪い返し、今や残す所は、司馬炎が守禦する、聊城のみである。
平原君はゆっくりと、斉の現状を楽毅に語った。
「そうですか。司馬炎は今も戦い続けているのですね」
遠くの地で戦う友を想うと、光を失った眼から、涙が零れ落ちた。
「ああ。司馬炎はお前に託されたものを守り通そうとしている」
洟水がこもごもと流れる。
「良き友を持ったな」
何も言い返す言葉がなかった。己があまりにも不甲斐ない魏竜は己の身代わりとして討ち死し、司馬炎は迫る未来の行く末が分かっていても、楽毅が得たものを守り続けようとしていてくれている。
「平原君。お願いです。もし、司馬炎が生き延びることができたなら、趙へ迎え入れてやってくれませんか」
「もとよりそのつもりだ」
暫しの沈黙が続いた。
「祖国を奪い返した、田単は良い国を創り上げると思います。私が望んでいた景色が、彼が創り上げる国の中にあるのかもしれません。私はもう、ただ此処で朽ち果てていくだけですが」
洟をすすり、自嘲気味に嗤った。
「何を言うか。お前にはまだまだ生きてもらわねば。もう躰は以前のように、動かすことは叶わないかもしれん。しかし、お前には無限の智恵がある」
眼は見えなくとも、四肢の自由が奪われても、頭の中はこうなる以前より、明瞭であった。まるで宇宙が拡がっているかのように、事象を達観して捉えることができる。
だが、それも長くは続くまい。己が身を侵した毒は、今もなお、血流に遅々と巡っている。
物事を冷静に捉えられる今となっては、昭王もこの毒に侵され、薨去したのではないかと推測している。昭王は頑健な男だった。病の兆しなど微塵も見えなかった。そうして、己は昭王と同じように死んでいくだろう。
何一つ成し遂げることのできなかった人生であるが、不思議と今は、心が澄明であった。
一生において、刹那の間かもしれない。それでも、俺は大鵬となり、昭王と同じ景色を夢見たのだ。
「俺の相談役として、趙を守る為、力となってくれ」
楽毅は闇を見据えたまま、薄い笑みを刷いた。
「死が私を誘う、その時まで、私は平原君と共にあり続けましょう」
今はもう見ることの叶わない、蒼穹の果てで、鳥が啼いた。楽毅は失った翼に想いを馳せ、ゆっくりと瞼を閉じた。
「見てみろ、楽毅。之が俺達の目指していた、泰平の世の姿だ」
昭王は阿々と哄笑する。楽毅は白き双翼をはためかせ、鋭い眼で眼下を見下ろした。
永延と続く恵みが溢れた大地。そして、緑の地で暮らし人々の姿。
人々の顔は笑顔で満ちている。其処には、公子董、魏竜の姿があった。
美しい完璧な世界だった。戦もなく、人々は泰平の世を謳歌している。
心が弾み、翼の先端にまで力を込めた。千里の翼が風を巻き上げた。
瞼を開いても、視界に飛び込んできたのは闇だった。
「目が覚めたか」
「平原君―」
己の枕許で座しているのが、平原君であると、声で分かった。
「今日は、随分と長い間眠っていたな」
「ええ。心地の良い夢を見ていました」
「ほう。訊いても?」
さっと平原君の纏う、衣服の裾が擦れる音がした。
「大鵬となり、昭王を背に乗せて、泰平となった世の空を翔ける夢です」
「それは真に良い夢だな」
平原君が優しく語りかける。楽毅は一生晴れることのない、闇を見つめたまま微笑んだ。
遠くの方で、廉頗に武芸を習う、楽間の声がする。
息子はまだ幼いが、武の才があった。それに目を付けた、廉頗が父に代わって、武芸を仕込んでいる。
「楽毅よ。田単は見事、斉を奪い返してみせたぞ」
一拍の間の後、
「そうですか」
と短く答えた。
田単は楽毅が燕を出奔した後、軍の総司令である騎却を率いる燕軍を、火牛の計を用いて、燕軍を搔き乱し、勢いのままに騎却を討ち取っている。
火牛の計は、田単自ら編み出した戦略で、千頭を超える牛を用意し、尾に松明、角には短剣と真紅の布を括り付け、尾につけた松明に火を灯すことで、千頭の牛は怒り狂う、習性を利用したものだ。
田単は密かに、即墨の城壁に穴を開けさせ、夜陰に紛れて、千頭の牛を引き連れ、
燕軍の陣営に向かって、尾に火を灯した、牛を放った。之により、角に武器を、尾の炎を宿した、千頭を超える牛の顕現に、狼狽した燕兵は、武器を執る暇もなく、背を向けて逃げ出した。
追い打ちをかけるように、田単は即墨の全ての兵、または民衆までも巻き込んで、銅鑼や鐘を打ち鳴らし、燕兵の混乱を更に煽った。燕兵は田単の奇策により、完全に統率を失い、十万を超える大軍は瞬く間に星散し、総司令である騎却は、田単自らの手で討ち取られた。
即墨での敗戦は、反撃の嚆矢に過ぎず、田単は各地に散った敗残兵を纏め、西へと進行した。
斉の民は侵略者でありながら、楽毅に敬意を示していた。楽毅は斉の大分を制圧したが、兵の狼藉は断固として許さず、また、斉の支配時に重税で喘いでいた土地などからは、一切税をとることはしなかった。
楽毅の存在があったからこそ、斉の民衆はすすんで心服した。しかし、楽毅が去り、騎却が総司令となると、各地に駐屯する燕兵は横暴を極め、民衆に狼藉を働いた。
民衆の不満は一気に募り、田単が即墨から討って出たことを皮切りに、ほうぼうで敗残兵が蹶起した。決河の勢いで、田単は奪われた城邑を奪い返し、今や残す所は、司馬炎が守禦する、聊城のみである。
平原君はゆっくりと、斉の現状を楽毅に語った。
「そうですか。司馬炎は今も戦い続けているのですね」
遠くの地で戦う友を想うと、光を失った眼から、涙が零れ落ちた。
「ああ。司馬炎はお前に託されたものを守り通そうとしている」
洟水がこもごもと流れる。
「良き友を持ったな」
何も言い返す言葉がなかった。己があまりにも不甲斐ない魏竜は己の身代わりとして討ち死し、司馬炎は迫る未来の行く末が分かっていても、楽毅が得たものを守り続けようとしていてくれている。
「平原君。お願いです。もし、司馬炎が生き延びることができたなら、趙へ迎え入れてやってくれませんか」
「もとよりそのつもりだ」
暫しの沈黙が続いた。
「祖国を奪い返した、田単は良い国を創り上げると思います。私が望んでいた景色が、彼が創り上げる国の中にあるのかもしれません。私はもう、ただ此処で朽ち果てていくだけですが」
洟をすすり、自嘲気味に嗤った。
「何を言うか。お前にはまだまだ生きてもらわねば。もう躰は以前のように、動かすことは叶わないかもしれん。しかし、お前には無限の智恵がある」
眼は見えなくとも、四肢の自由が奪われても、頭の中はこうなる以前より、明瞭であった。まるで宇宙が拡がっているかのように、事象を達観して捉えることができる。
だが、それも長くは続くまい。己が身を侵した毒は、今もなお、血流に遅々と巡っている。
物事を冷静に捉えられる今となっては、昭王もこの毒に侵され、薨去したのではないかと推測している。昭王は頑健な男だった。病の兆しなど微塵も見えなかった。そうして、己は昭王と同じように死んでいくだろう。
何一つ成し遂げることのできなかった人生であるが、不思議と今は、心が澄明であった。
一生において、刹那の間かもしれない。それでも、俺は大鵬となり、昭王と同じ景色を夢見たのだ。
「俺の相談役として、趙を守る為、力となってくれ」
楽毅は闇を見据えたまま、薄い笑みを刷いた。
「死が私を誘う、その時まで、私は平原君と共にあり続けましょう」
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