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使い魔編
第16話 タローと魔王 (決着)
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物心ついた時から、俺は自分でも自覚するほど怠惰だった。
学校で授業中に毎時間居眠りしてたし、宿題なんて一回もやったことがない。
先生に毎度のこと怒られても、何も感じなかった。
自分が周りと違うことなんてわかってる。
変わろうともしたけど、面倒になってすぐやめた。
16歳になると、周りは進学か働くかのどちらかをしていた。
けど、どっちもやる気が無くてどっちもやらなかった。
親に迷惑をかけていることもわかってる。
そのせいで、いつも心が痛くなった。
だから無心でその辺の薪を拾って割ってたら、毎日の習慣になってた。
自分がクズだとわかっている。
でも俺は残念なことに性根から腐っているので、どんなに直そうとも直せない。
だから自分はクズでもいい。
けど、その代わりに困っている人がいたら助けようと思ったんだ。
自分が苦労を掛ける分、誰かの苦労を背負ってあげようって。
クズはクズなりの流儀がある。
それは人に迷惑をかけてはいけない。
あ、親にはかけてるけどノーカンってことで。
それともう一つ。
短気は絶対にダメだ。
ニートで起こりやすい奴はクズではなく、本物のクズだからな。
だから怒らない。
けど、やっぱり俺も人間なもんでね。
自分の大事なもの壊されると
無性に腹が立つ
***
「ちょっとムカついちゃった」
タローの言葉に怒気が込められている。
そのことに感じられたのは自身が音に関するスキルを使っているからだ。
普通なら気付かないレベル。
そのことに気付いたのは、魔王に警戒心を抱かせるには十分だった。
余力を残していたが、危険信号が爆音で脳内に響く。
その不安をかき消すため、自身の最高速度でケリをつけることにした。
「――音速移動!」
先ほどの高速移動の比ではない音速での移動。
人間の目には捉えることも反応することもできないスピード。
そして刃は振音により切れ味も鋭くなっている。
当たれば死。
当たらなくとも音速による衝撃波で体勢を崩したところを狙えばいい。
魔王は本気でタローを殺しにかかった。
「死への行進曲!!」
放つのは音速の突き技。
自身の最速剣技。
先代魔王をねじ伏せた技である。
(これで――私の勝ちだ!!)
音速移動で放たれる突き。
移動時の衝撃波で周りが破壊されていく。
タローの速度はせいぜいBランク程度。
ステータス上では確実に躱せない。
そして、事実タローは躱せなかった。
いや
躱さなかった。
「ドラムス、アンタを信じる」
タローは刃が直撃する寸前 ―― 思い切り腹筋に力を入れた ――
「ふんっ!」
刃がタローの腹部を捉えた。
だが、タローの腹筋を刃は貫けなかった。
「――ファッ!?」
魔王は開いた口を塞げなかった。
金魚のように口をパクパクさせ、固まってしまった。
「防御力9999って、嘘じゃなかったんだな」
タローは安心したように息を吐く。
だが、魔王はタローの言葉にびっくり仰天であった。
「ぼ、防御力9999……?」
「それくらいあるらしいよ」
「…………ふ、ふ、ふっ――」
下を向いてブツブツ呟きだすと、涙目でタローに向き直る。
「――ッっザケんな!! 私の攻撃力は7426あるんじゃぞ!?
武器の威力を合わせたら8000越えだぞ!!
なのにお前は9999だぁ!?
そんな怪物に勝てるわけねぇじゃろうがい!!」
半べそかきながら目に涙を浮かべて、鼻水も垂らして2話前の美しい感じはどこへやらである。
そんな女の子、もとい魔王にも容赦しない男がここに一人。
「お前が勝とうが負けようがどうでもいいが、とりあえず3つだけ言っておく」
瞬間――タローの視線が魔王を貫く。
その視線一つで魔王は動けなくなってしまった。
「一つ。他人の物を壊すな」
右手の人差し指を上げて言う。
次に中指を上げた。
「二つ。悪いことをしたら素直に"ごめんなさい"を言え」
最後の3つ目。
薬指を上げるかと思いきや、タローは上げた指をとじて握り拳にした。
「三つ。以上の二つを守れなかった場合は――」
右腕を高く上げる。
魔王は「あ、あっ……」と何をされるか察しがついた。
だが、もう遅い。
「拳骨のお仕置きだ!」
「ちょ、ちょっと待っ――」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
そのとき、魔王の放つどの攻撃よりも大きな破壊音が鳴った。
ドゴォン!! や、バゴォォォオオン!!! とかどんな表現でも足りないくらいの音だった。
タローの拳を喰らった魔王は、頭部が完全に地面にめり込んでいた。
足をピクピクさせ、犬神家もびっくりの見事なポーズである。
魔王:タイラント=マリア=コバルトは完全に気を失った。
こうして、タローvs魔王はタローの快勝で終わった。
学校で授業中に毎時間居眠りしてたし、宿題なんて一回もやったことがない。
先生に毎度のこと怒られても、何も感じなかった。
自分が周りと違うことなんてわかってる。
変わろうともしたけど、面倒になってすぐやめた。
16歳になると、周りは進学か働くかのどちらかをしていた。
けど、どっちもやる気が無くてどっちもやらなかった。
親に迷惑をかけていることもわかってる。
そのせいで、いつも心が痛くなった。
だから無心でその辺の薪を拾って割ってたら、毎日の習慣になってた。
自分がクズだとわかっている。
でも俺は残念なことに性根から腐っているので、どんなに直そうとも直せない。
だから自分はクズでもいい。
けど、その代わりに困っている人がいたら助けようと思ったんだ。
自分が苦労を掛ける分、誰かの苦労を背負ってあげようって。
クズはクズなりの流儀がある。
それは人に迷惑をかけてはいけない。
あ、親にはかけてるけどノーカンってことで。
それともう一つ。
短気は絶対にダメだ。
ニートで起こりやすい奴はクズではなく、本物のクズだからな。
だから怒らない。
けど、やっぱり俺も人間なもんでね。
自分の大事なもの壊されると
無性に腹が立つ
***
「ちょっとムカついちゃった」
タローの言葉に怒気が込められている。
そのことに感じられたのは自身が音に関するスキルを使っているからだ。
普通なら気付かないレベル。
そのことに気付いたのは、魔王に警戒心を抱かせるには十分だった。
余力を残していたが、危険信号が爆音で脳内に響く。
その不安をかき消すため、自身の最高速度でケリをつけることにした。
「――音速移動!」
先ほどの高速移動の比ではない音速での移動。
人間の目には捉えることも反応することもできないスピード。
そして刃は振音により切れ味も鋭くなっている。
当たれば死。
当たらなくとも音速による衝撃波で体勢を崩したところを狙えばいい。
魔王は本気でタローを殺しにかかった。
「死への行進曲!!」
放つのは音速の突き技。
自身の最速剣技。
先代魔王をねじ伏せた技である。
(これで――私の勝ちだ!!)
音速移動で放たれる突き。
移動時の衝撃波で周りが破壊されていく。
タローの速度はせいぜいBランク程度。
ステータス上では確実に躱せない。
そして、事実タローは躱せなかった。
いや
躱さなかった。
「ドラムス、アンタを信じる」
タローは刃が直撃する寸前 ―― 思い切り腹筋に力を入れた ――
「ふんっ!」
刃がタローの腹部を捉えた。
だが、タローの腹筋を刃は貫けなかった。
「――ファッ!?」
魔王は開いた口を塞げなかった。
金魚のように口をパクパクさせ、固まってしまった。
「防御力9999って、嘘じゃなかったんだな」
タローは安心したように息を吐く。
だが、魔王はタローの言葉にびっくり仰天であった。
「ぼ、防御力9999……?」
「それくらいあるらしいよ」
「…………ふ、ふ、ふっ――」
下を向いてブツブツ呟きだすと、涙目でタローに向き直る。
「――ッっザケんな!! 私の攻撃力は7426あるんじゃぞ!?
武器の威力を合わせたら8000越えだぞ!!
なのにお前は9999だぁ!?
そんな怪物に勝てるわけねぇじゃろうがい!!」
半べそかきながら目に涙を浮かべて、鼻水も垂らして2話前の美しい感じはどこへやらである。
そんな女の子、もとい魔王にも容赦しない男がここに一人。
「お前が勝とうが負けようがどうでもいいが、とりあえず3つだけ言っておく」
瞬間――タローの視線が魔王を貫く。
その視線一つで魔王は動けなくなってしまった。
「一つ。他人の物を壊すな」
右手の人差し指を上げて言う。
次に中指を上げた。
「二つ。悪いことをしたら素直に"ごめんなさい"を言え」
最後の3つ目。
薬指を上げるかと思いきや、タローは上げた指をとじて握り拳にした。
「三つ。以上の二つを守れなかった場合は――」
右腕を高く上げる。
魔王は「あ、あっ……」と何をされるか察しがついた。
だが、もう遅い。
「拳骨のお仕置きだ!」
「ちょ、ちょっと待っ――」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
そのとき、魔王の放つどの攻撃よりも大きな破壊音が鳴った。
ドゴォン!! や、バゴォォォオオン!!! とかどんな表現でも足りないくらいの音だった。
タローの拳を喰らった魔王は、頭部が完全に地面にめり込んでいた。
足をピクピクさせ、犬神家もびっくりの見事なポーズである。
魔王:タイラント=マリア=コバルトは完全に気を失った。
こうして、タローvs魔王はタローの快勝で終わった。
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