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最終章・転生勇者編
第136話 これがオレの秘策
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収束した赤い光が一気にはじけると、盾から爆炎が巻き起こった。
ユウシの前方10メートル以上を飲み込むほどの威力。これを至近距離で受けて無事に済む人間はいないだろう。――
「……と、そんな常識が通じるわけないか」
ユウシは目の前の光景にもはや呆れていた。
そこには全身にオーラを纏わせ、平然と立っている漢の姿があった。
「……ったく、吃驚して"最大解放"しちまったぜ」
鎧のように全身に広がるオーラは、アキラの最大解放である"喧嘩特攻"である。
攻撃力、防御力、速度を上昇させるシンプルな能力で、わかりやすく扱いやすいのが特徴だ。
「使うつもりは無かったんだがな。でもいい機会だ!」
アキラはこの戦いで最大解放、どころかスキルすら使うつもりは無かった。
スキルなしでどこまでやれるか。というのを知りたかったというのもあるが、一番の理由は『地力』の強化である。
というのも、タローとムサシには共通点がある。それは通常時ですら強いという点だ。
ムサシはスキルが無くても、二刀流でなくても他を圧倒する力がある。
タローは魔剣を使用していなくても、攻撃力のみで他を凌駕する。
二人に追いつくためには、まず地力を強化することが一番の近道だとアキラは考えたのである。
だからこそ、スキルなしでの勝利を目指したアキラであるが、反射的にスキルを発動させてしまったので、少し悔しそうであった。
だが、それはそれでいいと思った。
開発中の技は、最大解放時に使うことを前提につくっているのだから。
「ちょうどいい……実験台になってもらうぜ?」
アキラは肩を回しながらそう言った。
実験台という言葉に引っかかったユウシは、それを聞いて身構える。
だが、ユウシの行動は杞憂に終わることとなる。
「あー、安心しろよ。オレはもう、盾しか殴らないからよ」
と、宣言したのである。
「なんだと?」
「だーから、盾しか狙わねぇって言ってんだよ」
「何のつもりだ」
「『何』って……決まってんだろ――」
アキラはその場を駆けた。
今までが軽いランニングだったと錯覚するほどのスピードに、ユウシも驚いた。
「その盾、ブッ壊っすっつってんだよッ!」
叩き込まれる強烈な左拳。そのパンチは宣言通り盾のみを狙った攻撃だった。
(確かに強烈だ。が、きっちりチャージさせてもらうぞ!)
パンチが当たると、盾は一瞬だけ青く光った。
蓄積するときは青く、解放するときは赤く光るのである。
「オラァ!」
アキラは力を蓄積されていることには気付いていた。だが、わかったうえで次は右手でパンチを繰り出した。
次は左、そして右。
左右左右左右左右左右左右左右と交互に何度もパンチを打っていく。
(なんだ、何を考えているんだ?)
アキラは本当に盾しか攻撃していない。
ユウシは最初は不意打ちを狙っていると思い備えていたが、真実であったことがわかると備えを解いた。
「何を考えているか知らないが――」
みるみる力が蓄積されていき、ユウシは盾を赤く光らせた。
「いい加減にしろ!」
直後、盾から爆炎が放たれる。もちろんさっきより威力が大きい。
Aランクでも瀕死は免れない炎。
しかし!
「うぉおおおおおッッ!」
アキラは爆炎を浴びながら、パンチを繰り出し続けていた。
皮膚が焼け、重症であることに間違いはない。が、それでも殴り続けていたのだ。
しかも、段々とパンチを繰り出すスピードは上がっているのである。
「どんな身体をしているんだ!?」
思わず驚愕の声が漏れてしまうユウシ。
そんな相手などお構いなしに、アキラは盾を殴り続けた。
殴る殴る殴る!
とにかく、ひたすら、殴る!
馬鹿の一つ覚えだろうが、とことん殴った。
なぜなら――
(これが、オレが考えた『秘策』だ!)
アキラは、かつてタローとムサシに挑んだ。
そして知ることになった、事実。
――最大火力では、彼らには届かない。――
いくら一撃に力を込めても、タローを超えられない。
いくら一撃に力を込めても、ムサシに斬り伏せられる。
ならば、どうすればいいのか。
簡単だ。
(超えられるまで、殴り続ければいいだろ!)
アキラの考えた奥の手は、高速の連打。
一発で超えられないのなら、十発でも百発でも殴ればいい。
斬り伏せられるのなら、それを超える速さで殴ればいい。
それが、アキラの辿り着いた答えだ。
スピードを極限まで上げるため、一発の威力は低い。
それでも3000ほどはあるが、Sランクにとってはデコピン程度だ。
だが、それを何発も連続で打てばどうだろうか。
3000を10発連続で打ちこめばどうだろう。
普通に打てば耐えられるが、最大限の速さで1秒間に10発打ち込めばどうだろうか。
1秒間に100発打てばどうだろうか。
1000発打てばどうだろうか。
作戦といえぬ、無謀な攻撃かもしれない。
だが、出来ぬと誰が決めたのだろうか。
ピキッ――
(ッ!? 盾にヒビ!?)
自分以外の誰もが不可能と言えば、不可能なのだろうか。
「ハッハッハ! 思った以上に硬かったな――」
否。
馬鹿にされようと、嗤われようと、諦めに限り――可能性はあるのだ。
「だが、砕いたぜッ!」
最期の一撃を打ち込んだとき、盾はバキィイン! と豪快な音を鳴らした。
パンチの回数、実に14286発。
3000×14286。合計4000万超えの威力に、ついに盾が砕けた。
ユウシの前方10メートル以上を飲み込むほどの威力。これを至近距離で受けて無事に済む人間はいないだろう。――
「……と、そんな常識が通じるわけないか」
ユウシは目の前の光景にもはや呆れていた。
そこには全身にオーラを纏わせ、平然と立っている漢の姿があった。
「……ったく、吃驚して"最大解放"しちまったぜ」
鎧のように全身に広がるオーラは、アキラの最大解放である"喧嘩特攻"である。
攻撃力、防御力、速度を上昇させるシンプルな能力で、わかりやすく扱いやすいのが特徴だ。
「使うつもりは無かったんだがな。でもいい機会だ!」
アキラはこの戦いで最大解放、どころかスキルすら使うつもりは無かった。
スキルなしでどこまでやれるか。というのを知りたかったというのもあるが、一番の理由は『地力』の強化である。
というのも、タローとムサシには共通点がある。それは通常時ですら強いという点だ。
ムサシはスキルが無くても、二刀流でなくても他を圧倒する力がある。
タローは魔剣を使用していなくても、攻撃力のみで他を凌駕する。
二人に追いつくためには、まず地力を強化することが一番の近道だとアキラは考えたのである。
だからこそ、スキルなしでの勝利を目指したアキラであるが、反射的にスキルを発動させてしまったので、少し悔しそうであった。
だが、それはそれでいいと思った。
開発中の技は、最大解放時に使うことを前提につくっているのだから。
「ちょうどいい……実験台になってもらうぜ?」
アキラは肩を回しながらそう言った。
実験台という言葉に引っかかったユウシは、それを聞いて身構える。
だが、ユウシの行動は杞憂に終わることとなる。
「あー、安心しろよ。オレはもう、盾しか殴らないからよ」
と、宣言したのである。
「なんだと?」
「だーから、盾しか狙わねぇって言ってんだよ」
「何のつもりだ」
「『何』って……決まってんだろ――」
アキラはその場を駆けた。
今までが軽いランニングだったと錯覚するほどのスピードに、ユウシも驚いた。
「その盾、ブッ壊っすっつってんだよッ!」
叩き込まれる強烈な左拳。そのパンチは宣言通り盾のみを狙った攻撃だった。
(確かに強烈だ。が、きっちりチャージさせてもらうぞ!)
パンチが当たると、盾は一瞬だけ青く光った。
蓄積するときは青く、解放するときは赤く光るのである。
「オラァ!」
アキラは力を蓄積されていることには気付いていた。だが、わかったうえで次は右手でパンチを繰り出した。
次は左、そして右。
左右左右左右左右左右左右左右と交互に何度もパンチを打っていく。
(なんだ、何を考えているんだ?)
アキラは本当に盾しか攻撃していない。
ユウシは最初は不意打ちを狙っていると思い備えていたが、真実であったことがわかると備えを解いた。
「何を考えているか知らないが――」
みるみる力が蓄積されていき、ユウシは盾を赤く光らせた。
「いい加減にしろ!」
直後、盾から爆炎が放たれる。もちろんさっきより威力が大きい。
Aランクでも瀕死は免れない炎。
しかし!
「うぉおおおおおッッ!」
アキラは爆炎を浴びながら、パンチを繰り出し続けていた。
皮膚が焼け、重症であることに間違いはない。が、それでも殴り続けていたのだ。
しかも、段々とパンチを繰り出すスピードは上がっているのである。
「どんな身体をしているんだ!?」
思わず驚愕の声が漏れてしまうユウシ。
そんな相手などお構いなしに、アキラは盾を殴り続けた。
殴る殴る殴る!
とにかく、ひたすら、殴る!
馬鹿の一つ覚えだろうが、とことん殴った。
なぜなら――
(これが、オレが考えた『秘策』だ!)
アキラは、かつてタローとムサシに挑んだ。
そして知ることになった、事実。
――最大火力では、彼らには届かない。――
いくら一撃に力を込めても、タローを超えられない。
いくら一撃に力を込めても、ムサシに斬り伏せられる。
ならば、どうすればいいのか。
簡単だ。
(超えられるまで、殴り続ければいいだろ!)
アキラの考えた奥の手は、高速の連打。
一発で超えられないのなら、十発でも百発でも殴ればいい。
斬り伏せられるのなら、それを超える速さで殴ればいい。
それが、アキラの辿り着いた答えだ。
スピードを極限まで上げるため、一発の威力は低い。
それでも3000ほどはあるが、Sランクにとってはデコピン程度だ。
だが、それを何発も連続で打てばどうだろうか。
3000を10発連続で打ちこめばどうだろう。
普通に打てば耐えられるが、最大限の速さで1秒間に10発打ち込めばどうだろうか。
1秒間に100発打てばどうだろうか。
1000発打てばどうだろうか。
作戦といえぬ、無謀な攻撃かもしれない。
だが、出来ぬと誰が決めたのだろうか。
ピキッ――
(ッ!? 盾にヒビ!?)
自分以外の誰もが不可能と言えば、不可能なのだろうか。
「ハッハッハ! 思った以上に硬かったな――」
否。
馬鹿にされようと、嗤われようと、諦めに限り――可能性はあるのだ。
「だが、砕いたぜッ!」
最期の一撃を打ち込んだとき、盾はバキィイン! と豪快な音を鳴らした。
パンチの回数、実に14286発。
3000×14286。合計4000万超えの威力に、ついに盾が砕けた。
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