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最終章・転生勇者編
第152話 ピンチの中にチャンスはある
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ユウシのステータスは下降の一途を辿っていた。
刃を合わせるだけで魔力を喰らう暴食の魔剣の固有能力、暴飲暴食。
刃に触れなければ大丈夫。ということは受けるのではなく躱せばよい。それは子供でもわかることだ。
しかし、ユウシにはそれができなかった。
何度目かのアリスの凶刃に、ユウシは思わず目を細める。
(ダメだ……躱せない!)
ダメだとわかっていても、それを盾で受け止めた。
自分が転生者だと判明すると、王国はユウシを勇者として育てるべく様々な教育を与えていた。
その中には、モンスターに対応するための知識も含まれている。
モンスターと言っても種類は豊富。4足歩行もいれば鳥類型、中には異形なものまで多数だ。
色々なモンスターがいるのだ、当然人型のモンスターも存在していた。
ユウシはそこで、人の構造を叩き込まれたのである。
人の関節や弱点を徹底的に教えられ、どの角度から攻撃が来るのか、そしてどこが死角となるのかをユウシは全てを網羅した。
そのおかげで初見のモンスターであっても勝利を収めることが出来た。
だが、皮肉にもその知識が、アリスとの戦闘においての大きな枷となってしまっているのだ。
「……どうしたの? よけなきゃあぶないよ?」
避けられないのをわかって、アリスはわざと挑発した。
それを理解しているからか、ユウシは聞き流すのみ。
(躱せるものなら、躱したいさ!)
苦しめているのはアリスの人間離れした身体の柔軟性である。
人間の可動域を完全に無視した異常な動き。ときには関節を外して攻撃範囲を無理矢理伸ばしてくることもしばしばだった。
受け止めることは可能。だが躱せるほどの余裕は無い。
だからユウシは嫌でも攻撃を受け止めざるを得ない。
魔力は食われ続け、加えてアリスのスキル食欲旺盛によりステータスも減少。
初めは2万以上あったステータスも、今やアリスを下回ってしまっている。
つまりこの状況は。――
(ピンチ、か)
ユウシのステータスが4桁を下回ったとき、アリスは勝利に王手をかけた。
「……これで、おしまい!」
勝利に目がくらみ油断したところをやられる、なんてことはざらにある。
それを理解していたからこそ、アリスはこの場面で、ここ一番のスピードで暴食の魔剣を振るった。
今のユウシにこのスピードの攻撃は躱すことも避けることも出来ない。
鋸歯が首元まで数ミリというところまで差し迫った。
(……ッ!)
そのとき、アリスは見た。
死が目の前に迫る、この状況下で。
笑みをこぼす勇者を。
「想像以上の力だ……けどなぁ――」
決して余裕があるからではない。
だが、いつだって進化は、ピンチの中から生み出されてきたのだ。
「おれは、お前を超えるッ!」
魔剣が首に触れる寸前、黄金のオーラが刃を弾いた。
それはジードとランのときにも起きた現象。
レベルアップの瞬間である。
刃を合わせるだけで魔力を喰らう暴食の魔剣の固有能力、暴飲暴食。
刃に触れなければ大丈夫。ということは受けるのではなく躱せばよい。それは子供でもわかることだ。
しかし、ユウシにはそれができなかった。
何度目かのアリスの凶刃に、ユウシは思わず目を細める。
(ダメだ……躱せない!)
ダメだとわかっていても、それを盾で受け止めた。
自分が転生者だと判明すると、王国はユウシを勇者として育てるべく様々な教育を与えていた。
その中には、モンスターに対応するための知識も含まれている。
モンスターと言っても種類は豊富。4足歩行もいれば鳥類型、中には異形なものまで多数だ。
色々なモンスターがいるのだ、当然人型のモンスターも存在していた。
ユウシはそこで、人の構造を叩き込まれたのである。
人の関節や弱点を徹底的に教えられ、どの角度から攻撃が来るのか、そしてどこが死角となるのかをユウシは全てを網羅した。
そのおかげで初見のモンスターであっても勝利を収めることが出来た。
だが、皮肉にもその知識が、アリスとの戦闘においての大きな枷となってしまっているのだ。
「……どうしたの? よけなきゃあぶないよ?」
避けられないのをわかって、アリスはわざと挑発した。
それを理解しているからか、ユウシは聞き流すのみ。
(躱せるものなら、躱したいさ!)
苦しめているのはアリスの人間離れした身体の柔軟性である。
人間の可動域を完全に無視した異常な動き。ときには関節を外して攻撃範囲を無理矢理伸ばしてくることもしばしばだった。
受け止めることは可能。だが躱せるほどの余裕は無い。
だからユウシは嫌でも攻撃を受け止めざるを得ない。
魔力は食われ続け、加えてアリスのスキル食欲旺盛によりステータスも減少。
初めは2万以上あったステータスも、今やアリスを下回ってしまっている。
つまりこの状況は。――
(ピンチ、か)
ユウシのステータスが4桁を下回ったとき、アリスは勝利に王手をかけた。
「……これで、おしまい!」
勝利に目がくらみ油断したところをやられる、なんてことはざらにある。
それを理解していたからこそ、アリスはこの場面で、ここ一番のスピードで暴食の魔剣を振るった。
今のユウシにこのスピードの攻撃は躱すことも避けることも出来ない。
鋸歯が首元まで数ミリというところまで差し迫った。
(……ッ!)
そのとき、アリスは見た。
死が目の前に迫る、この状況下で。
笑みをこぼす勇者を。
「想像以上の力だ……けどなぁ――」
決して余裕があるからではない。
だが、いつだって進化は、ピンチの中から生み出されてきたのだ。
「おれは、お前を超えるッ!」
魔剣が首に触れる寸前、黄金のオーラが刃を弾いた。
それはジードとランのときにも起きた現象。
レベルアップの瞬間である。
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