7 / 48
虚ろな影は少女と共に
6話 倉實礼は赤らめる
学院に入学して1ヶ月が過ぎた。学校特有の作法や新しい環境での授業には戸惑ったけれど、今はもうだいぶ慣れてきた。
けど……
「さ、倉實さん。ばんざいして? ばんざい」
布と布とが擦れ合う音に、今更ながら私は今、貴澄さんに衣服を脱がされているという事実を受け止めた。
相変わらずお風呂の時間は慣れない。いくら隻腕でも衣服くらいは自分で脱げるけど……利き手が使えないとそれだけで時間がかかってしまう。ということでファミリアである貴澄さんに手伝ってもらっている。
(ここまで恥ずかしいとは思わなかったわ……!)
他人に脱がされるというだけで、こうも恥ずかしくなるとは思わなかった。瑞々しさのある知らない指は私の表面をなぞるように駆け巡る。声が出てしまわないよう、その唇を固く結べば結ぶほど、内からは要らぬ緊張が源泉如く湧き上がった。
貴澄さんは介助だと割り切っている為なのか、全く恥ずかしがるようなそぶりも見せなかった。私だけ勝手に恥ずかしがってるなんて、余計に恥ずかしい。
あまり人には見せたくない姿であるため、一番人の来ない時間を狙ってきたが、2人しかいないこの空間は、かえって私の胸の鼓動に拍車をかけた。
「倉實さんが恥ずかしがってると……その、なんだかいけないことをしてるみたいでわたしまで恥ずかしくなってくるわ……」
背中越しに伝わってくる暖かみがより一層、私を桜色に染め上げる。
「おっと……ここは君たちだけの空間じゃないんだ。他の人に誤解されるような行動は慎むべきだと思うけど……」
面白半分。半ば呆れたように私たちを見る東口さんの表情は、見なくても手に取るように分かった。
「ちょっと。茶化すようなことではないと思うけど。そういう冗談、おもしろくないわ」
インナーのキャミソールを脱がされかけているせいで見えないけれど、貴澄さんが東口さんに向けて冷たい視線を送っている様子が思い浮かぶ。
「悪かったよ。2人と早く仲良くなりたくて、つい軽口がね」
「そんなことなら、もっとお湯につかりながらゆっくりお話しすればいいのに……」
「長風呂は得意じゃないんだ。……さ、あと15分もすれば2年生の入浴時間だ、そろそろ入ってしまおう」
この学院の入浴システムは、始めに1年生、その後に2年生、最後に3年生といった具合に、学年によって入ることのできる時間帯が分けられている。あまりぎりぎりの時間にまで入っていると上級生と鉢合わせてしまうことがあるため、特に1年生は早い時間に入浴を済ませてしまうのが恒例らしい。だから私達はあえてこの同級生の寄り付かない時間に入浴している。
衣服を脱ぎ貴澄さんがそれをきれいに畳むと、私たちは足早に浴場へと向かった。ペタペタ。という私たちの足音はまるでペンギンの様で、私たちをより一層、少女たらしめていた。
お風呂は命の洗濯。という言葉を聞いたことがある。誰の言葉かはもう忘れてしまったけど、私の大好きな言葉の1つだ。
嬉しいとき、悲しいとき、疲れたとき、元気なとき。どんな私でも平等に受け入れ、癒しを与えてくれるお風呂が大好きだった。
お風呂は私にとって心の許せる相棒だった。これだけ安心して身を委ねられるものはないと言っても過言ではないだろう。
「おかゆいところはございませんか♪」
貴澄さんの透き通る声が大浴場で乱反射して私の耳へと届けられる。
私の左腕を貴澄さんの白い腕は踊るようにして白い泡で染め上げ、ついでに私の頬も赤く染め上げた。全身が紅潮しないように平静さを保っていたけれどこれは……身を委ねたら最後……ね。
「き、貴澄さん……その、もう大丈夫だから、ありがとう。あとは自分で」
「そんな遠慮しなくてもいいのよ? だって、わたしたちはもうファミリアなんだもの」
私の背中に触れては避けを繰り返す二つの凹凸は、湯舟に入る前の私をたしかにのぼせようさせていた。
「透子もそれくらいにしてあげるといい。せっかく心と体を癒せる場所なんだ。倉實さんもきっと、洗えるところは1人でゆっくり洗いたいはずだよ」
「そ、そう! 左手と背中以外は自分でできるから、もう大丈夫よ。ありがとう」
やはり他人に洗ってもらうのと自分で洗うのとではこうも勝手が違うものよね……くすぐったい。心も体も。
そのむず痒さも一気に洗い流すようにしてシャワーを浴び、浴槽で待つ東口さんの元へと向かった。
「入学したてで忙しい日々の中だけど、こうして湯舟に浸かっている間だけは、礼法とか慌ただしさとかを忘れて落ち着くことができるよ」
ふぅ、と全身から空気を抜いた東口さんは、まるで萎びた風船のようにして身を沈めた。
「つかの間の平穏ね」
「郷に入っては郷に従えとも言うし、やることはやるさ。その内、この生活が平穏そのものとなることを願って。乾杯」
グラスを持つようにして差し出された彼女の右手に、軽く合わせるようにして
「平穏に、楽しく過ごせることを祈って、乾杯」
杯を交わした。
「そういえば、君はどうなんだい透子。もう学院の生活には馴染めた?」
いつの間にか体を洗い終えていた貴澄さんは、つかの間の井戸端会議に参加すべく、足早にこちらへ向かってきた。
「始めはキリスト教特有の礼法などには戸惑ったけれど……それ以外は前にいた学校とあまり変わらないし、何よりクラスのみんなが優しい人ばかりなおかげですっかり馴染めているわね」
「流石はモニカ教諭が委員長と見込んだ透子だよ。余裕があるし、周りを見渡せる視野もある」
「褒めても笑顔くらいしか出てこないわよ。はい」
太陽のような笑みを浮かべている貴澄さんの笑顔は、天真爛漫の語源は彼女からきているのではないかと思わせるほどに無垢なものだった。
(遠くからじゃよくわからなかったけど、眼鏡をはずしているからより一層、ね)
「そういえば、東口さんと倉實さんは祭事委員? だったわよね。もう収穫祭の予定とかを考えたりしていて、そっちは大変だったりしないの?」
「私たち1年生が本格的に参入するのは秋の文化祭からなんだ。今はただ先輩方の紛糾した議論を眺めながらお茶を飲むだけの簡単なお仕事さ」
「居心地は最悪だけどね……」
祭事委員。ここに来るまで聞いたことのないような名前だったが、文化祭以外のイベントも担当する文化祭実行委員という感覚が一番近いかもしれない。
本当は図書委員とか飼育委員とかをやりたかったけど……なんとなく手を挙げずらくて、ただ座っていたら枠がそこしかなくなっていた。という次第。再選していただけないでしょうか。
「まあ、喧噪を御供に紅茶をいただけるのは今だけだって言ってたし、しばらくはそれに甘んじようとしようじゃないか」
「それでよく胃に穴が空かないわよね……」
「その時は、君が埋めてくれるんだろう? 先にお暇させていただくよ。長風呂は好きじゃないんだ」
私の髪をなでると、最後の最後に爆弾を投下した東口さんは、そのまま浴場を後にした。
「空いた穴は倉實さんで埋めるって……その……私はね? 女の子同士でも別におかしいこととは思ってないから……安心してね?」
「私にその気はない……ですよ?」
貴澄さん。その思考はね、それはそれで安心できないよ……
今日のお湯加減はいつもよりも熱く。のぼせてしまいそうだった。
けど……
「さ、倉實さん。ばんざいして? ばんざい」
布と布とが擦れ合う音に、今更ながら私は今、貴澄さんに衣服を脱がされているという事実を受け止めた。
相変わらずお風呂の時間は慣れない。いくら隻腕でも衣服くらいは自分で脱げるけど……利き手が使えないとそれだけで時間がかかってしまう。ということでファミリアである貴澄さんに手伝ってもらっている。
(ここまで恥ずかしいとは思わなかったわ……!)
他人に脱がされるというだけで、こうも恥ずかしくなるとは思わなかった。瑞々しさのある知らない指は私の表面をなぞるように駆け巡る。声が出てしまわないよう、その唇を固く結べば結ぶほど、内からは要らぬ緊張が源泉如く湧き上がった。
貴澄さんは介助だと割り切っている為なのか、全く恥ずかしがるようなそぶりも見せなかった。私だけ勝手に恥ずかしがってるなんて、余計に恥ずかしい。
あまり人には見せたくない姿であるため、一番人の来ない時間を狙ってきたが、2人しかいないこの空間は、かえって私の胸の鼓動に拍車をかけた。
「倉實さんが恥ずかしがってると……その、なんだかいけないことをしてるみたいでわたしまで恥ずかしくなってくるわ……」
背中越しに伝わってくる暖かみがより一層、私を桜色に染め上げる。
「おっと……ここは君たちだけの空間じゃないんだ。他の人に誤解されるような行動は慎むべきだと思うけど……」
面白半分。半ば呆れたように私たちを見る東口さんの表情は、見なくても手に取るように分かった。
「ちょっと。茶化すようなことではないと思うけど。そういう冗談、おもしろくないわ」
インナーのキャミソールを脱がされかけているせいで見えないけれど、貴澄さんが東口さんに向けて冷たい視線を送っている様子が思い浮かぶ。
「悪かったよ。2人と早く仲良くなりたくて、つい軽口がね」
「そんなことなら、もっとお湯につかりながらゆっくりお話しすればいいのに……」
「長風呂は得意じゃないんだ。……さ、あと15分もすれば2年生の入浴時間だ、そろそろ入ってしまおう」
この学院の入浴システムは、始めに1年生、その後に2年生、最後に3年生といった具合に、学年によって入ることのできる時間帯が分けられている。あまりぎりぎりの時間にまで入っていると上級生と鉢合わせてしまうことがあるため、特に1年生は早い時間に入浴を済ませてしまうのが恒例らしい。だから私達はあえてこの同級生の寄り付かない時間に入浴している。
衣服を脱ぎ貴澄さんがそれをきれいに畳むと、私たちは足早に浴場へと向かった。ペタペタ。という私たちの足音はまるでペンギンの様で、私たちをより一層、少女たらしめていた。
お風呂は命の洗濯。という言葉を聞いたことがある。誰の言葉かはもう忘れてしまったけど、私の大好きな言葉の1つだ。
嬉しいとき、悲しいとき、疲れたとき、元気なとき。どんな私でも平等に受け入れ、癒しを与えてくれるお風呂が大好きだった。
お風呂は私にとって心の許せる相棒だった。これだけ安心して身を委ねられるものはないと言っても過言ではないだろう。
「おかゆいところはございませんか♪」
貴澄さんの透き通る声が大浴場で乱反射して私の耳へと届けられる。
私の左腕を貴澄さんの白い腕は踊るようにして白い泡で染め上げ、ついでに私の頬も赤く染め上げた。全身が紅潮しないように平静さを保っていたけれどこれは……身を委ねたら最後……ね。
「き、貴澄さん……その、もう大丈夫だから、ありがとう。あとは自分で」
「そんな遠慮しなくてもいいのよ? だって、わたしたちはもうファミリアなんだもの」
私の背中に触れては避けを繰り返す二つの凹凸は、湯舟に入る前の私をたしかにのぼせようさせていた。
「透子もそれくらいにしてあげるといい。せっかく心と体を癒せる場所なんだ。倉實さんもきっと、洗えるところは1人でゆっくり洗いたいはずだよ」
「そ、そう! 左手と背中以外は自分でできるから、もう大丈夫よ。ありがとう」
やはり他人に洗ってもらうのと自分で洗うのとではこうも勝手が違うものよね……くすぐったい。心も体も。
そのむず痒さも一気に洗い流すようにしてシャワーを浴び、浴槽で待つ東口さんの元へと向かった。
「入学したてで忙しい日々の中だけど、こうして湯舟に浸かっている間だけは、礼法とか慌ただしさとかを忘れて落ち着くことができるよ」
ふぅ、と全身から空気を抜いた東口さんは、まるで萎びた風船のようにして身を沈めた。
「つかの間の平穏ね」
「郷に入っては郷に従えとも言うし、やることはやるさ。その内、この生活が平穏そのものとなることを願って。乾杯」
グラスを持つようにして差し出された彼女の右手に、軽く合わせるようにして
「平穏に、楽しく過ごせることを祈って、乾杯」
杯を交わした。
「そういえば、君はどうなんだい透子。もう学院の生活には馴染めた?」
いつの間にか体を洗い終えていた貴澄さんは、つかの間の井戸端会議に参加すべく、足早にこちらへ向かってきた。
「始めはキリスト教特有の礼法などには戸惑ったけれど……それ以外は前にいた学校とあまり変わらないし、何よりクラスのみんなが優しい人ばかりなおかげですっかり馴染めているわね」
「流石はモニカ教諭が委員長と見込んだ透子だよ。余裕があるし、周りを見渡せる視野もある」
「褒めても笑顔くらいしか出てこないわよ。はい」
太陽のような笑みを浮かべている貴澄さんの笑顔は、天真爛漫の語源は彼女からきているのではないかと思わせるほどに無垢なものだった。
(遠くからじゃよくわからなかったけど、眼鏡をはずしているからより一層、ね)
「そういえば、東口さんと倉實さんは祭事委員? だったわよね。もう収穫祭の予定とかを考えたりしていて、そっちは大変だったりしないの?」
「私たち1年生が本格的に参入するのは秋の文化祭からなんだ。今はただ先輩方の紛糾した議論を眺めながらお茶を飲むだけの簡単なお仕事さ」
「居心地は最悪だけどね……」
祭事委員。ここに来るまで聞いたことのないような名前だったが、文化祭以外のイベントも担当する文化祭実行委員という感覚が一番近いかもしれない。
本当は図書委員とか飼育委員とかをやりたかったけど……なんとなく手を挙げずらくて、ただ座っていたら枠がそこしかなくなっていた。という次第。再選していただけないでしょうか。
「まあ、喧噪を御供に紅茶をいただけるのは今だけだって言ってたし、しばらくはそれに甘んじようとしようじゃないか」
「それでよく胃に穴が空かないわよね……」
「その時は、君が埋めてくれるんだろう? 先にお暇させていただくよ。長風呂は好きじゃないんだ」
私の髪をなでると、最後の最後に爆弾を投下した東口さんは、そのまま浴場を後にした。
「空いた穴は倉實さんで埋めるって……その……私はね? 女の子同士でも別におかしいこととは思ってないから……安心してね?」
「私にその気はない……ですよ?」
貴澄さん。その思考はね、それはそれで安心できないよ……
今日のお湯加減はいつもよりも熱く。のぼせてしまいそうだった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【純愛百合】檸檬色に染まる泉【純愛GL】
里見 亮和
キャラ文芸
”世界で一番美しいと思ってしまった憧れの女性”
女子高生の私が、生まれてはじめて我を忘れて好きになったひと。
雑誌で見つけた、たった一枚の写真しか手掛かりがないその女性が……
手なんか届くはずがなかった憧れの女性が……
いま……私の目の前にいる。
奇跡みたいな出会いは、優しいだけじゃ終わらない。
近づくほど切なくて、触れるほど苦しくて、それでも離れられない。
憧れの先にある“本当の答え”に辿り着くまでの、静かな純愛GL。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。