降る雪は沈む蒼の心を優しく包む〜冴えない根暗な陰キャぼっちの成り上がりリア充化プロジェクト〜

朔月カイト

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蒼のモノローグ

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 例えば油彩画で、間違った箇所に上から色を重ね塗りして修正するように、過去に犯した過ちも、他の事柄で上書きしてなかった事に出来るだろうか──。

 俺はあの時に、間違った。

 何をどう間違ったのかは未だに判然としないが、とにかく何らかの間違いを犯してしまったのだ。

 この人生という名の一篇の物語が、あらゆる可能性を含んでいるのだとして、その時に分岐して辿ったルートは、全くもって最低なものだった。

 時を戻して別ルートを辿るのが不可能である以上、これからの未来を考える事が正しい選択だと言える。

 だが、悔いて止まない過去を忘れさせる程の希望ってやつに巡り会える確率なんて、ほんの僅かしかないだろう。

 否、それが本当に存在しているかどうかさえ疑わしい。

 学校では陰気なやつとして周りから排斥され、友人と呼べる存在は一人もおらず、自宅に帰っても一人暮らしなので家族との触れ合いもない。

 一日の内に会話というものは、業務連絡以外にはほぼする事がなく、Web上での繋がりでメッセージのやり取りをするだけ。

 そんな寂寥感が漂う生活を送っている者に、まるで終わらない夜みたいな悲しい過去を塗り替えるだけの転機など訪れるはずもない。

 期待したところで、失望させられるだけだと分かっているのなら、今のまま、孤独に寄り添いながらひっそりと惰性で生きていた方がいい。


 ──ぴしり。


 次第に心が罅割れていく音が鳴っているのからは、耳を背けながら──。


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