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第七章 サイン会と暴露
41.正体の暴露
何だか色々あった夏休みが、ついに明けた。
ごった煮──闇鍋と言ってもいいような、色んな具材のエキスが染みて何とも言えない複雑な味を感じさせてくれた時間だった気がする。
この二学期には、文化祭に始まり、その次に体育祭、修学旅行と、イベントが盛り沢山だ。
盛られ過ぎて、陰キャな俺には少々胃もたれしそうだが⋯⋯。
そんな風に、連続して立ち塞がる陽キャ達のためにあるようなイベントの数々を、どう乗り越えたものかと頭を悩ませながら登校した。
教室に入ると、先にきていた数人から挨拶を向けられる。
「おはよー、緋本君」
「はよ」
「うぃーす」
それらに「おはよう」と返し、自席につく。
あの目立ちまくってしまった球技大会以来、こうして何人かは声を掛けてくれるようになった。
だが、近付いてきて、『夏休みどうしてた?』などと雑談に興じたりする訳ではない。
元が冴えない根暗な陰キャぼっちであるため、あの熱狂から冷めた今、皆距離感を計りかねているのかもしれない。
怜愛は一緒じゃない。
昇降口まではいたんだが、その後、「私は悠果姉さんに話があるから、また後でね」と三年生のいる三階へと階段を上がっていった。
さて、読みかけの文庫本でも読みながら時間を潰すとするか──と俺がデイパックに手を伸ばした時、おさげ髪の少女が教室に入ってきた。
そう言えば、彼女に一言言っておかないといけない事があったんだった。
「おい、江南、話しがあるんだ。ちょっとこっちにきてくれ」
スクールバッグを置いて着席しようとしていた彼女に手招きし、廊下に連れ出す。
「一体なんの用ですか、緋本氏? 夏休み中、ボクにずっと会えなかったのがそんなに辛かったんですか? それとも告白? 緋本氏は嫌いじゃないですけれど、答えはノーです。あしからず」
「勝手な憶測で、勝手に振ろうとしないでくれ。そうじゃなくて──」
俺は彼女の耳元に顔を近付け、囁くように、夏休み旅行の夜に気付いてしまった事実を伝えた。
「バレちゃいましたか。緋本氏、間の抜けた見掛けによらず、案外鋭いんですね。あのアバター可愛いでしょう? あれ、僕自身がモデルなんですから、当然と言えば当然ですね。ちなみに、イラストはママに頼みましたけど、Live2Dはボクが自分で制作したんですよ。どうです? 凄いでしょう? 遠慮なく『天才!』と褒め称えてくれていいんですよ? あ、サイン要ります?」
自画自賛もここまでくれば清々しい──くはないな。やはり、腹立たしい事この上ない。
「ボケが渋滞していて、どこから突っ込めばいいのか分からないな。違うだろう。そんなどうでもいい事なんかより、もっと君が気にするべき大事な事があるはずだ」
「ボクが気にすべき事、ですか? はて、全くハートヒットがありませんけど」
嘯くように小首を傾げた。
「心当たりって言いたいのか? 心臓を撃ち抜かれそうな言い回しはやめろ。君がそうやって白を切るっていうなら、俺の口から言ってやる。配信では、俺の事を金輪際一言も喋らないと約束しろ」
語調を強めて命じるように告げた。
「なんだ、そんな事ですか。でも、何故です? 自分の武勇伝が世間に広まるなんて、承認欲求が満たされていいじゃないですか。ドヤ顔出来ますよ」
「自慢じゃないが、フリースローラインからのダンクを決める事が出来る高校生なんて、他にいる訳がないだろ。身元が特定されてしまうじゃないか。そうなったら、俺の後ろの席だって明かした君だって特定されてしまう事になるんだぞ」
「なるほど。言われてみればそうですね。危機意識が足りてませんでした。めんご」
と頭を下げる。珍しく殊勝な態度だ。
「やっとで理解してくれたか。そういう訳だから、くれぐれも頼んだぞ?」
念を押すように言った。
「アイコピー。ところで、緋本氏はもうさくらんぼの一員にはなりました? もちろんなりましたよね? もしまだなら、早くチャンネル登録しやがれください」
一転、今度はでかい態度で強要してくる。
「さくらんぼかどうかは知らないけど、一応チャンネル登録はしておいたよ。君が余計な発言をしないか監視する意味でな」
「言われずともチャンネル登録を済ませているなんて、緋本氏ってボクと同じツンデレさんだったんですね」
そう言う江南は、何故か頬を薄っすらと赤く染めている。どこに照れる要素があった?
「いつ俺が君にデレたんだ⋯⋯はぁ⋯⋯もう話は終わったから、席に戻るぞ」
溜息を零しつつ、言った。
「うっす。かしこまりっす。緋本パイセン」
最後に謎の後輩ムーブをかますと、江南は呆れる俺を置いてさっさと教室に戻っていった。
§
昼休みになり、俺と怜愛は、打ち合わせ通りに動く事にした。
二人揃って、それぞれパンと弁当に飲み物を持ち、窓側の一番後ろで机を合わせて食事を始めている一軍グループの女子達に近付く。
男子達の方は、学食にいっているんだろう。
折り合いを悪くしている来栖がいないのは幸いだ。
「姫歌、ちょっといい?」
「ん? どふひはの、れいふぁ?」
怜愛が声を掛けると、白鳥は、卵焼きを頬張りながら用件を尋ねた。
『どうしたの、怜愛?』と言ったのだろう。
「ちょっと打ち明けたい話しがあるから、私達も一緒に食べてもいい?」
「んぐんぐ、ごくん。うん、いいよ! 私達友達なんだから、断る理由なんてないよね!」
愛想よく頷く。
「でも、怜愛の方からそんな事言い出すのって初めてじゃない? どんな話なのか、気になるわね」
と涼葉。
「まさか、緋本君の性癖を暴露とか? 『俺は受けじゃない。攻める側だ』なんて今更言われたら、私、どうしたらいいの?」
橘、君はどうもしなくていい。お願いだから、その内に宿る獣を目覚めさせないでくれ。
怜愛は俺と隣同士になるようにして彼女達と机を合わせながら、その疑問に答えた。
「ちょっとした事なんだけどね。これまで皆には秘密にしていたけど、実は私、プロ作家なんだ」
怜愛が直截的に告げた。
「えっ⋯⋯?」
「プロ作家⋯⋯?」
「それって、自分で書いた小説を出版してるって事だよね?」
白鳥、涼葉は、すぐにはその意味が理解出来なかった様子で、きょとんとしている。
橘は瞳をキラリと輝かせながら、確認するように聞き質した。
「そう。ねーじゅっていうペンネームで、『変調愛テロル』っていうラブコメ小説を出してるんだけど、知ってる?」
「! 知ってる、知ってる。ていうか、私、その本買って読んだもん!」
そのぱっちりした目を大きく見開き、思わずというように声を大きくする白鳥。
「全然ちょっとした事じゃなかったわね」
と涼葉。
「私も勿論購読したよ。一オタクとして、話題の作品は押さえておかないとね」
橘は、BLだけじゃなく、守備範囲は広そうだからな。
「怜愛があのねーじゅ先生だったなんて、ぶったまげの驚き桃の木、山椒の木だよ! 明日学校に本持ってくるから、サインしてね!」
「うん、いいよ。喜んで」
今日日聞かない言葉で驚きを示す白鳥の頼みに、怜愛が快く応じる。
「でも、『雪氷の美姫』なんて呼ばれてる怜愛がラブコメってちょっとイメージが重ならないわね。失礼な事聞くようだけれど、自分がそのプロ作家だっていう証拠は示せる?」
「それなら──」
涼葉に問われ、怜愛はスマホを取り出すと、カキヨミのアカウントページを開き、その画面を向けて見せた。
「確かに、ねーじゅ先生のアカウントページだね。これは疑いようがないよ」
確認した橘が保証する。
「それでも信じられないっていうんだったら、委員長に聞いてみてもいいよ。彼女、お盆に開かれた私の顔出しサイン会にきてくれてたから」
「いえ、必要ないわ。ごめんなさいね。怜愛が私達を騙すなんて真似するとは思わなかったけど、念の為に確認しておきたかったの」
涼葉が決まりが悪そうにして謝った。
「気にしないでいいよ。自分を大きく見せようってそういう嘘を吐く人もいるからね。それと、もう一つ皆に打ち明けておきたい事があるんだけど」
「なになにー? もうちょっとした事じゃ驚かないよー」
泰然な態度を装って、余裕を見せながら構える白鳥。
「私の事じゃなくて、蒼介君の事なんだけどね。彼も実は、Web小説を書いてるんだ」
「えっ、そうなの、緋本君?」
「まぁな」
白鳥の問いに頷きつつ、俺も怜愛に倣ってスマホでカキヨミのアカウントページを見せる。
「怜愛みたいな書籍化したプロ作家には遠く及ばないけど、カキヨミの隅っこの方で、恋愛物を細々と執筆してるよ」
「恋愛物なら、私、読んだ事あるかも! それでペンネームは──って、スカーレット&ブルー! えーっ! 私の大好きな作家さんじゃん! 嘘でしょ!? 驚愕で私の心臓がヤバイ! くわwせdrftgyふjこlp⋯⋯ねーじゅ先生の正体が怜愛だって知った時と同じくらいのインパクト!」
何やら意味不明な言葉が混じっているが、衝撃が大きかったという事だけは伝わってくる。
「楽しんで読んでもらえているみたいだな。執筆の励みになるよ」
と微笑みを向けながら。
「お盆に連載が始まった新作ラブコメももちろん読んでるよ! 今までの純愛ものとはちょっと雰囲気が違うけど、そこがまた新鮮で、次の更新が毎日の楽しみで!」
白鳥が興奮したように鼻息荒く言う。
「ありがとな。毎回、読者の期待を裏切らないように頭を捻ってる甲斐があるよ」
俺がお盆期間の始まりと共に連載を開始した新作ラブコメ『降る雪は沈む蒼の心を優しく包む~冴えない根暗な陰キャぼっちの成り上がりリア充化プロジェクト~』(怜愛は、長ったらしいからと、縮めて『ふるリア』と呼んでいる。俺も今後はそう呼ばせてもらうとしよう)は、立ち上がりは緩やかだったものの、話数が増えるにつれて、徐々に評価が高まってきている。
評価の基準となる星やフォロワーの数も、それぞれこの短期間で三百と千を超えたし、感想やレビューも幾つかもらえた。
目立った悪評は今のところ見当たらず、楽しく読んでもらえていると思う。
こんな事は、Web小説を書き始めて初めてだ。
そりゃあ、異世界ファンタジーみたいな大人気ジャンルの作品と比べると、まだまだ低い評価になるかもしれない。
けれど、それでも、少なくない人達に読んでもらえているという事を実感出来るのは、やっぱりモチベーションが上がる。
白鳥も気に入ってくれているようだし、この調子で、クラスの数人くらいに読まれでもしたら上出来なんだけどな⋯⋯。
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