失われた賢人島の宝

碧猫 

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1話 賢人島

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『この島の誇りを持つのはお前さんだけだ。それを決して忘れてはならぬ』

 あたしの師匠の最後の言葉。最後って言ったら誤解が生まれるけど、最後にもらった言葉でまだ元気だからね。

 あたしはこの賢人島で産まれ育った。

 賢人島はその名の通りある事に賢き者が集まる島。……集まる島だった。

 その事を誇りに思い更なる知識を得るために努力を惜しまない。そんな人々が住んでいた。

 でも、あたしが産まれた時にはその誇りを忘れてしまっていた。

「アチェ、今日は遺跡の調査をしたまえ」
「遺跡?前に話していたところ?」
「覚えておったか。さすがアチェだ」

 そのくらい当然なんだけど。遺跡の調査は危険がつきものだからしっかり準備をしていかないといけない。

 あたしは魔法師で重装備は重くて身軽に動く事ができなくなるから、軽装備にしながらも防御力高めのものを選んでいる。

 上に着るローブは魔法を防いでくれる効果のある特殊素材でできている。

「マークル、収納袋用意しておいて」

 一日で終わる事が少ないから食料とかの準備もしておかないといけない。

 食料は事前に日持ちするように保存してあるものを作ってあるからそれを一食ずつ分けて溢れないように蓋をして持っていく。

 飲み物も大体一日分くらいに分けて入れておく。

 遺跡は水が滴る事や気温が低い事があるから、体温低下を防ぐようなものをいくつか用意しておく。

 あとは寝る時に必要なものと明かりも必要になってくるから用意しておかないと。

 あとのものは遺跡探索用グッズに入っているから準備はこれでおしまい。

「収納袋用意した」
「ありがとう。これを収納袋に入れたら行ける」

 収納袋に必要なものは全部入れたら準備完了。
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