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第23話 外堀が埋まっていく
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このままでは家族が丸め込まれそう。
このまま外堀を埋められて婚約してたまるものですか!
何よりかによりノアの父親であるヴィスコッティ家の当主から反対されているんですもの。
ノアの言葉をうのみにして、婚約したが最後。
一体どんな圧力がこんな僻地の公爵家にかけられるかわかったものではない。
それこそスクロールをマクミラン領の者には売らないだとか。
マクミランの周辺へのための移動スクロールを作らなくなったりしたら、どれほどの規模の影響がでるかわからない! そういうことをぶちまけようと私は口を開いたその時だ。
「ですが「そういえば、朝君の部屋に迎えに行けばよかったね」
私の言葉はノアによってさえぎられた。
『朝君の部屋に』とは、食堂に来る前に部屋によって声を掛ければよかったねということでは当然ない。
またベッドに半裸で入って既成事実のほうをつくってやろうかと言っているのだとすぐにわかって、私は生唾をごくりと飲み込んだ。
『余計なことを言えばどうなるかわかっている?』と私を脅したも同然。
ベッドで半裸になっているノアを屋敷の人間に見られたら最後。
それこそ取り返しがつかなくなる。
とりあえず、朝食では具体的に結婚に向けての話しが進まずホッとするいっぽうで、私はどうしたものかと頭が痛くなる。
朝食の間に、なんとかノアの父親が反対していることを伝えたかったものの、見事すべて圧を掛けられ……
お父様とお母様は、近くの領地に冬が来るまでに顔つなぎの目的でと出かけてしまった。
「ティア……さっき何を義父様と義母様に言おうとしたんだい?」
二人きりになると、ノアが冷たい声で問い詰めてきた。
「義父様、義母様!?」
ノアがすでに私の両親を父、母と呼んでいることに驚く。
「結婚するのだから、当然二人は私の父と母でもあるだろ」
ぱちくりと目を大きくあけて、当然のことなのに何を言っているんだ君はと言わんばかりのノアにこのままではヤバいと思った私はすぐに否定の言葉を投げかけた。
「まだ結婚はしておりません!」
「いずれするだろう? 私がすると決めたのだから」
何かおかしいことを言った? と言わんばかりに小首をかしげられるけれど、待て待てまて。
「あなたの父である公爵様とのことを何とかしなければ、結婚なんて到底無理でしょう、違う?」
私は思わず私よりもはるかに体格のいいノアを指さし詰め寄る。
そんな私の人差し指をそっとノアは掴むと。
「何よりかにより私の結婚を一番熱望しているのは私の父だよ。それこそ耳にタコができるとはこのことかくらい、何度も何度も何度も何度も言い聞かせてくれたからね」
とゾクリとするような笑顔を浮かべた。
笑顔だけれど、本当に腹の底からうっとおしい、腹立たしい気持ちが伝わってくる。
でもここで引くわけにはいかない。
指を掴むノアの手を乱暴に掃うとさらに私は詰め寄る。
「公爵様が望んでいるのは、あなたがこんな僻地に婿に行く結婚ではないと流石におわかりでしょう?」
「さぁ? そんなことより、結婚することに決めたのだから、そろそろ君の友人の一人くらいは紹介してほしいな。前回は一月も滞在したのに、一度も君の友人を紹介されることはなかったからね。あっ……もしかして友人」
私の訴えはたった2文字であっさりと流されるし。
もしかして友人がいないんじゃと憐れむ顔をされて私はつい、売り言葉に買い言葉を放ってしまったのだ。
「友人くらいは流石にいるわよ!」
「婚約が決まったら、友人にお披露目をするんだろ。そのくらい私も知っているよ」
「今の状況でお披露目をするつもりはございません!」
「ミランダにはさすがに一言言っておいたほうがいいんじゃないかい? 婚約していたことを秘密にずっとされていたと後から知ったら怒ってしまうんじゃないかな?」
もう~ティアってば、どうして私に報告しないの!
そういって頬を膨らませて怒る、親友の顔がちらついた。
けど待って。今ノア……ミランダっていった?
「ミランダ……?」
思わず疑問形で聞き返すと……
「君の友人だろう。赤毛の癖っ毛に、緑の大きなぱっちりとした瞳。兄弟が6人もいるのは、この辺りではよくあることなのかい?」
「まってまってまって」
次々とノアの口から流れるように出るばっちりミランダに当てはまることに思わず動揺する。
なんで私の親友を知っているの?
「なんで、私の親友のことを知っているの? って顔をしているけれど……」
「心を読まないでください」
どういうこと、なんでノアが知っているの?
ノアの滞在中は、ノアとミランダが鉢合わせることはなかったはず。
私の外堀……今どうなっているの?
このまま外堀を埋められて婚約してたまるものですか!
何よりかによりノアの父親であるヴィスコッティ家の当主から反対されているんですもの。
ノアの言葉をうのみにして、婚約したが最後。
一体どんな圧力がこんな僻地の公爵家にかけられるかわかったものではない。
それこそスクロールをマクミラン領の者には売らないだとか。
マクミランの周辺へのための移動スクロールを作らなくなったりしたら、どれほどの規模の影響がでるかわからない! そういうことをぶちまけようと私は口を開いたその時だ。
「ですが「そういえば、朝君の部屋に迎えに行けばよかったね」
私の言葉はノアによってさえぎられた。
『朝君の部屋に』とは、食堂に来る前に部屋によって声を掛ければよかったねということでは当然ない。
またベッドに半裸で入って既成事実のほうをつくってやろうかと言っているのだとすぐにわかって、私は生唾をごくりと飲み込んだ。
『余計なことを言えばどうなるかわかっている?』と私を脅したも同然。
ベッドで半裸になっているノアを屋敷の人間に見られたら最後。
それこそ取り返しがつかなくなる。
とりあえず、朝食では具体的に結婚に向けての話しが進まずホッとするいっぽうで、私はどうしたものかと頭が痛くなる。
朝食の間に、なんとかノアの父親が反対していることを伝えたかったものの、見事すべて圧を掛けられ……
お父様とお母様は、近くの領地に冬が来るまでに顔つなぎの目的でと出かけてしまった。
「ティア……さっき何を義父様と義母様に言おうとしたんだい?」
二人きりになると、ノアが冷たい声で問い詰めてきた。
「義父様、義母様!?」
ノアがすでに私の両親を父、母と呼んでいることに驚く。
「結婚するのだから、当然二人は私の父と母でもあるだろ」
ぱちくりと目を大きくあけて、当然のことなのに何を言っているんだ君はと言わんばかりのノアにこのままではヤバいと思った私はすぐに否定の言葉を投げかけた。
「まだ結婚はしておりません!」
「いずれするだろう? 私がすると決めたのだから」
何かおかしいことを言った? と言わんばかりに小首をかしげられるけれど、待て待てまて。
「あなたの父である公爵様とのことを何とかしなければ、結婚なんて到底無理でしょう、違う?」
私は思わず私よりもはるかに体格のいいノアを指さし詰め寄る。
そんな私の人差し指をそっとノアは掴むと。
「何よりかにより私の結婚を一番熱望しているのは私の父だよ。それこそ耳にタコができるとはこのことかくらい、何度も何度も何度も何度も言い聞かせてくれたからね」
とゾクリとするような笑顔を浮かべた。
笑顔だけれど、本当に腹の底からうっとおしい、腹立たしい気持ちが伝わってくる。
でもここで引くわけにはいかない。
指を掴むノアの手を乱暴に掃うとさらに私は詰め寄る。
「公爵様が望んでいるのは、あなたがこんな僻地に婿に行く結婚ではないと流石におわかりでしょう?」
「さぁ? そんなことより、結婚することに決めたのだから、そろそろ君の友人の一人くらいは紹介してほしいな。前回は一月も滞在したのに、一度も君の友人を紹介されることはなかったからね。あっ……もしかして友人」
私の訴えはたった2文字であっさりと流されるし。
もしかして友人がいないんじゃと憐れむ顔をされて私はつい、売り言葉に買い言葉を放ってしまったのだ。
「友人くらいは流石にいるわよ!」
「婚約が決まったら、友人にお披露目をするんだろ。そのくらい私も知っているよ」
「今の状況でお披露目をするつもりはございません!」
「ミランダにはさすがに一言言っておいたほうがいいんじゃないかい? 婚約していたことを秘密にずっとされていたと後から知ったら怒ってしまうんじゃないかな?」
もう~ティアってば、どうして私に報告しないの!
そういって頬を膨らませて怒る、親友の顔がちらついた。
けど待って。今ノア……ミランダっていった?
「ミランダ……?」
思わず疑問形で聞き返すと……
「君の友人だろう。赤毛の癖っ毛に、緑の大きなぱっちりとした瞳。兄弟が6人もいるのは、この辺りではよくあることなのかい?」
「まってまってまって」
次々とノアの口から流れるように出るばっちりミランダに当てはまることに思わず動揺する。
なんで私の親友を知っているの?
「なんで、私の親友のことを知っているの? って顔をしているけれど……」
「心を読まないでください」
どういうこと、なんでノアが知っているの?
ノアの滞在中は、ノアとミランダが鉢合わせることはなかったはず。
私の外堀……今どうなっているの?
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