夕日と白球

北条丈太郎

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白球を追う少年たち

野球部の次期キャプテン

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 放課後、夜空は太陽と一緒にグラウンドの隅に立ち、鬼塚と山城を待った。
「こんな感じでさ、お前が鬼塚の足元に投げて内野の連係プレーをやるんだ、頼む」
 しばらくすると鬼塚と山城が現れた。夜空は二人にグローブを渡し、自分から見て三角形を作るように立ってくれと頼んだ。太陽は夜空の側に立ち、いつでも投げられるように構えた。
「お前は大地太陽だっけ? 構えが素人っぽいけどピッチャーやるのか? どうもなあ」
 鬼塚は太陽を見て言い、腰を落として背の高い太陽を見上げる姿勢をとった。
「太陽、足元に思い切り投げろ。あいつの急所を狙うくらいでいい。思い切りだ」
 夜空は隣に立っている太陽にささやき、キャッチャーミットを構えて鬼塚を見た。
 太陽は表情を変えぬまま振りかぶり、右腕をしならせて速球を鬼塚の足元に投げた。
 するとボールは鬼塚の手前でワンバウンドし、鬼塚の顔面に向かって跳ねた。同時に鬼塚は一歩踏み出し、胸元でボールを受けてボールを地面に落とし、さらにそれを捕球した。
「ほいケーマ! そんでバックホーム! ランナー突っ込んでるぞ!」
 夜空が見とれている間に鬼塚は山城に送球し、続いて山城から夜空にボールが返ってきた。
「よし! タッチアウト! 3アウトチェンジ! だろ? 星野夜空くんよ、これでいいか?」
 鬼塚が体操着の汚れをはたきながら夜空に言ったとき、夜空は思わず言った。
「頼む! 鬼塚! 野球部に入ってくれ! お前のプレーをもっと見せてくれ!」
 そのとき、夜空たちに向かって学生服の男が走り寄ってきた。
「おうおう! お前ら一年か? この俺の許しもなく勝手に野球の練習しやがって!」
 現れた男は金属バットを振り上げ、汗をかきながら夜空に詰め寄った。
「俺は二年の丹下一平だ! 野球部の次期キャプテンよ!」
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