夕日と白球

北条丈太郎

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新たなる野球部

チームバッティングだ

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 そして試合前日の早朝。キャプテンのタンピンは夜空と太陽を含めた内野手たちを呼んで早朝練習を始めた。それは夜空のために行う練習であった。
「いいか夜空。お前のバッティングはイマイチだ。これからは相手が強くなる。お前には進塁打とバントを徹底的に練習してもらう。チームバッティングだ」
 そして練習は始まった。ノーアウト一塁の場面で夜空は一二塁間に強い打球を打つ練習を繰り返した。だが、セカンドのカズは難なくさばき、ゲッツーとなった。
「もっと強く打て夜空! おい! 引っ張るな! 右打ちだ! 進塁打だ!」
 夜空は言われたとおりに打つ練習を繰り返したが、どうしてもゲッツーになってしまった。
「……うーん。やっぱバントだな。送りバントだ夜空。球をよく見ろ。転がせ!」
 そして夜空のバント練習が始まった。状況に応じてファースト、サード方向にバントを決める練習を繰り返した。球の勢いをうまく殺し、フライにならぬようなバントを練習した。
「……うん。バントはまあまあだな。バント処理の練習にもなるからもう少しだ」
 それは夜空のバント練習でもあり、内野の守備練習でもあった。夜空のバント技術が向上すると内野のバント処理技術も向上した。静かな早朝のグラウンドで練習は淡々と続いた。
「……よし! 今日はいったん帰ろう。遅刻すんなよ。じゃあ部活の時間でな!」
 ……タンピンに言われた後も夜空と太陽は朝日が差し始めたグラウンドに残った。
「……夜空くんも本当は打ちたいでしょ? アベシンに憧れてるんだからさ。いいの?」
「いいんだ。アベシンは天才だ。俺は凡人としてバントの達人になってやる。投げてくれ」
 夜空と太陽は二人だけでバントの練習をした。
 ……結局二人は遅刻することになった。
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