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自由の天地を求めて
オーラの狙い
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……草原の一区画に連行されたハルマンは乱立するテントと人々の様子に目を見張った。
「これらはバオと言う。我々タルタス族の住処だ。ハルマンは初めて見るようだな」
白髪の娘オーラが言うと、ハルマンは目をきょろきょろさせながらもうなずいた。
「お前は客人だ。それも大事な客人だから上等なバオを与えよう。それに馬も与えよう」
「……馬? 人が乗って走る動物の馬か? 写真でしか見たことがない」
ハルマンがそう言ったとき、ハルマンの眼前に見事な鹿毛の馬が現れた。
「タルタスでは馬に乗れぬ男は男として認められない。ハルマンにも馬術を覚えてもらう」
そしてハルマンはタルタス族の女たちに誘導され、バオと呼ばれるテントに入った。
「勇者ハルマンさま、こちらの衣装にお着替えください。謁見用の正式な衣装です」
ハルマンはなすすべなく着替えさせられ、いわば民族衣装姿になった。
「……おおハルマン。立派な姿になって。これならば父マンガル大王も喜ぶだろう」
ずかずかとバオに入ってきたオーラはハルマンに抱き着き、ハルマンの髪を撫でた。
「……マンガル大王? 俺はタルタスの大王に会うのか? なぜ俺が?」
ハルマンは疑問を口にしたが、オーラはハルマンの腕をつかんでバオの外に連れ出した。
それはひときわ豪華であった。集落の中央に位置する華やかなバオは大王の住居であった。
「さあハルマン、入ってマンガル大王に忠誠を誓え。そうすれば私はお前のものだ」
オーラは言いながらハルマンの背中を槍先でつつき、バオに入るよう促した。
「早く入れ! 勇者ハルマンとやら。お前が戦士かどうか、ワシが見定めよう!」
ハルマンがバオに入ると、浅黒い肌の壮年男性が堂々と立って笑っていた。
彼こそがイデア草原の英雄と語り継がれたマンガル大王であった。
「これらはバオと言う。我々タルタス族の住処だ。ハルマンは初めて見るようだな」
白髪の娘オーラが言うと、ハルマンは目をきょろきょろさせながらもうなずいた。
「お前は客人だ。それも大事な客人だから上等なバオを与えよう。それに馬も与えよう」
「……馬? 人が乗って走る動物の馬か? 写真でしか見たことがない」
ハルマンがそう言ったとき、ハルマンの眼前に見事な鹿毛の馬が現れた。
「タルタスでは馬に乗れぬ男は男として認められない。ハルマンにも馬術を覚えてもらう」
そしてハルマンはタルタス族の女たちに誘導され、バオと呼ばれるテントに入った。
「勇者ハルマンさま、こちらの衣装にお着替えください。謁見用の正式な衣装です」
ハルマンはなすすべなく着替えさせられ、いわば民族衣装姿になった。
「……おおハルマン。立派な姿になって。これならば父マンガル大王も喜ぶだろう」
ずかずかとバオに入ってきたオーラはハルマンに抱き着き、ハルマンの髪を撫でた。
「……マンガル大王? 俺はタルタスの大王に会うのか? なぜ俺が?」
ハルマンは疑問を口にしたが、オーラはハルマンの腕をつかんでバオの外に連れ出した。
それはひときわ豪華であった。集落の中央に位置する華やかなバオは大王の住居であった。
「さあハルマン、入ってマンガル大王に忠誠を誓え。そうすれば私はお前のものだ」
オーラは言いながらハルマンの背中を槍先でつつき、バオに入るよう促した。
「早く入れ! 勇者ハルマンとやら。お前が戦士かどうか、ワシが見定めよう!」
ハルマンがバオに入ると、浅黒い肌の壮年男性が堂々と立って笑っていた。
彼こそがイデア草原の英雄と語り継がれたマンガル大王であった。
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