蒼き風の突騎兵

北条丈太郎

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自由の天地を求めて

オーラの婚約者

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 ……眠っていたハルマンは顔に当たる風に気付いて目を覚ました。
 そして、自分が誰かの柔らかな膝の上で眠っていたことにも気が付いた。
「……おおハルマン、起きたのか? お前は戦士なのに寝顔は可愛らしかったぞ」
 優しげな声をかけられたハルマンは目を細めてオーラ・サミアの美しく白い顔を見た。
「ハルマン、お前は父上には勝てなかったが父上はお前をほめていた。よくやったな」
 オーラはハルマンの小さな頭を抱きしめ、耳元にそっとささやいた。
「……お前を私の婚約者として兄上に紹介しよう。兄上もお前に興味があるだろう」
 やがて衣装を整えなおしたハルマンは着飾ったオーラと共に馬の放牧地へ行った。
「おう! お前がハルマンか。オーラからいろいろ聞いている。RBに乗れるそうだな」
 馬に乗ったままハルマンに話しかけたのはたくましく日焼けした白い歯の若者であった。
「ムバティン兄さん! ハルマンを鍛えてやって! 私の婚約者なのよ!」
「おうともよ! いずれ俺の弟分になるならば馬術に槍、弓を教え込んでやろう!」
 そう言ってムバティンが笑ったとき、若者たちがハルマンの馬を引いてきた。
「王子! ムバティン王子! こんな若造にはもったいない馬ですけどいいんですか?」
「その馬はオーラがハルマンに与えたのだ。きっと乗りこなすだろうよ」
 ムバティンは言うや否やハルマンの体を担ぎ上げ、強引に馬の背に乗せた。
「馬術は体で覚えろハルマン! 落馬したらまた乗せてやる! そいつは荒馬だぞ!」
「く、くそっ! そんな無茶な教え方があるか! この馬! 俺の言うことを聞けよ!」
 ハルマンを乗せられた馬は不機嫌そうにいななき、ハルマンを振り落とした。
 そして夕暮れまでハルマンは馬と取っ組み合い、やがて夜が訪れた。
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