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自由の天地を求めて
本物の騎兵戦とハルマン
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ハルマンはムバティン王子率いる騎兵部隊の左翼後方から敵陣を眺めた。トリル王が率いる騎兵部隊は草原の斜面からハルマンたちを見下ろせる有利な高地に布陣していた。
「ハルマンよ、わが友の戦士よ。お前たちRB隊はあくまでも決戦兵力だ。まずは騎兵同士の戦いを見守れ。敵もいずれはRB隊を繰り出すだろう。そのときにお前は動け。敵RB隊の後方に回り込んで敵を混乱させろ。そして敵RB隊を一掃してくれ。そうすればわが軍が勝つ。ただし注意しろ。敵騎兵はわが軍と同じくHスピアを装備している。Hスピアが直撃すればRBとてひとたまりもない。だからお前は騎兵戦には関わるな。混戦になるだろうが、お前は敵RBだけを狙え」
……ハルマンが敵陣を見ていると、待ちかねたように敵軍が斜面を駆け下り始めた。怒涛の勢いで一直線に駆けてくる敵騎兵は中央のムバティン隊を狙ってきた。ムバティン隊は蹴散らされたように見えたが、ムバティンはタイミングを計り、巧妙に自部隊を左右に展開させていた。
そこからは乱戦となり、互いに弓矢を撃ち合い、槍を投げ合って草原に血煙を上げた。なかでもHスピアの殺傷力はすさまじく、人馬を一撃で葬り合った。鮮血が飛び散る光景を目にしたハルマンは呆然とした。目の前で行われているのは本物の戦争であった。本当の殺し合いであった。
……やがて、ハルマンの耳にRBのかすかなエンジン音が届いた。我を忘れかけていたハルマンは愛車VTのエンジンを始動し、低速で走り出した。そして後ろに控えるオーラたちに指示し、RB十数機によるラインを形成させた。敵のRB隊は高速で迫っていた。ハルマンは一気に加速し、敵の右側面に出てから敵後方に回り込もうと試んだ。だが、そこで思わぬ気配に気付いた。
「赤いRB? ミラノB9? ターク? ピンクRB? ユキノか? そんなバカな!」
ハルマンが一瞬混乱したとき、敵RB隊も混乱した。敵RB隊は逃走し、ハルマンは追った。
砂煙の中に消えていくRB隊を追ったハルマンは、気付くと孤立していた。
「ハルマンよ、わが友の戦士よ。お前たちRB隊はあくまでも決戦兵力だ。まずは騎兵同士の戦いを見守れ。敵もいずれはRB隊を繰り出すだろう。そのときにお前は動け。敵RB隊の後方に回り込んで敵を混乱させろ。そして敵RB隊を一掃してくれ。そうすればわが軍が勝つ。ただし注意しろ。敵騎兵はわが軍と同じくHスピアを装備している。Hスピアが直撃すればRBとてひとたまりもない。だからお前は騎兵戦には関わるな。混戦になるだろうが、お前は敵RBだけを狙え」
……ハルマンが敵陣を見ていると、待ちかねたように敵軍が斜面を駆け下り始めた。怒涛の勢いで一直線に駆けてくる敵騎兵は中央のムバティン隊を狙ってきた。ムバティン隊は蹴散らされたように見えたが、ムバティンはタイミングを計り、巧妙に自部隊を左右に展開させていた。
そこからは乱戦となり、互いに弓矢を撃ち合い、槍を投げ合って草原に血煙を上げた。なかでもHスピアの殺傷力はすさまじく、人馬を一撃で葬り合った。鮮血が飛び散る光景を目にしたハルマンは呆然とした。目の前で行われているのは本物の戦争であった。本当の殺し合いであった。
……やがて、ハルマンの耳にRBのかすかなエンジン音が届いた。我を忘れかけていたハルマンは愛車VTのエンジンを始動し、低速で走り出した。そして後ろに控えるオーラたちに指示し、RB十数機によるラインを形成させた。敵のRB隊は高速で迫っていた。ハルマンは一気に加速し、敵の右側面に出てから敵後方に回り込もうと試んだ。だが、そこで思わぬ気配に気付いた。
「赤いRB? ミラノB9? ターク? ピンクRB? ユキノか? そんなバカな!」
ハルマンが一瞬混乱したとき、敵RB隊も混乱した。敵RB隊は逃走し、ハルマンは追った。
砂煙の中に消えていくRB隊を追ったハルマンは、気付くと孤立していた。
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