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第18章
この声が続く限り
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菜緒さんが腕の中からそっと見上げてきた。
「……わたしも、日辻さんが、好きです」
震える声で、でもしっかりとした言葉だった。
想いがこもった瞳が、こっちを見つめていた。
「羊さんが……日辻さんだったこと、全然知らなかったけど……それでも、あなたの声に、言葉に、何度も何度も救われてて……。でも、日辻さんとして出会っても、あなたは私を助けてくれて、笑顔にしてくれて。私は……もっと深く、ちゃんと、あなたのことを好きになりました」
真っ直ぐな言葉に、息が詰まった。
ゆっくりと顔を近づける。彼女も、そっと瞼を閉じる。
唇が触れ合った瞬間、すべての迷いが溶けていった。
静かで、けれど確かに熱を宿したキスだった。
そのままそっと唇を離すと、菜緒さんの目元にはまだ涙の名残があり、けれどその顔は穏やかで、優しく微笑んでいた。
今まで見たどんな女性よりも綺麗だ、と思った。
俺はそっと耳元に唇を寄せ、低く囁く。
「……菜緒さん」
その声に、彼女の肩はぴくりと跳ねた。呼吸が甘く震え、微かに声が漏れる。
彼女が“羊の声”を好きだと言ったことが、今になってこんなにも響いてくる。
——ああ、やっぱり。この声が好きなんだな。
「……そんなに俺の声、好きなの?」
冗談めかして囁くと、こくりと小さく頷いた。頬が火照り、瞳は潤んでかすかに光をまとって揺れている。
その表情はヤバいって……。
「だったらさ、これからも、君のために、俺の声……使わせてもらって、いい?」
耳に吐息が触れるたび、彼女の身体が小さく震える。目をギュッと瞑って、耐えるように俺のシャツを握り込んでいる。
俺は少し笑って続けた。
「知っての通り、俺の実況、目的のためなら使えるもんは何でも使うってスタイルだからね。……あなたをつなぎとめられるなら、この声が続く限り、いくらだって使う」
少し低く落とした声で、甘い言葉を重ねる。愛しさがこぼれるように、嘘偽りのない想いを、耳元に注ぎ込む。
「好きです……。ずっと、君が欲しかった。君に名前を呼んでほしかった。俺の声で、君の心を全部染めてしまいたい」
「その声……、ダメです…。ずるいです…。反則です……」
菜緒さんの瞳がゆっくりと、とろけるように細まり、理性の幕が一枚ずつ剥がれていくのがわかる。
やがて彼女が、そっと腕を伸ばして、俺の服の裾を掴んだ。
その瞬間——
張り詰めていた理性の糸が、確かに音を立てて切れた。
気がつけば、彼女をそっと押し倒していた。彼女ももう、何も言わず、すべてを委ねている。
互いの鼓動を感じながら、視線が絡まり合い、ただ静かに、二人で溶けていった。
すべての言葉が、いまは不要だった。
ただ一つ、確かなことがある。
それは、二人がようやく想いを重ね合えたということ——。
「……わたしも、日辻さんが、好きです」
震える声で、でもしっかりとした言葉だった。
想いがこもった瞳が、こっちを見つめていた。
「羊さんが……日辻さんだったこと、全然知らなかったけど……それでも、あなたの声に、言葉に、何度も何度も救われてて……。でも、日辻さんとして出会っても、あなたは私を助けてくれて、笑顔にしてくれて。私は……もっと深く、ちゃんと、あなたのことを好きになりました」
真っ直ぐな言葉に、息が詰まった。
ゆっくりと顔を近づける。彼女も、そっと瞼を閉じる。
唇が触れ合った瞬間、すべての迷いが溶けていった。
静かで、けれど確かに熱を宿したキスだった。
そのままそっと唇を離すと、菜緒さんの目元にはまだ涙の名残があり、けれどその顔は穏やかで、優しく微笑んでいた。
今まで見たどんな女性よりも綺麗だ、と思った。
俺はそっと耳元に唇を寄せ、低く囁く。
「……菜緒さん」
その声に、彼女の肩はぴくりと跳ねた。呼吸が甘く震え、微かに声が漏れる。
彼女が“羊の声”を好きだと言ったことが、今になってこんなにも響いてくる。
——ああ、やっぱり。この声が好きなんだな。
「……そんなに俺の声、好きなの?」
冗談めかして囁くと、こくりと小さく頷いた。頬が火照り、瞳は潤んでかすかに光をまとって揺れている。
その表情はヤバいって……。
「だったらさ、これからも、君のために、俺の声……使わせてもらって、いい?」
耳に吐息が触れるたび、彼女の身体が小さく震える。目をギュッと瞑って、耐えるように俺のシャツを握り込んでいる。
俺は少し笑って続けた。
「知っての通り、俺の実況、目的のためなら使えるもんは何でも使うってスタイルだからね。……あなたをつなぎとめられるなら、この声が続く限り、いくらだって使う」
少し低く落とした声で、甘い言葉を重ねる。愛しさがこぼれるように、嘘偽りのない想いを、耳元に注ぎ込む。
「好きです……。ずっと、君が欲しかった。君に名前を呼んでほしかった。俺の声で、君の心を全部染めてしまいたい」
「その声……、ダメです…。ずるいです…。反則です……」
菜緒さんの瞳がゆっくりと、とろけるように細まり、理性の幕が一枚ずつ剥がれていくのがわかる。
やがて彼女が、そっと腕を伸ばして、俺の服の裾を掴んだ。
その瞬間——
張り詰めていた理性の糸が、確かに音を立てて切れた。
気がつけば、彼女をそっと押し倒していた。彼女ももう、何も言わず、すべてを委ねている。
互いの鼓動を感じながら、視線が絡まり合い、ただ静かに、二人で溶けていった。
すべての言葉が、いまは不要だった。
ただ一つ、確かなことがある。
それは、二人がようやく想いを重ね合えたということ——。
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