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5章 決着
エピローグ
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「よくぞ戻った」
教会に入った邪神討伐隊の6人を、祭壇前に立つ聖職者が迎える。
「報奨金は用意した。ここに置いているから、各自受け取るように。ご苦労だった」
そう言い残し、奥へ去っていった。あっさりしたものだ。
報奨金は椅子の上に置いてあった。6つの布袋に大量の金貨が入っている。
「おお、なかなか壮観だね」
アレアが布袋の中を見て呟いた。布袋を覗き込んだ隊長は目を丸くし、ジャンやレイスは目を輝かせている。ノーシュやフィリーはこのくらいの額を得たことがあったため、平然としていた。
フィリーは布袋を閉め直して言う。
「ほらね。爵位を買うにはこの10倍は必要よ」
「爵位ってそんなに高いのか」
ジャンがそう驚いた時、
「……邪神討伐隊はこれで解散なのだな」
隊長が名残惜し気に言った。
「また会えると良いのだが」
「ジャンとノーシュは王都で商売するんだろう? なら、またそこに集まれば良いのさ」
アレアが事も無げに言ってのける。
そんな話をしながら教会を出た6人。誰も、その場から離れられずにいた。別れを切り出せずにいた。
何気なく空を見上げたノーシュは、瞠目する。
小さく見える、緑の光。それはだんだん大きく見えてくる。
緑の光を振りまきながら、妖精が降りてきたのだ。
「ご主人!」
妖精の声は、ノーシュがよく知るものだった。
「スーロ⁉ こんな人前で、良いのか⁉」
「大丈夫さ。だって、僕を操るような不届き者がいたら、ご主人がやっつけてくれるだろう?」
「え、何? 何事?」
戸惑いの声を上げるジャンと、目を丸くして固まっているフィリー。隊長とレイスは目を瞬かせている。アレアは皆を見回した後、
「ノーシュ、説明してよ」
と言った。
「あー……スーロは、ここ1年ほどオレと一緒にいた妖精で……」
「気のせいじゃなかったのね。剣の中にいたんでしょ」
フィリーが厳しい声音で口を挟んだ。スーロは「しまった」と呟く。
「ご主人。この人間、どうにかして」
フィリーから隠れるようにノーシュの後ろに回った。
ノーシュは嘆息する。
「なあ、フィリー。念のため確認するけど、まさか妖精を操れたりしないよな?」
「……魔力操作の訓練は受けているから、ひょっとしたら」
「頼むから操れないって言って」
懇願するようなノーシュの声。フィリーは苦笑した。
「絶対に妖精を操らないって約束してあげるわ。それなら良いでしょ?」
「もちろん。な、スーロ」
「……うん」
一連の会話を聞いていたアレアは、
「なるほどね。じゃ、あーしはそろそろ村に帰るよ」
と言って歩き出した。あっさりしたものである。また会えると確信しているかのようだ。
「では、俺も帰るとしよう。今度会う時は名乗りたいものだ」
隊長は、アレアとは逆方向に歩き出す。
フィリーは2人を見送りながら、
「私も行くわね。当てが外れないよう祈ってて」
と言って、王都の中心に向かって歩いて行った。
「……わ、わたしも」
レイスはフィリーについていく。その様子を見て、ノーシュとジャンは不思議そうな顔をした。
「レイスって……王都暮らしなのかな」
「そういや何も聞かなかったな……。それじゃ、おいらは一旦帰る。待っててくれよ」
「仕事が入らなければな」
2人は手を振って別れ、教会前にはノーシュとスーロだけが残った。
「さて、オレたちも帰るか」
「ご主人……僕、ご主人に」
「スーロ、戻って来てくれてありがとな」
ノーシュは、スーロの言葉を遮るように言った。
「けど、その状態じゃ目立ちすぎるだろ。妖精連れてるところなんて見られたら大騒ぎになる。どこか隠れられる場所無いか?」
「……剣が良いな」
スーロの言葉に応じ、ノーシュは剣を生み出す。それを腰に佩くと、緑の光がするりと中に入った。
『うん、やっぱりこれが落ち着くねぇ』
その声を微笑んで聞きながら、ノーシュは借家へ向かったのであった。
教会に入った邪神討伐隊の6人を、祭壇前に立つ聖職者が迎える。
「報奨金は用意した。ここに置いているから、各自受け取るように。ご苦労だった」
そう言い残し、奥へ去っていった。あっさりしたものだ。
報奨金は椅子の上に置いてあった。6つの布袋に大量の金貨が入っている。
「おお、なかなか壮観だね」
アレアが布袋の中を見て呟いた。布袋を覗き込んだ隊長は目を丸くし、ジャンやレイスは目を輝かせている。ノーシュやフィリーはこのくらいの額を得たことがあったため、平然としていた。
フィリーは布袋を閉め直して言う。
「ほらね。爵位を買うにはこの10倍は必要よ」
「爵位ってそんなに高いのか」
ジャンがそう驚いた時、
「……邪神討伐隊はこれで解散なのだな」
隊長が名残惜し気に言った。
「また会えると良いのだが」
「ジャンとノーシュは王都で商売するんだろう? なら、またそこに集まれば良いのさ」
アレアが事も無げに言ってのける。
そんな話をしながら教会を出た6人。誰も、その場から離れられずにいた。別れを切り出せずにいた。
何気なく空を見上げたノーシュは、瞠目する。
小さく見える、緑の光。それはだんだん大きく見えてくる。
緑の光を振りまきながら、妖精が降りてきたのだ。
「ご主人!」
妖精の声は、ノーシュがよく知るものだった。
「スーロ⁉ こんな人前で、良いのか⁉」
「大丈夫さ。だって、僕を操るような不届き者がいたら、ご主人がやっつけてくれるだろう?」
「え、何? 何事?」
戸惑いの声を上げるジャンと、目を丸くして固まっているフィリー。隊長とレイスは目を瞬かせている。アレアは皆を見回した後、
「ノーシュ、説明してよ」
と言った。
「あー……スーロは、ここ1年ほどオレと一緒にいた妖精で……」
「気のせいじゃなかったのね。剣の中にいたんでしょ」
フィリーが厳しい声音で口を挟んだ。スーロは「しまった」と呟く。
「ご主人。この人間、どうにかして」
フィリーから隠れるようにノーシュの後ろに回った。
ノーシュは嘆息する。
「なあ、フィリー。念のため確認するけど、まさか妖精を操れたりしないよな?」
「……魔力操作の訓練は受けているから、ひょっとしたら」
「頼むから操れないって言って」
懇願するようなノーシュの声。フィリーは苦笑した。
「絶対に妖精を操らないって約束してあげるわ。それなら良いでしょ?」
「もちろん。な、スーロ」
「……うん」
一連の会話を聞いていたアレアは、
「なるほどね。じゃ、あーしはそろそろ村に帰るよ」
と言って歩き出した。あっさりしたものである。また会えると確信しているかのようだ。
「では、俺も帰るとしよう。今度会う時は名乗りたいものだ」
隊長は、アレアとは逆方向に歩き出す。
フィリーは2人を見送りながら、
「私も行くわね。当てが外れないよう祈ってて」
と言って、王都の中心に向かって歩いて行った。
「……わ、わたしも」
レイスはフィリーについていく。その様子を見て、ノーシュとジャンは不思議そうな顔をした。
「レイスって……王都暮らしなのかな」
「そういや何も聞かなかったな……。それじゃ、おいらは一旦帰る。待っててくれよ」
「仕事が入らなければな」
2人は手を振って別れ、教会前にはノーシュとスーロだけが残った。
「さて、オレたちも帰るか」
「ご主人……僕、ご主人に」
「スーロ、戻って来てくれてありがとな」
ノーシュは、スーロの言葉を遮るように言った。
「けど、その状態じゃ目立ちすぎるだろ。妖精連れてるところなんて見られたら大騒ぎになる。どこか隠れられる場所無いか?」
「……剣が良いな」
スーロの言葉に応じ、ノーシュは剣を生み出す。それを腰に佩くと、緑の光がするりと中に入った。
『うん、やっぱりこれが落ち着くねぇ』
その声を微笑んで聞きながら、ノーシュは借家へ向かったのであった。
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