悪役令嬢として断罪され追放された私、辺境で拾ってくれた騎士団長に才能を見出され溺愛と寵愛の中で幸せに暮らしています―今さら戻ってこいもう遅い

さら

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第3話 手仕事の才能



 翌朝、陽が高く昇るよりも前に目が覚めた。館の中はまだ薄暗く、廊下には凍てついた空気が漂っている。吐く息が白い。けれど、胸の中は妙に軽かった。昨夜の会話が、暖炉の火のように心を温めていたからかもしれない。

 ミーナが扉を軽く叩いた。
「レティシアさん、もう起きていらしたんですね!」
「ええ。外が気になって」
「外は雪がやみましたよ。今日は村の孤児院へ、団長と一緒に行く予定です」
「孤児院……」
 胸が少しだけざわめく。まだ働けるほど回復していないと思っていたが、どうやらギルバートは違う判断をしたらしい。

 厚手のマントを借りて館を出ると、空は曇りがちでも柔らかな光を帯びていた。雪は膝ほどに積もっていて、あちこちに馬車の轍が刻まれている。息を吸うと、冷気が肺を刺すようだった。
 ギルバートが門のそばで待っていた。外套を翻し、私を見ると短くうなずいた。
「無理はしていないか」
「大丈夫です」
「ならいい。村の孤児院まで案内する。修道女が少し人手を欲しているらしい」
「……わかりました」

 二人で雪道を歩く。足音が、しんと静まり返った朝に吸い込まれる。遠くでは煙突の煙が立ちのぼり、小さな鐘の音がかすかに響いていた。
 村の通りを抜けると、木造の建物が見えてくる。白い壁と古びた屋根。入り口には子どもたちの靴が並び、笑い声が漏れていた。

「ここが孤児院です」
「賑やかですね」
「この辺境じゃ珍しいことだ。ほとんどの家は厳しい暮らしをしてる。……中へ」

 扉を開けると、温かな空気が頬を撫でた。部屋の隅には小さなストーブがあり、パンを焼く匂いが漂っている。数人の子どもたちが布を抱えて駆け回り、年配の修道女が慌ただしく指示を出していた。
「団長、ようこそ! ……あら、その方は?」
「倒れていたところを拾った。今は館で休ませている。少し手を貸せると言うから、連れてきた」
「まあ、それはありがたいわ。布の仕立てが山のようにあって、手が足りないの」

 修道女は、にこやかに私の手を取った。
「お名前は?」
「レティシアです。よろしくお願いします」
「レティシアさんね。では、この子たちの服をお願いできるかしら。どれも継ぎだらけで……見ての通り」

 広げられた子ども服は、あちこちが破れていた。布地は薄く、袖や裾はほどけている。私は思わず膝をつき、指先で糸のほつれをなぞった。
「針と糸をお借りできますか?」
「ええ、そこに」

 手を伸ばす。指が布を扱う感触を思い出していく。針の先を通し、静かに縫い始めた。
 一針一針、息を合わせるように糸を進めていくと、破れ目が少しずつ繋がっていく。隣で見ていた子どもたちが目を丸くした。
「すごい……! お姉ちゃん、はやい!」
「ほんとだ! もう穴がなくなった!」
「ふふ、慣れているだけよ」
 笑いながら答えると、子どもたちはぱっと顔を輝かせた。

 修道女も驚いたように私を見ていた。
「まあ……その手際。裁縫ができるなんて、助かるわ!」
「王都にいた頃、母に少し教わっていました」
「そうなの。あなたのような方がここに来てくださるなんて、本当に神の恵みね」

 ギルバートは部屋の隅に立ち、無言でこちらを見ていた。腕を組み、子どもたちが走り回る様子を見守る姿は、どこか父親のようだった。
 しばらく縫い続けるうちに、私は夢中になっていた。小さな袖を繕い、膝の穴を塞ぎ、裾にかわいい飾りをつける。手が覚えていた感覚が、まるで長い眠りから覚めたように蘇ってくる。

「ねえ、お姉ちゃん。これもお願い!」
「いいわ、順番ね。焦らないで」
「わーい!」

 笑い声が部屋いっぱいに広がる。修道女が小さく呟いた。
「こんなに子どもたちが笑うの、久しぶりかもしれないわ」

 ふと視線を感じて振り向くと、ギルバートが私を見つめていた。表情は相変わらず無骨なのに、その瞳の奥にはやわらかい光が宿っている。
「……何か?」
「いや。似合うと思ってな」
「何が、ですか?」
「この場所が」

 胸が、ひときわ強く脈打った。
 あの断罪の夜、全てを失ったと思っていた。けれど、こんなふうに自分を必要としてくれる人たちがいる場所があるなんて――。

 私は針を止め、深く息を吸った。
「ギルバート。……この孤児院の仕事、続けさせてください」
「そう言うと思った」
「いいのですか?」
「ああ。お前の顔を見ればわかる。お前は、ここが合っている」

 その言葉が、まるで祝福のように響いた。胸の奥が、やさしく満たされていく。

 そのとき、外から子どもたちの歓声が上がった。窓の外では、太陽が雲の隙間から差し込み、雪面が黄金色に輝いている。
「見て! 空が光ってる!」
「お日さまだ!」
「……きれいね」

 私は小さく微笑んだ。指先の糸が光を受けて輝く。
 ――私にも、まだ縫える未来があるのかもしれない。

 その瞬間、胸の奥で、確かな温もりが息づいた。



 日が傾き始める頃、孤児院の屋根の上で雪が淡く溶けていた。室内は焼きたてのパンとミルクの香りに満ち、子どもたちは私が縫い上げた服を取り合うようにして着替えていた。
「お姉ちゃん、これあったかい!」
「袖がぴったり! すごい!」
 はしゃぐ声が響くたび、胸の奥がくすぐったくなる。小さな笑顔は何よりの報酬だ。

 修道女が湯気の立つティーポットを運んできた。
「今日は本当に助かったわ。あなたがいなければ、夜になっても終わらなかったでしょう」
「お役に立てたなら嬉しいです。皆さんがこんなに喜んでくださるなんて」
「あなたの手は神様がくれた贈り物ね。レティシアさん、この村に来てくれてありがとう」
 その言葉に、喉の奥が熱くなった。ありがとう――王都ではもう二度と聞けないと思っていた言葉だ。

 ふと窓の外に目を向けると、ギルバートが外の雪道を歩いていた。巡回の途中らしく、外套の裾が風に揺れている。
「団長さんはいつもあんなふうに?」
「ええ。毎日、村の端まで歩いて確かめるんですよ。嵐の夜もね」
 修道女が微笑む。
「彼はこの村を守ってくれている。口数は少ないけれど、子どもたちにも人気なんです」
「人気……ふふ、わかります」
 思わず笑ってしまう。子どもたちの中にも、ギルバートの真似をして木の棒を剣のように振る子がいた。

「レティシアさんも、よかったら毎日来てくれない? 子どもたちがきっと喜ぶわ」
「……ええ、もちろん」
 その返事をした瞬間、胸の奥に小さな決意が灯った。ここでなら、もう一度、自分の足で立てるかもしれない。

 片付けを終えると外は薄暮。雪がやみ、空には淡い茜色が広がっていた。帰り支度をしていると、ギルバートが扉の外に立っていた。
「終わったか」
「はい。皆、元気でした」
「そうか」
 彼は短く言い、歩き出す。私はその背を追うように並んだ。

 雪道を歩く二人の足跡が、白い地面に並ぶ。風が静まり、辺境の空は凍てつくほど美しい。
「……子どもたちが、お前のことを気に入ったようだ」
「そうみたいですね。私も、あの子たちが大好きです」
「お前が笑うと、周りが少し明るくなる」
「え?」
「悪い。独り言だ」
 言葉を濁して歩く彼の横顔を、私はちらりと見た。頬の古傷が夕日に照らされ、穏やかに光る。

「ギルバート」
「なんだ」
「あなたは……どうして、そんなに優しいのですか?」
 彼は足を止め、少しだけ息を吐いた。
「優しいかどうかは知らん。ただ、失いたくないだけだ」
「失いたくない?」
「昔、守れなかったものがある。……だから、今度こそ守りたい」
 それ以上、彼は何も言わなかった。けれどその背中は語っていた。あの人は、誰かを失って、それでも立ち上がったのだと。

 私は言葉を飲み込んだまま、ただ並んで歩いた。
 やがて館の門が見えてきた。灯りがともり、暖炉の光が窓越しに揺れている。
「今日はもう休め。体が慣れないだろう」
「……ありがとうございます。あの、これを」
 私はポケットから取り出した。昼のうちに縫っておいた小さな布袋。古い端切れを繋ぎ合わせた即席のものだが、薬草を入れるのにちょうどいい。
「これは?」
「孤児院で余っていた布で作りました。外に出るとき、持ち歩けるように」
「……俺に?」
「はい。お礼です」
 ギルバートは一瞬言葉を失い、それから小さく笑った。
「女から贈り物なんて、久しぶりだ」
「ふふ。では大事にしてくださいね」
「壊れたら直せるか?」
「もちろん」
「なら、安心だな」

 門の前で、雪がまたちらつき始めた。冷たい空気の中で、ギルバートの声が低く響く。
「お前、やっぱりここに残れ。もう王都には戻るな」
「え?」
「戻る理由がないだろう。……この村にはお前の居場所がある」
 その言葉に、胸の奥が震えた。
「……はい」
 それしか言えなかった。けれど、それで十分だった。

 館の扉が開き、暖かい空気が流れ込む。
「ミーナが待ってる。風邪を引くな」
「ギルバートこそ」
「俺は平気だ」
 短い言葉を交わして、彼は再び外套の襟を立て、雪の中へ戻っていった。

 扉を閉めると、静かな夜が降りてきた。
 暖炉の火がぱちぱちと燃え、窓の外で雪が舞う。
 私はそっと胸に手を当てた。
 ――ここが、私の新しい居場所。
 そう思えた瞬間、長い夢の終わりのように、涙が一筋、頬を伝った。




 夜が更けても、辺境の空はどこまでも静かだった。窓の外には薄く光る雪の景色が広がり、館の中だけがぽつりと温かな灯に包まれていた。私は寝台に座り、ギルバートから受け取った布袋を手の中で撫でていた。縫い目が指先に当たるたび、今日の出来事が蘇る。――子どもたちの笑顔、修道女の言葉、そして、彼のまっすぐな瞳。

 王都で過ごした日々は、いつも人の目ばかりを気にしていた。ドレスの裾を少し踏んだだけで、周囲がざわめき、言葉の裏を読むのに疲れていた。けれど今は、誰も私を飾られた人形とは見ない。縫い針を持つ手を笑う人もいない。
「……こんな穏やかな夜が来るなんて」
 つぶやく声が自分でも驚くほどやわらかかった。

 毛布に身を包むと、木の床がわずかに軋む音がした。誰かが廊下を歩いている。ギルバートの足音だとすぐにわかる。扉の向こうで立ち止まり、軽く叩く音が響いた。
「起きているか?」
「ええ。どうぞ」
 扉が開くと、冷たい外気が入り込み、彼の外套についた雪がわずかに落ちた。
「眠れないのか?」
「少しだけ……。明日のことを考えていました」
「明日?」
「孤児院にまた行こうと思って。糸もまだ残っていますから」
 彼は頷き、部屋の中に足を踏み入れた。
「構わない。お前の好きにすればいい」
「ありがとうございます」
「ただし、無理はするな。あの子たちは元気すぎる」
「ふふ、ええ……手を焼きました」
 笑い合う声が、暖炉の火に溶けていく。

 ギルバートが窓辺に立ち、外の雪を見つめた。
「久しぶりに、静かな冬だ」
「いつもは違うのですか?」
「毎年、雪崩や盗賊騒ぎが絶えない。今年は妙に穏やかでな。……お前が来てから、吹雪も少なくなった気がする」
「それは、きっと偶然ですわ」
「かもしれんが、悪くない偶然だ」
 彼の横顔を見つめながら、私はふと聞いた。
「ギルバート。あなたは、なぜそんなに人を守るのですか?」
 質問の意図を探すように、彼はしばらく黙っていた。そして、低く答える。
「守ることしか知らんからだ。……昔、戦で仲間を失った。救えなかった命を数えるうちに、気づいた。俺は剣しか持たない。ならせめて、この剣を誰かのために使おうと思った」
「だから、辺境に?」
「ああ。ここは誰も見向きもしない土地だ。だが、だからこそ守る意味がある」

 その言葉に胸が締めつけられた。
 彼の声には後悔が滲んでいるのに、同時に不思議な優しさがある。過去に縛られながらも、それを力に変えている人――。
「……あなたは、本当に強い方ですね」
「俺が?」
「ええ。私には、とても真似できません」
「いや、お前も同じだ」
「私が?」
「追放されて、死ぬはずだった女が、次の日には子どもたちの服を縫って笑っていた。……十分強い」
 不意を突かれて、胸が熱くなった。

 彼がこちらを振り向く。その灰色の瞳が、暖炉の炎を映して静かに揺れている。
「レティシア」
「はい」
「この地に来たのは偶然だが、俺は……それを感謝している」
「……どうしてですか?」
「理由は、もう少ししてから言う」
 そう言って、彼は少し照れたように目を逸らした。

 沈黙が流れ、火のはぜる音だけが響いた。
 私は微笑んで言う。
「それなら、楽しみにしておきます」
「悪いが、期待はするな」
「ふふ。もう遅いですわ」
 そんな軽いやり取りが、まるで昔からの友人のようで、心が安らいだ。

 やがて彼は扉へ向かう。
「今夜は冷える。火が弱まったら薪を足せ」
「わかりました」
「……おやすみ」
「おやすみなさい、ギルバート」

 扉が閉まると、部屋に静寂が戻った。
 私は再び布袋を胸に抱きしめる。――この地に来て、ようやく誰かと真っ直ぐに向き合えた気がする。
 吹雪の夜に拾われた命。けれど、あの手が差し伸べられた瞬間から、少しずつ世界の色が変わり始めていた。

 外では雪が静かに降り続き、夜明け前の白光がゆっくりと地平を照らしていく。
 私は目を閉じ、心の奥で小さく祈った。
 ――どうか、明日もこの穏やかな朝が訪れますように。

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