パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第22話 戦いのあと、次なる策を

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 夜明けの光が谷を照らした。焦げた柵、折れた矢、血に染まった地面。戦場の残滓があちこちに残り、村人も仲間も疲れ果てていた。

 俺は剣を地面に突き立て、深く息を吐いた。
「……よく持ちこたえたな」

 広場ではリナが必死に鍋をかき混ぜ、温かいスープを配っている。
「はい! 飲んで! これで体力が戻るから!」

 エレナは裂けた服を縫い、負傷者に包帯を巻いていた。
「大丈夫です、血はもう止まりますから……」

 ミーナは薬草を刻み、傷薬を塗り、村人の呻き声を和らげていた。セリウスは瓶を取り出して次々と消毒液を配る。

 グレンは腕に傷を負っていたが、大剣を地面に突き立てたまま豪快に笑った。
「へへっ、やっぱり酒より戦いのほうが効くな!」
「血が出てるのに何言ってんのよ!」リナが慌てて怒鳴る。

 フィオは焚き火の前に座り込み、杖を抱きしめていた。
「わ、私……暴発しなかった……みんなを守れた……」
「おう。お前の火がなきゃ、敵は突破してただろうな」俺は頭を軽く叩いた。



 谷の復旧は全員総出で行われた。折れた柵をガンツが直し、セリウスが補強材を塗り、村人たちが丸太を並べる。ロディは歌で皆の疲労を癒し、子どもたちに笑顔を取り戻させた。

「立ち直りが早い……これが追放者ギルドか」村長ノームが感心していた。

 俺は頷きつつも、胸の奥に重いものを感じていた。
「だが……これはまだ始まりにすぎない」



 夜。再建途中のギルドハウスに仲間たちを集め、俺は地図を広げた。

「今回の敵は前哨戦に過ぎない。王都が本気を出せば、この谷だけでは守り切れない。だから――次の段取りを考える必要がある」

「段取り?」リナが首をかしげる。

「まずは補給路を確保する。村だけじゃ資源が足りない。行商人と正式に契約し、谷に物資を流す仕組みを作る」

「いいですね。薬や保存食を輸出すれば、商人も協力してくれるでしょう」セリウスが眼鏡を押し上げる。

「次に……仲間を増やす。追放された者はまだ大勢いるはずだ。迎え入れ、戦える力を増やす」

「うん! 友達増えるの、私も賛成!」フィオが手を上げる。

「そして最後に――村人全員を戦えるように鍛える。子どもや老人でも出来る簡単な方法を考えるんだ」

 皆が頷き、グレンが大笑いした。
「いいな! 追放者ギルド軍団ってやつか!」
「軍団は言い過ぎ!」リナが笑ってツッコむ。



 その夜、俺は一人で外に立ち、谷を見下ろした。焚き火の光が点々と揺れ、仲間たちの笑い声が遠くに響いている。

「……必ず守る。俺たちが築いた居場所を」

 だが同時に、胸に小さなざわめきが残っていた。
 ――王都は、まだ本気を出していない。

 追放者ギルドの戦いは、これからさらに大きな波へと呑まれていく。
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