パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第24話 王都の使者

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 谷に風が強く吹いたその日、村の入口に黒い馬車が現れた。黒光りする車体、金の紋章、豪奢な装飾。王都からの正式な使者だ。

「……来たな」俺は仲間たちに目で合図した。

 扉が開き、赤いマントを羽織った男が姿を現す。冷ややかな瞳に整った口ひげ。背後には甲冑姿の兵士たちが五名控えていた。

「余の名はバルド・エルデン。王都直属の使者である」

 広場に緊張が走る。村人たちは口を噤み、仲間たちは構えた。



「追放者ギルドとやら」バルドは冷笑を浮かべて言った。
「近頃お前たちが辺境で目立ちすぎている。村を救い、商人と契約し、噂は王都にまで届いた。だが……それは王の権威を脅かす行為だ」

 俺は一歩前に出た。
「俺たちはただ、人々の生活を守っているだけだ」

「生活を守る? 笑止千万! 王の物語を邪魔しているに過ぎぬ」

 グレンが怒鳴った。
「ふざけるな! 俺たちは命を守ったんだ!」

 フィオも杖を震わせながら叫ぶ。
「暴発したって……みんなを助けたい気持ちは本物です!」

 セリウスは冷静に眼鏡を押し上げた。
「物語より人命が優先されるべきです」

 リナとエレナも声を揃えた。
「ここでの暮らしは私たちにとってかけがえのないものです!」
「追放者でも……生きる権利があります!」



 バルドは鼻で笑い、冷ややかな声を放った。
「王都に逆らうというのか。ならば選べ。――解散して王都に従うか。さもなくば“反逆者”として討伐されるか」

 その言葉に村人たちがざわめく。怯えの色が広がる。

 俺は剣の柄に手を置き、静かに答えた。
「俺たちは追放された。もう帰る場所はない。だからここで生きる。……王都に従う気はない」

 広場に緊張が走った。兵士たちが剣に手をかけ、仲間たちも構える。



 その瞬間、ロディが竪琴を鳴らした。静かな音色が広場に響く。
「落ち着け。血を流すのは今じゃない」

 バルドは薄く笑い、手を振って兵士を下がらせた。
「なるほど……ならば次に会う時がお前たちの最期だろう」

 男は馬車に乗り込み、谷を去っていった。



 沈黙が落ちた広場で、俺は仲間たちに言った。

「……いよいよ本格的に敵視されたな」

 グレンが拳を握りしめた。
「上等だ! 何度でも跳ね返してやる!」

 セリウスは真顔で告げた。
「今のままでは持たないでしょう。さらなる備えが必要です」

 リナが震える声で言った。
「でも、私たち……逃げないですよね?」

 俺は頷いた。
「逃げない。ここは俺たちの居場所だ。王都が何と言おうと、追放者ギルドは存続する」

 旗が夜風に揺れ、炎に照らされて光った。

 ――王都との対立は、もう避けられない。
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