パーティーから追放され、ギルドから追放され、国からも追放された俺は、追放者ギルドをつくってスローライフを送ることにしました。

さら

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第55話 総力戦

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 夜明けと同時に、大地が鳴動した。
 見張り台から見下ろした斥候が絶叫する。

「来たぞぉぉ! 王都軍十万だぁ!」

 地平線の彼方まで埋め尽くす槍と旗。金色の甲冑が朝日に輝き、進軍の太鼓が大地を揺らす。
 その中心には、白馬にまたがった王の姿。王自らが聖旗を掲げ、十万の兵を率いていた。



「すげぇ数だ……」グレンが呟き、大剣を握り直す。
「見ただけで膝が震える……」リナが鍋を抱えながらも立ち上がる。
「でも、もう逃げない。ここが私たちの国だから!」

 旗の下で、仲間たちが武器を構えた。

「段取りを間違えるな!」俺は声を張り上げる。
「罠、煙幕、炎、歌――全部合わせて抗うんだ!」



 最初の波は騎兵だった。
 数千の馬が突進し、地を揺らす轟音と共に迫る。

「フィオ!」
「――フレイムウォール!」

 炎の壁が立ち上がり、先頭の騎兵が次々と倒れる。
「まだ終わらない!」彼女は杖を振り続け、炎で馬を散らした。



 続いて押し寄せる歩兵の群れ。
「槍を構えろ!」グレンとガンツが叫び、村人たちが一斉に突き出す。
「うおおお!」
 押し合い、斬り合い、地面が血に染まった。



 後方からは魔導士団が一斉に詠唱を始める。雷撃と氷矢が空を覆い、追放者たちの陣を焼き尽くそうとした。

「セリウス!」
「こちらも準備済みです!」

 彼が投げた瓶が弾け、濃厚な煙幕が広がる。
 魔導士団の視界を奪い、詠唱が乱れる。

「今だ!」ロディとマリアが歌声を響かせ、仲間たちが突撃した。



 だが敵の数は尽きない。次から次へと兵が押し寄せ、罠も柵も次々に破壊されていく。

「くそっ……多すぎる!」ガンツが鉄槌を振るいながら叫ぶ。
「まだ退くな!」俺は剣を振り抜き、血に濡れながら叫んだ。
「ここで退けば終わりだ!」



 王の軍旗が翻り、聖騎士団が前進を始めた。
 銀の鎧を纏い、聖光に守られた最精鋭の部隊。

「反逆者を滅ぼせ!」

 突撃の光が迫り、追放者たちの陣形が押し込まれる。
 リナが叫ぶ。
「カイルさん!」

「退くな! 守り抜け!」



 旗が風に揺れ、仲間たちが必死に立ち上がった。

「俺たちは追放者だ!」
「でもここに居場所がある!」
「この国を守る!」

 その声が戦場を震わせる。



 だが十万の軍勢は止まらない。
 戦場は血と炎に染まり、地は震え、空は叫びに満ちていた。

 ――最終決戦、総力戦の幕が切って落とされた。
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