婚約者を妹に寝取られ王都を追放された私絶望の果てで出会った無口な王弟殿下に「俺だけの妻に」と誓われ一途で過保護な寵愛に包まれながら第二の人生

さくら

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第3話 無口な青年



 夜の明けきらぬ薄闇のなかで、私は小さく身を起こした。小屋の木壁をすり抜けるように、早朝の冷たい風が忍び込み、頬を撫でていく。火の落ちた暖炉の灰の中で、まだ微かに赤い灯がくすぶっていた。外からは鳥のさえずりと、どこかで水の流れる音。深呼吸をすると、湿った森の匂いが肺に満ちた。甘い樹液と朝露の混ざりあった香りが、眠気をすこしずつ洗い流していく。

 ルシアンはもう起きていた。扉の外で何かを切る音がする。包丁が木の板を叩く乾いた音と、鍋の湯気が立つ気配。私は毛布を整え、髪を指で軽く梳いた。寝癖が残ったままでも、鏡のない生活には不思議と抵抗がなかった。王都では、どんなときも侍女が櫛を通してくれた。ここでは、風がそれをしてくれる。

 扉を開けると、朝の光が一気に差し込んできた。眩しさに思わず目を細めると、木々の間から朝霧が白く流れ、世界がぼやけて見えた。霧の向こうに、焚き火の小さな煙が立ち上っている。ルシアンが膝をついて鍋をかき混ぜていた。薪の爆ぜる音、香ばしい匂い。彼は私に気づくと、短く顎を動かした。

「起きたか」

「おはようございます」

「食べられるか?」

 返事をするより先に、木の椀が差し出される。中には野草のスープが入っていた。刻んだ根菜や葉が浮かび、淡い緑の湯気が立っている。香りは優しく、口に運ぶとほんの少し苦い。けれど、その苦味が体の芯に染みるように温かかった。

「……美味しいです」

 素直にそう言うと、ルシアンは火をかき回してから、小さく肩をすくめた。

「味付けは塩しかない。贅沢ではない」

「塩だけでこれだけの味になるのは、あなたの腕がいいからです」

 言うと、彼は少しだけ驚いたように眉を動かし、すぐに目をそらした。火の粉がぱちりと跳ね、沈黙がそのまま間を埋める。私は器を抱えながら、その沈黙が心地よいことに気づいた。言葉を重ねる必要がない静けさ。誰かと食卓を囲むのが、こんなにも穏やかなことだったとは。

 食べ終えると、ルシアンは立ち上がり、背の高い木の方を指した。

「今日は森を案内する。歩けるか?」

「はい、もう大丈夫です」

 彼の後について小屋を出ると、朝露に濡れた草が足元で光っていた。森はまだ眠りの名残を残しており、葉の一枚一枚から滴る水滴が静かな音を立てている。遠くの空では雲が薄く切れ、淡い金の線が広がっていた。

 ルシアンの背中は大きく、歩幅も速い。だが彼は時折振り返り、私がついて来ているかを確かめてくれる。そのたびに私は小さく頷き、少しだけ早足になる。

「この森には、獣が多い。けれど襲ってくることはほとんどない。人間のほうが、よほど危うい」

「人間のほうが、ですか?」

「ああ。森を焼くのも、毒を流すのも、人だ」

 その言葉に、私は何も返せなかった。かつて王都で開発と称して、森を削り、川を汚していた光景を思い出す。豊かさのために犠牲にしたものを、誰も数えようとしなかった。今、その結果がここにあるのかもしれない。

 ルシアンは無言で進み、やがて一つの大樹の前で立ち止まった。幹は三人がかりでも抱えきれないほど太く、根が地面をうねっている。苔がびっしりと張りつき、太陽を受けて青く光っていた。

「この木は“眠る王”と呼ばれている」

「眠る……王?」

「古い言い伝えだ。森を守る精霊が、この木の中で眠っているらしい」

 彼の口調は淡々としているのに、どこか敬意のようなものが感じられた。私は掌をそっと幹に当ててみる。冷たく、ざらりとした感触。しかしその奥で、確かに何かが脈打っているような気がした。

「本当に……生きているみたい」

「木も生きている。声は出さないが、息をしている」

 彼の言葉に、思わず微笑んだ。王都で誰かがそんなことを言えば、笑われるだろう。けれど今は、彼の言葉が真実のように感じられる。

「あなたは、この森のことをよくご存じなのですね」

「昔からいるからな」

「昔から……」

 その言葉の奥に、何か重たい影を感じた。だが彼はそれ以上を語らず、ただ森の奥を見つめていた。

 鳥が羽ばたき、風が吹き抜ける。私は小さく息を吸った。こんな空気を吸うのは、いつ以来だろう。空気の味が違う。王都の香水や鉄の匂いではなく、純粋な命の匂い。胸の奥がじんわりと温かくなる。

「あなたは……どうしてこの場所に一人で?」

 気づけば問いがこぼれていた。ルシアンは一瞬だけ目を伏せ、そして答えた。

「静けさが好きだから。それだけだ」

 その言葉の端に、ほんのわずかな寂しさが混じっていた。私はそれを聞き取ってしまい、何か言い返そうとしたが、言葉が見つからなかった。ただ、彼の背中を見つめることしかできなかった。

 やがて森の中に小さな泉が現れた。透き通った水面に空が映り、鳥が一羽、水を飲んで飛び立っていく。ルシアンはしゃがみ込み、手で水をすくった。

「冷たい。ここで顔を洗うといい」

 私は頷き、彼に倣って水に手を入れる。ひやりとした感触が頬を刺すように心地よい。流れ落ちる雫が地面に落ち、音を立てて消える。鏡のような水面に映った自分の顔は、かつての貴族令嬢ではなかった。目の奥に、少しだけ生気が戻っている。

「……まるで別の世界みたいですね」

「そうだろう」

 ルシアンの声が、風に溶けるように静かに響いた。
 私はその声を聞きながら、水面に指先を滑らせた。冷たさが心に染み、胸の奥で何かが少しずつほどけていくのを感じる。




 泉の縁に腰を下ろし、私は両手を膝に置いた。水面は鏡のように澄み、空と木々の葉をくっきりと映している。風が吹くたび、その映り込みが波紋となって揺れ、私の頬に当たる光も柔らかく揺れた。耳を澄ませば、森の音がこんなにも豊かだと気づく。遠くで啼く鳥の声、木の幹を伝う雫の音、そして自分の呼吸。王都にいた頃は、音が多すぎて静けさがなかった。だがこの森では、すべての音が一つの旋律のように重なっている。

 ルシアンは泉の向こう側に立ち、折れた枝を拾い上げていた。彼の仕草は無駄がなく、音を立てない。まるで森そのものの一部のようだ。私は彼の背中を見つめながら、胸の奥に浮かぶ疑問を飲み込めずにいた。

「……どうして、私を助けてくださったのですか?」

 思わず漏れた言葉に、ルシアンの手が止まった。彼はしばらく沈黙し、拾った枝をそっと地面に置く。

「放っておけなかった。それだけだ」

「それだけ、ですか?」

「ああ。理由がなければ、助けてはいけないのか」

 短く返され、私は言葉を詰まらせた。彼の声音は冷たいわけではなかった。むしろ穏やかで、揺らぎがない。その中に、長い時間を孤独に過ごした人間の静けさがあった。

「……いえ。ただ、私のような見知らぬ人を拾って、面倒を見てくださるなんて」

「お前のような、とは?」

 その問いに、私は自分の胸元を見下ろした。泥に汚れた服、ほつれた袖。王都では一度も見せたことのない姿だ。かつて“公爵令嬢”と呼ばれた肩書きは、今は何の意味も持たない。

「何も持たず、居場所もない人間……でしょうか」

 自嘲するように笑うと、ルシアンはゆっくりとこちらに歩み寄った。彼の足音は、落ち葉を踏むたびに柔らかく鳴る。その音が妙に近く聞こえ、心臓が速く打ち始めた。

「居場所がないなら、作ればいい」

 低く静かな声。彼の影が私にかかり、顔を上げると、その瞳がまっすぐに私を映していた。

「誰かに与えられるものじゃない。自分で見つけるものだ」

 その言葉は、胸の奥に小さな火を灯した。私は目を瞬かせ、彼の表情を見た。灰色の瞳には、冷たさよりも優しさが宿っていた。

「……あなたは、不思議な方ですね」

「そうか?」

「ええ。最初は怖い人かと思っていました」

「実際、怖いかもしれん」

 思わず笑ってしまう。彼の口調は真面目なのに、言葉の端に微かに冗談の匂いがした。笑う私を見て、ルシアンがほんのわずかに口元を緩める。その表情は淡く、それでも確かに温かいものだった。

「笑うと、少しはましだな」

「まし……?」

「死人のような顔をしていた」

 その率直さに、頬が熱くなる。けれど、不快ではなかった。むしろ、真実を言われた気がした。私は目を伏せて、小さく息を吐く。

「王都では、笑うことを忘れていました」

「忘れたものは、思い出せばいい」

 彼は泉のそばに腰を下ろし、掌で水を掬う。その水が太陽にきらめいて落ち、細い滴が私の手の甲にかかる。ひんやりと冷たい感触。私は手を広げ、その水を眺めた。

「あなたは、いつもそうしてここで過ごしているのですか?」

「そうだ。森は静かだし、必要なものはすべてここにある」

 彼の声は、どこか遠い記憶を語るように穏やかだった。私はその横顔を見つめる。彼の表情は硬く、何を思っているのか分からない。けれど、孤独を選んだ者だけが持つ穏やかな覚悟がそこにあった。

 風が吹き抜け、木々がざわめく。落ち葉が舞い上がり、太陽の光が斑に降り注ぐ。私の髪が風に揺れ、ルシアンの指先がわずかにそれに触れた。思わず息を止める。

「……すまない」

 彼はすぐに手を引っ込めた。だが、その短い一瞬が、心臓の鼓動を高鳴らせた。沈黙が落ち、風の音だけがふたりの間を流れる。私は顔を逸らし、耳まで熱くなっているのを感じた。

 どれくらいそうしていただろう。やがて、ルシアンが立ち上がる。

「戻るぞ。日が落ちる前に小屋へ」

「……はい」

 私は立ち上がり、スカートの裾を軽く払う。森の中を歩きながら、ルシアンの背中を追う。その歩幅は相変わらず速いが、私の歩みに合わせて少しだけ緩やかになっていた。

 枝葉の間から夕日が覗く。光が橙から紅へと変わり、森の奥を照らす。小屋が見えてきたとき、胸の奥にふと安堵が生まれた。まるでそこが帰るべき場所であるかのように。

 扉を開けると、室内には朝よりも濃い木の香りが漂っていた。ルシアンは薪を足し、火を灯す。暖炉の炎が、再び部屋に命を吹き込むように揺らめいた。私はその光を見つめながら、静かに言った。

「……ここにいると、不思議と落ち着きます」

 ルシアンは火を見つめたまま、短く答える。

「それでいい」

 それだけで、十分だった。言葉の少ない彼の“それでいい”が、何よりも温かく聞こえた。
 私は毛布を取り、火のそばに座る。外では風が強くなり、木々がざわめいている。だが、ここには灯りと温もりがある。

 ——王都を離れて初めて、心から息ができた。




 夜が更けるにつれ、森の音が変わった。昼のざわめきが静まり、かわりに遠くで梟が鳴く。風が窓を撫で、薪がくすぶる音が部屋の奥から微かに聞こえる。私は暖炉の前に座り、火の揺らぎを見つめていた。赤い光が壁を照らし、影がゆっくりと伸びては消える。まるで生き物のように、炎は呼吸をしている。

 毛布を肩に掛けたまま、私は膝を抱えた。ルシアンは机に向かい、何か古びた紙を広げていた。地図のようにも見えるが、詳細はわからない。薄暗い灯のもとで彼の横顔が見え、真剣なまなざしが静かに沈んでいた。時折、指先で文字をなぞり、何かを考えるように視線を止める。声をかけるべきか迷いながらも、私はその姿を黙って見つめていた。

 長い時間が経ったように感じた頃、ルシアンが顔を上げた。

「……眠れないのか」

 静かな声だった。火の音に溶けるように優しい。私は小さく首を振った。

「火を見ていたら、なんだか落ち着いて……」

「眠れないときは、昔からそうしていた」

「あなたも?」

「ああ。炎は嘘をつかない。静かにしていれば、何も言わずにそばにいてくれる」

 その言葉に、胸の奥が少し温かくなった。私も幼い頃、母が眠る前に蝋燭を灯し、“火は心を映すものよ”と言っていたことを思い出す。あの頃は意味が分からなかったけれど、今なら少しだけ理解できる気がした。

「ルシアンさんは……ずっとこの森に?」

 問いかけると、彼の手が止まる。火の光が瞳に映り、わずかに揺れた。

「もう長い。人の時間で言えば十年ほどだろう」

「十年……」

 思わず息を呑む。そんなに長く、一人で。彼の背中に漂う孤独の理由が、少しわかった気がした。

「寂しく、ないのですか?」

「……慣れた」

 短い答えだったが、その響きの奥にかすかな痛みがあった。慣れるということは、諦めることと似ている。誰かを想い続けるより、想うことをやめたほうが楽だから。私は唇を噛みしめた。

「でも、今は——」

 そこまで言って、言葉が喉に引っかかる。彼が私を救ってくれたのは、偶然だったのかもしれない。それでも、こうして同じ場所にいることが嬉しかった。私の存在が、彼の孤独を少しでも和らげているなら。

「今は、少しだけ賑やかになりましたね」

 ようやくそう言うと、ルシアンの視線がこちらに向いた。しばしの沈黙のあと、彼はわずかに目を細めた。

「賑やか……か」

「はい。私がずっと話しかけているから、きっとうるさいですよね」

「いや」

 彼は首を振り、暖炉の炎を見つめた。

「……悪くない」

 その一言が、ゆっくりと胸の奥に沁みた。言葉を飾らない彼の口から出る“悪くない”ほど、温かい褒め言葉を私は知らない。

 火がぱちりと弾けた。橙の光が彼の頬を照らし、影の中で微笑んでいるように見えた。私はその光景を目に焼き付けるように眺めた。王都の夜会では何百もの蝋燭が灯され、笑顔も煌めきも溢れていた。それでも、この小さな暖炉ひとつの光より、どれほども暖かくなかった。

「ルシアンさん」

「なんだ」

「あなたに出会えて、よかったです」

 彼の眉がわずかに動く。火の光がゆらめき、瞳に反射する。

「そう思うのは早い」

「どうしてですか?」

「俺がどんな人間か、まだ知らないだろう」

「……それでも、いいんです」

 彼は何も言わず、静かに視線を落とした。長い沈黙のあと、暖炉の火が小さく鳴る。その音がまるで鼓動のようで、私の胸も同じリズムを刻んでいた。

 やがて彼が立ち上がり、窓の外に目を向けた。森の闇の中で風がざわめく。木々が揺れ、枝が月明かりを受けて淡く光る。

「……嵐になる」

「嵐?」

「風の匂いが変わった。明日は雨が強い。外に出るのはやめておいたほうがいい」

「わかりました」

 彼の声は穏やかで、しかし確かだった。その響きに、妙な安心を覚える。誰かが傍にいて、先のことを教えてくれる——そんな当たり前のことが、今の私には奇跡のようだった。

 私は毛布を少し引き寄せ、火のそばに身を寄せる。瞼が重くなり始め、意識が薄れていく。最後に聞こえたのは、ルシアンの足音が近づき、暖炉に薪を足す音だった。木がはぜ、火が息を吹き返す。

 そして、彼の低い声。

「……眠れ」

 その一言が、優しく私の心を包んだ。瞼の裏で光が揺れ、遠くの風の音が子守唄のように響く。

 私はその声を胸の奥に刻みながら、静かに眠りへと沈んでいった。
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