星空に咲く花畑

セイカ

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番外短編 好みの話

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今日は仕事が早く終わり、辰支と会う約束をしている。
彼も仕事が午前までで終わったそうだ。


いつもの家の最寄り駅の前で待ち合わせている。
すぐに着いたが、辰支が既に待っていた。俺が声をかけると、辰支は笑顔でこちらを見た。
その笑顔を見れて、凄く嬉しい気持ちになる。
辰支と合流したあと、駅の近くのカフェに入った。
窓際の席に案内されて、飲み物を注文した。俺は普通のホットコーヒーを、辰支はアイスココアを頼んだ。
カフェの中は暖かいが、今日は一段と寒い。なのに冷たいものを頼むのは凄いと思う。少し心配にもなる。

「辰支、暖かい飲み物飲まなくて良いのか?」

俺がそう聞くと、辰支は少し照れながら、

「僕は冷たくて甘いものが大好きなのです。」

どうやら熱いものより冷たいものが大好きだから頼んだそうだ。
いわゆる暑い寒いの問題ではなく、単純に好みの話だ。

「やはり、おかしいですかね…」

辰支が少し暗い顔でそう聞いてきた。
その質問に俺は疑問に思った。
彼いわく、自分が冬の1番寒い日に外で普通にアイスを食べたら一緒にいた人達に変な目で見られ、陰口を言われたらしい。
それ以来、心から許せる人間以外の前では好きなことはしないようにしたらしい。

元から辰支は気を遣う子だけど、意外と堂々と過ごしている辰支にしては珍しい部分だ。

「おかしくない。俺はその好きを大事にしていいと思う。」

俺が本当に思っていることをそのまま伝えると、辰支は笑顔に戻り、「ありがとうございます」とお礼を言ってくれた。

元気になった辰支を見て俺は嬉しく思う。









人の好みや行動はそれぞれ。命に関わったり、何かを害するもの以外なら、それを咎めたり、嫌な思いをさせず、個性の1つとして理解すべきだと俺は思う。
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