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アルバイト
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本日、面接した会社から電話が来た。採用したいとのことだった。友人と私の誕生日に風俗に行く約束をしてから立て続けに3社落ちたが4社目でようやく採用された。この電話をもって私の童貞卒業はほぼ確実なものになった。世の大学生曰く、大学生とは普通に暮らしているだけで当たり前のように貞操を失っていくものだと。性に乱れてこそ大学生だと言う。私はその話を盲信し、希望に満ち溢れた状態で入学して早3年。彼女どころか女友達、ましてや普通の同性の友達すらできない。サークルやゼミの年上の女の先輩に勧められて嫌いなタバコを吸い始めたいなと思っていたが、気づいたらもう先輩すらいなくなりそうな年になった。勇気を出して行ったサークルには女はいなかったし、サークル自体、学生運動の集まりだった。私は童貞早く捨てたいが、別にそれは劣等感からくるものではない。少し前までは彼女持ちの男を見るととてつもなく羨ましてく、えも言われぬ敗北感を感じていたが、最近では感じなくなった。少し前までは現実がよく見えていなかったのだろう。だからあのブスのどこがいいんだ。俺の方がいいだろうと思っていた。しかし、最近はよく鏡を見るようになった。そしたらまあ確かに俺のほうがブスだと気づいた。前までは僅差で負けていると勘違いしていたが、よくよく見ると大差で負けていたのだ。その結果、童貞でいることに負い目は感じなくなった。届くものだと勘違いから開放され、自分には敵わないものだと気づいたからだ。一般人が宇宙飛行士に嫉妬しないように自分と比較できないことに気づいたからだ。では何故捨てたいのかというと、知りたいからだ。子供の頃に夜更かしやお酒、煙草に憧れたように、みながいいと言ってるものにすごく興味がある。大人が「そんなにいいもんじゃないよ」って言っても気になる。それが実際しょうもないものだとしても気になるのだ。しかしながら、酒や煙草と比べて値段が高いなと思っている。1時間ちょっとで3万。私の時給の30倍だ。私が馬鹿みたいに30時間働いた金を女とただ1時間やるためだけに払うのか。私には3万も価値があるとは到底思えないし、普通にやる場合には無料でできるわけだ。なんか納得がいかない。まあこれも経験だろうし、カネを払わないと私にはできないのだからしょうがない。
今、わたしにとって性行為はどこか雲の上のような存在に感じる。実在するのかすら怪しい。大学生なのに大学の人とやらないでわざわざ金を払ってやるのは負けた気がするが、選択肢がこれしかないのだからしょうがない。
酒にも私は過度な期待を抱いていた。酒さえ飲めば、酔っ払っている大人のように幸せになれて、馬鹿な女のように判断力がなくなって都合よく記憶がなくなると思っていた。だからこそ20歳になるまで一滴も飲まなかった。そんな期待を持って酒を飲んだが、大した変化はなかった。適当に入った居酒屋でぼったくられていることに暗算で気づくほど頭は冴えていた。だから性行為もそんなもんだと思う。だけで大きな期待を持っている。やったあとでは余裕が出て、女とめちゃくちゃ喋れるようになると。そんなことにならないことは知っている。でもこう思って自分を騙さないとまともな精神状態では3万も払える気がしない。
とりあえず今の状況はこんな感じ。まだ時間はあるから不定期な日記として記録していく。
今、わたしにとって性行為はどこか雲の上のような存在に感じる。実在するのかすら怪しい。大学生なのに大学の人とやらないでわざわざ金を払ってやるのは負けた気がするが、選択肢がこれしかないのだからしょうがない。
酒にも私は過度な期待を抱いていた。酒さえ飲めば、酔っ払っている大人のように幸せになれて、馬鹿な女のように判断力がなくなって都合よく記憶がなくなると思っていた。だからこそ20歳になるまで一滴も飲まなかった。そんな期待を持って酒を飲んだが、大した変化はなかった。適当に入った居酒屋でぼったくられていることに暗算で気づくほど頭は冴えていた。だから性行為もそんなもんだと思う。だけで大きな期待を持っている。やったあとでは余裕が出て、女とめちゃくちゃ喋れるようになると。そんなことにならないことは知っている。でもこう思って自分を騙さないとまともな精神状態では3万も払える気がしない。
とりあえず今の状況はこんな感じ。まだ時間はあるから不定期な日記として記録していく。
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