中卒の俺が偶然出会った有名配信者とコラボしたらトップランカー入りしてしました。学がなくても大バズりできる裏技でランキング一位を取ります。

ニゲル

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一章 四人の配信者

18話 不意打ち

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「兄さん……最近顔色が優れないけどどうかしたの?」

「えっ……い、いや何でもないよ……」

 霧子との夕飯の中、秋刀魚を丁寧に食べている最中不意に探りを入れられる。
 霧子は俺の返答を怪しみ目を鋭くさせる。

「分かった……お前に隠し事は無理だな。実は薬局のバイトクビにされちゃったんだよ」

「兄さんが……? 兄さんほどの能力があればよっぽどバイトをクビになんてならないはず……何かあったの?」

「ちょっと知らない奴らに嫌な絡まれ方してな……」

 俺が事の顛末を話すと霧子は不機嫌さを誰にでも分かるよう顔に出す。口角はほんのり下がり、目元に多少の痙攣が見られる。

「何それ……店長も酷いけどその因縁をつけてきた不良達も許せないね……心当たりはないの?」

「それが全くないんだよな……会ったこともないし、中学の頃の友達に聞いてみたけどそんな奴ら知らないって言うし……あっ、あいつらなら何か知ってるかな?」

 俺は一旦箸を置きスマホを取り出す。そこに連絡先として登録してあるフォルティーを探し連絡してみる。

「……出ないな」

「その人ってこの前兄さんと一緒に強い魔物に倒された人だよね?」

「そうだな……そいつに関することで情報共有したいってことで連絡先交換してたんだけど……出る気配ねぇなこれ」

 三回ほどかけてみたが出る気配は一切ない。あのチャラい感じのグループならここらの不良事情や暴走族関係に詳しいと思ったが、世の中そう上手くはいかないらしい。
 生憎他のメンバーとは連絡先を交換していないので連絡をする方法がない。

「はぁ……ちょっと面倒だけどそいつらのアジトまで行ってみることにするよ。バイトも無くなって時間もできたし」

「……兄さん。くれぐれも危ないことには首を突っ込まないでね?」

 スーパーの爆破事件に続いてこの前の怪我と今回の件。不安を煽られてしまうのも当然だ。

「大丈夫だって。本当に危なくなった時は最悪これがあるし」

 俺はパティシーを見せ、不良くらいに襲われても大丈夫だと妹を安心づける。
 もちろんこれを使って攻撃などしたら死んでしまうので逃げの一択だが。

 霧子の表情は一向に明るくならず、表向きはともかくどこかどんよりとした空気のままその日は終わる。
 そして次の日の朝、朝ご飯と霧子の弁当を作り終えた後にこの前行ったフォルティーのアジトへと足を運ぶ。
 
 またあの海の近くの倉庫群の道を進んでいき、ふと道の端から見える海に目がいってしまう。

「父さん……母さん……」

 海を見るとどうしても死んだ両親のことがフラッシュバックしてしまう。
 そして考えてしまう。あの日俺は霧子だけではなく三人みんなを救う方法が他に取れたのではないかと。
 もちろん答えてくれる人なんていない。霧子に聞いたとこでこっちのことを想ってそんなことない。あれが最善だったとゲームのモブキャラのように繰り返すであろう。

「おいアレギィ。ここで何をしている?」

 周りへの注意が散漫となりながら歩いていたせいか、すぐ後ろにまできていたフォルティーに気づかず肩を叩かれる。

「おぉちょうど良かった。お前に聞きたいことがあったんだよ」

「オレに……? 何だ?」

 俺はここ一週間で起こった例のことを話すが、反応はあまり良くない。不良達の特徴を教えてもあまりピンとは来ていないようだ。
 
「それにオレは配信をやる前は少年院に居た。最近のここらの不良事情には詳しくない」

「少年院? バイクでも盗んだのか?」

「お前には関係ない。まぁ事情は分かった。一応メンバーに元暴走族がいたから聞くだけ聞いてみてやる」

「おうありがとな。じゃあ何か分かったら連絡頼むわ」

 他メンバーへの聞き込みは彼がやってくれるそうなので、俺は一言お礼を言い回れ右して来た道を戻る。
 少し駅に寄って行き買い物をしてから帰る道中。人気のない道を歩いていると後ろからバイクの駆動音が聞こえてくる。
 俺は道の端に寄ってバイクが通りやすくするが、音は俺の方へ向かって近づいてくる。

「夜道ぉぉぉ!!!」

 そしてけたたましい怒声と共に俺は頭に強い衝撃を受け意識を失うのだった。
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