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二章 天才探偵
24話 チェイス
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汚れた地面を蹴り、ゴミ箱などに体をぶつけながらも必死に走り男から距離を取ろうとする。
途中で路地や公園なども通り抜けマラソンを続ける。男は巨体ながらも中々に足が速い。時間がそこそこ経ったが距離は一切開いていない。
「なら……!!」
俺は廃ビルを見つけ、その外壁をパルクールの如くよじ登る。
「待ちやがれー!!」
男は息を切らせつつも階段を駆け上がってくる。
俺は奴が屋上に来たのを確認し、向かいのビルに向かって全速力で駆け出す。
「うぉぉぉぉっ!!」
大きく踏み込み全力で向かいのビルに飛び移る。全身を浮遊感が包み込み、神経が刺激され時間がゆっくりと感じる。
体感時間で数十秒後。足に強い衝撃が走り前方に転がりながらダメージを殺して着地する。
「じゃあな!!」
俺は捨て台詞を吐きつつ近くの梯子を落ちるように下りそのまま華麗に逃げ去ってみせる。
そのまま数分経ち完全に撒いたところで一旦立ち止まり息を整える。
もう誰も追ってくる気配はない。しかし随分と必死に逃げたせいでよく分からないところに来てしまった。
「どこだここ……とりあえずマップで……」
視界の悪い路地で歩きスマホなどしてしまったせいか、十字路で飛び出てきた人にぶつかり壁に背中を軽く打ってしまう。
「いててて。すみません大丈……あっ!! さっきの!!」
尻餅を突き息を切らしているのは先程俺に抱きついてきた外人の女性だった。
「はぁ……はぁ……君はさっきの……ありがとね。おかげであいつらを撒けたよ」
彼女は一言だけお礼を言い俺を押し退け立ち去ろうとする。
「いやいやちょっと待て! お前誰なんだ? 何で俺に絡んできてあんな奴らを仕向けた?」
こんなことされて、はいそうですねさようならとはできず肩を掴み留まらせる。
「はぁ……はぁ……ゲホッ!!」
手に伝わるほど速く深い呼吸をし、数秒の間を置き大きく咳き込む。
「おい……大丈夫か?」
「運動は慣れてないからね……全く困ったものだよ。とにかくここは立ち去らせてもら……」
俺の手を跳ね除けようとするが、彼女は突然ふらつき全体重を後方にかけ倒れそうになってしまう。
「ちょっ……おい!!」
密着していたためすぐに体を支えることができるが、彼女はその手も振り払い立ち上がる。
「まぁ礼をしないのも気が乗らない。この国の人達は仁義を重んじるのだろう?」
「いやそれはさっきの人達みたいなの限定じゃないか?」
「もしもわたしのところに依頼しに来るなら格安で請け負おう。これでどうかな?」
彼女は一枚の名刺を俺に手渡す。そこには"シャーロット探偵事務所所長 シャーロット・テイラー"と記されている。
「探偵……?」
「そうさ! どんな難事件でも解決する天才探偵とはこのわたしのことさ! ちょっと用事があって日本に来て、今は一時的にこうしてこの国に事務所を構えているのさ」
「まさかあんたがあの名探偵!?」
花華が見せてくれたネット掲示板。そこに書かれている外見特徴とシャーロットの容姿は大体一致している。
「おっ、この街に来て一ヶ月半。中々わたしも有名になってきたね。ま、このわたしの才能を考えると遅すぎるくらいかな?」
シャーロットは名探偵の三文字を聞くなり明らかに機嫌が良くなり、激しかった呼吸もマシになっている。
そしてナルシストな性格なのか随分と自信家だ。
「なんだか事情を聞く気も失せたよ。今度そっちに……」
「所長ぉぉ!!」
気が抜けもうどうでもよくなり花華のところまで帰ろうとするが、怒声と共にこちらに走ってくる女性に道を塞がれる。
小柄なシャーロットとは対照的に体格は大きく俺より少し小さい……170ちょっとくらいの身長だ。
「あなたもしかしてあのヤクザ達の仲間……」
「えっ、いやいや違う!! 俺はシャーロットにそのヤクザ達をけしかけられたんだよ!!」
あらぬ疑いをかけられ俺は必死に否定し、シャーロットにも手伝ってもらって何が起きたのか事細かに説明するのだった。
途中で路地や公園なども通り抜けマラソンを続ける。男は巨体ながらも中々に足が速い。時間がそこそこ経ったが距離は一切開いていない。
「なら……!!」
俺は廃ビルを見つけ、その外壁をパルクールの如くよじ登る。
「待ちやがれー!!」
男は息を切らせつつも階段を駆け上がってくる。
俺は奴が屋上に来たのを確認し、向かいのビルに向かって全速力で駆け出す。
「うぉぉぉぉっ!!」
大きく踏み込み全力で向かいのビルに飛び移る。全身を浮遊感が包み込み、神経が刺激され時間がゆっくりと感じる。
体感時間で数十秒後。足に強い衝撃が走り前方に転がりながらダメージを殺して着地する。
「じゃあな!!」
俺は捨て台詞を吐きつつ近くの梯子を落ちるように下りそのまま華麗に逃げ去ってみせる。
そのまま数分経ち完全に撒いたところで一旦立ち止まり息を整える。
もう誰も追ってくる気配はない。しかし随分と必死に逃げたせいでよく分からないところに来てしまった。
「どこだここ……とりあえずマップで……」
視界の悪い路地で歩きスマホなどしてしまったせいか、十字路で飛び出てきた人にぶつかり壁に背中を軽く打ってしまう。
「いててて。すみません大丈……あっ!! さっきの!!」
尻餅を突き息を切らしているのは先程俺に抱きついてきた外人の女性だった。
「はぁ……はぁ……君はさっきの……ありがとね。おかげであいつらを撒けたよ」
彼女は一言だけお礼を言い俺を押し退け立ち去ろうとする。
「いやいやちょっと待て! お前誰なんだ? 何で俺に絡んできてあんな奴らを仕向けた?」
こんなことされて、はいそうですねさようならとはできず肩を掴み留まらせる。
「はぁ……はぁ……ゲホッ!!」
手に伝わるほど速く深い呼吸をし、数秒の間を置き大きく咳き込む。
「おい……大丈夫か?」
「運動は慣れてないからね……全く困ったものだよ。とにかくここは立ち去らせてもら……」
俺の手を跳ね除けようとするが、彼女は突然ふらつき全体重を後方にかけ倒れそうになってしまう。
「ちょっ……おい!!」
密着していたためすぐに体を支えることができるが、彼女はその手も振り払い立ち上がる。
「まぁ礼をしないのも気が乗らない。この国の人達は仁義を重んじるのだろう?」
「いやそれはさっきの人達みたいなの限定じゃないか?」
「もしもわたしのところに依頼しに来るなら格安で請け負おう。これでどうかな?」
彼女は一枚の名刺を俺に手渡す。そこには"シャーロット探偵事務所所長 シャーロット・テイラー"と記されている。
「探偵……?」
「そうさ! どんな難事件でも解決する天才探偵とはこのわたしのことさ! ちょっと用事があって日本に来て、今は一時的にこうしてこの国に事務所を構えているのさ」
「まさかあんたがあの名探偵!?」
花華が見せてくれたネット掲示板。そこに書かれている外見特徴とシャーロットの容姿は大体一致している。
「おっ、この街に来て一ヶ月半。中々わたしも有名になってきたね。ま、このわたしの才能を考えると遅すぎるくらいかな?」
シャーロットは名探偵の三文字を聞くなり明らかに機嫌が良くなり、激しかった呼吸もマシになっている。
そしてナルシストな性格なのか随分と自信家だ。
「なんだか事情を聞く気も失せたよ。今度そっちに……」
「所長ぉぉ!!」
気が抜けもうどうでもよくなり花華のところまで帰ろうとするが、怒声と共にこちらに走ってくる女性に道を塞がれる。
小柄なシャーロットとは対照的に体格は大きく俺より少し小さい……170ちょっとくらいの身長だ。
「あなたもしかしてあのヤクザ達の仲間……」
「えっ、いやいや違う!! 俺はシャーロットにそのヤクザ達をけしかけられたんだよ!!」
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