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第1章 天災

第5話 目覚めた力

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バリィの右腕を僕は切断し、血が周辺に飛び散った。

「はぁ……、はぁ…… よくも俺の腕をおおおおおおおおお よくも……きさまぁぁぁ」

即座に布で抑えていたが、なかなか血が止まらない。

(切れ味すごいな、この剣)

バリィは2発、僕に銃弾を撃った。

僕は地面に手を置き魔力を流したその瞬間、地面から壁を作り、銃弾を防いだ。
 
「な、何…… 至近距離のを防ぐなんて……」

咄嗟に体が動き、僕は防御できた。

(なぜ僕は、この力を初見で使えてるんだ?? まあいいや、今は集中しろ)

バリィは接近戦は危険と判断したのか、僕から距離をとった。

「やってしまいなさいい!!!!おれの部下たちぃぃぃ!!」

その声を聞いた軍の部下が、僕に襲いかかってきた。僕は襲ってきた6人を全員斬って殺した。

正直罪悪感などはなかった必要な犠牲だ。

「時間稼ぎにはなったぁなぁ!!!」

そういうとバリィの腹筋が割れ、全体的にゴツくなった。

(うおおお、ムキムキになった てか服破けないで伸びてるのはどういう仕様なんだ……)

「これわぁ 2(セカンド)の中佐の能力の一部を借りたんだぁぁぁ 片腕は失ったが、ガキてめぇを殺すぅ~ 死ねぇ~」

バリィのパンチで道路にヒビが入った、僕は間一髪避けることができた。

(身体強化的なのもあるのか、すげぇな)

「2(セカンド)の能力、侮れないな」

僕は回避のために距離を取った、戦いに慣れていなく剣をその場に落としてしまった。

「お前のぉ 剣はうばったぁ!! 貴様に勝機ぁぁぁぁぁなあああいいぃぃ」

バリィは勝ちを確信し、僕の剣を適当に足元に捨てて殴りかかってきた。

「戻ってこい!!!!」


僕はバリィに取られた剣を、斧に変換し引き寄せた。
斧が戻ってくる時、真上にあったバリィの体を切り裂いた。



「ぐわぁぁぁぁぁ」

バリィは血まみれになり、断末魔をあげ地面に倒れた。

僕はバリィにとどめを刺しにいった。

「最後に言い残すことは、あるか??」

「はぁ…… はぁぁ…… おめぇはいつか上に消されるぅぅ この町の闇はぁああ こんなもんじゃぁぁあない!!」

そういうとバリィは口から血を流し命を落とした。

「げほっ、お前は…… 最悪の未来を見る…… あの計画が進んだ時…… すべてがぁぁぁぁぁ終わるぅぅぅぅ」

「……勝ったのか、、、」

「はぁ…… 紫音は、大丈夫か……」

僕は紫音が心配で岩の裏まで行った、紫音は相変わらず寝ていた。

「よかった……無事で……」

僕は目の前がくらくらし、紫音の横に座った。

その時、警察が到着し、職員にトラックの中に運ばれた。










「あの子がディザスターを持ったの??案外可愛い感じの子じゃない」

「俺たちの計画に支障が出るかもしれん だが、利用できそうだからしばらく様子見だ」

「了解 子をやお持ち帰りしてもいい??」

「いいわけねぇだろ 帰るぞ」

「はいよ、またね~」





僕が警察の職員に連行されながら周りを見ていると、ビルの上に2人組がいた、遠くてよく見えなかった。

(誰なんだろう??)

そんなことを考えていると気づけばその2人はいなくなっていた。








バリィとの戦闘場所近くの水路の横を熊賀野と桃芽は歩いていた。



「美鈴に回収を頼まれたけど、まさか【最強】に出くわすとは運のない私」

「あれは仕方ないっすよ ただビルの上で手を出してくる感じではなかったっすけど」

「熊賀野、私たちが動けなかったの美鈴には内緒よ……」

「素直に言ったら俺ら消されるんで黙っときます……」

「じゃあ帰ろ こんな汚い地下通路とはおさらばよ!」

「帰り足だけ早いんだから 桃芽さんは……」









僕は目を覚ますと、警察車両に乗っていた。


「……繰り返す、少年1人、少女1人を保護 いずれも時雨学園の生徒と思われる、死者数10人 車の手配を要請」

警察の通信を聞き、僕は目を覚ました。

「原因不明な爆破事故 おそらく2(セカンド)の超能力と軍の戦いで起きた兵器の暴走といったところ」

「一般人と思われる遺体には銃弾の跡」

「軍の連中には剣のようなで斬られたような跡を発見された模様」

こんなことになるなら、超能力なんていらなかった。

人を殺してしまった、手の震えが止まらない。

「2人の身分証を確認しましたが どちらも能力なし、先ほど総司令からの特別命令で、この二人を解放しろとの連絡が入りました なぜかはわかりませんが命令に則って解放します」

「……僕が軍の人たちを殺しました、妹は何もしていない!! 裁かれるのは僕だけでいい」

全てを話した、僕が両親を殺され怒りに身を任せ殺した、それだけだ。

「きっと最近話題の幻惑系能力者に加害者にされてるパターンですよ、かわいそうに」

「そもそも能力測定でなしって、判定されている子供の言うことを信じることなんてできないんだ」

警官の話を聞いているうちにトラックが止まった。

「坊や 家に着いたから妹さんをおぶって帰りな、あとは我々の仕事だ」

そう言われて、トラックから紫音と共に家の前に降ろされ、家に入った。

体が重い、疲れた そんなことよりも両親が死んだことの悲しさ、人を殺してしまった罪の意識で潰されそうだ。

消えたい、消えたい、消えたい、負の感情を抱え僕は眠った。
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