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第7章 時空を超えた天使
第59話 猫カフェでの再会と別れ
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「いらっしゃいませ~」
僕と佳澄は猫カフェに入った。
学生は夏休みだが平日ってこともあり店内には僕たち以外の客がいなく、猫たちは自由に歩きまわっていた。
「2名様でしょうか??」
「はい、それとこれを使いたいです」
僕は無料券を店員さんに渡した。
「わかりました、空いているお席にどうぞ~」
「佳澄、どこに座る……っておい」
佳澄は自分の足にすりすりと顔を寄せてきた猫を抱き締めて幸せそうな顔をしていた。
僕は携帯を取り出し、この光景を写真に撮った。
「ちょっと……」
佳澄は僕の写真を撮ったのをみて、顔を赤くした。
僕はにやにやしながら、佳澄のメッセージチャットにその写真を送った。
「佳澄のそんな顔するのが意外でさ」
僕が面白がっていると、メッセージで『今すぐ消して』と送られてきた。
チラッと佳澄の顔を見ると表情が怖く、抱かれている猫も怖がって震えていた。
「わかったから怖い顔をやめて!! 猫も怖がってるだろ……」
僕の言葉を聞いて、佳澄はさっきの感じの幸せそうな顔をして猫を見た。
佳澄は猫のほうを見ると震えていたので、猫をそっとおろした。
「ま、まあ…… とりあえずここに座ろう」
僕と佳澄は目の前にあった、2人席に座ってメニューを開いた。
「……」
なんか気まずい感じになってしまった。
こんな雰囲気に気を使っているのか、僕と佳澄の足に2、2匹の猫がほっぺをすりすりとしてきた。
「佳澄、悪かったって…… とりあえず何か頼もう 何にする??」
「カフェオレで」
「わかった、僕はそうだな この美味しそうな抹茶オレにする」
僕はボタンを押して、店員を呼んだ。
待っている間、僕は携帯を開いた。
メールで海都に、佳澄と予定があったからもうちょっと時間がかかるとメールを送った。
「これでよし、せっかくきたし僕も猫を……」
僕は足元に擦り寄ってきた茶色い毛並みの子猫を抱っこした。
「え…… この子可愛い……」
佳澄は僕の抱っこしている猫を見て、顔が明るくなった。
僕はそんな佳澄を見て、猫を抱いたまま佳澄の座っていた席の横に歩いて行った。
「せっかく誘ってくれたんだし、楽しもうよ」
僕は抱いていた猫をそっと佳澄の膝の上に乗せた。
猫はにゃあと鳴き、甘えるように佳澄のへそのあたりを触った。
「可愛い……」
「ふっ……」
僕は佳澄が猫を可愛がる様子を見て思わず鼻で笑った。
「何よ…… そんなに面白いかしら」
「いや全然、なんかこういうのいいなって思っただけ……」
「ふーん」
こんな他愛のない会話を2人でしていると、注文していたものが届いた。
「こちら、カフェオレと抹茶オレです ごゆっくりどうぞ~」
「ありがとうございます!! んじゃあ冷めないうちに飲も!!」
「うん……」
僕たちは静かに飲み始めた。
飲みながらこんなものなんだろうかとふと思った。
最初は恋人同士のラブラブしている感じのものを想像していたが、現実的にはこんな感じの寂しい感じだ。
(確かに佳澄とは仲のいい友達だとは思っているけれども、恋人かと言われるとそれは違うか…… いっそここで……)
「おや、デートかい」
「ぶっっ……」
心の中で考え事をしていると、後ろの席から聞き覚えのある声が聞こえてた。
僕は思わず吹き出してしまって、自分のズボンを汚してしまったので布巾を使って拭いた。
「久しぶりだな 城ヶ崎陽翔くん…… いや…… 今は最強の一角『ディザスター』か??」
「からかわないでくださいよジョーさん…… それにあなたに鍛えてもらったからここまで戦えるようになったんですから!! ほんっっっとうにありがとうございます!!」
僕がジョーさんに感謝を伝えると、ジョーは嬉しそうに笑った。
「まあ彼との約束だ…… いいんだ…… 今日は最後に君の成長を見に来ただけだ……」
「約束ってなんですか??」
僕が聞くと、ジョーはレシートを持ってレジの方へ向かった。
「私はそろそろ用事があるので、この辺で失礼するよ…… まあ……なんだ…… 幸せに、そして自由に生きてもらえると私も嬉しいよ……」
「え……」
僕はお店を出たジョーを追って外に出た。
周囲を見回しても、ジョーの姿は見当たらなかった。
約束とはなんのことだろう、それに僕にはジョーとこれから先会うことがないだろうとなんとなく思った。
「さっきの人って、前に私たちのところにきたおじいさんだよね…… あんたの師匠??なんだ……」
僕のことを追って、佳澄が店の中からやってきた。
「うん!! 僕に戦い方を教えてくれた尊敬してる人!!」
「なるほどね~」
「まあいいさ、また今度話そうと思う!! 冷めないうちに飲も!!」
僕は佳澄と共に店の中へ戻った。
店の中に入ると、灰色の猫が僕の足によってきた。
東部警察庁の総本部屋上のベンチにジョーは座っていた。
「まったく…… ここまで強くなるとは、私も嬉しいな」
陽翔の成長を思い出して喜んでいると、階段を誰かが上がってきた。
「私は逃げ隠れせんよ…… 天使……」
ジョーが階段の方を見ると、晃の死体を引きずるエルサキナが上がってきた。
「ほらよ、これでちょっとはオレと戦う気になったか」
「私はあいにく、生徒会に干渉している訳ではなくてな…… 誰かすらわからない」
「そりゃ残念だ」
エルサキナは晃の死体を屋上の端っこに投げた。
「オレはこの時代に来て、さらに力を得た」
エルサキナは指パッチンをした。
音が響くと背中から白黒の翼が出現した。
「お前を殺す」
「戦うことはいい、すまないが場所を変えさせてもらう」
ジョーがそう言うと、屋上の貯水タンクの上に人影が見えた。
エルサキナが人影に向けて黒い翼で発生させたビームをぶつけると、そこには英次が立っていた。
英次はビームが当たった衝撃で、まるで結晶が割れるように全身が砕けた。
「結構気に入ってんだが…… 20年前くらいか?? この若い頃姿、それに明るい雰囲気も楽しかった」
英次の体があった場所の空間歪み、そこからスーツを着たソフトモヒカンの男性が現れた。
「分身か…… まあ誰でもいい…… なんの用だ」
「ジョーに頼まれてな…… 悪いが別の場所で戦って貰う」
英次は薙刀を振って斬撃をジョーとエルサキナがいた場所の中心に飛ばした。
空間の歪みが発生し、空間の穴に2人は吸い込まれて消えた。
「西部の街なら、あの次元の戦いをしても大丈夫だろう」
英次はポケットからタバコを1本取り出して、ライターで火をつけて煙を吸った。
「ふぅ…… 俺たちはあいつの手の上で踊らせられているんだろうな……」
僕と佳澄は猫カフェに入った。
学生は夏休みだが平日ってこともあり店内には僕たち以外の客がいなく、猫たちは自由に歩きまわっていた。
「2名様でしょうか??」
「はい、それとこれを使いたいです」
僕は無料券を店員さんに渡した。
「わかりました、空いているお席にどうぞ~」
「佳澄、どこに座る……っておい」
佳澄は自分の足にすりすりと顔を寄せてきた猫を抱き締めて幸せそうな顔をしていた。
僕は携帯を取り出し、この光景を写真に撮った。
「ちょっと……」
佳澄は僕の写真を撮ったのをみて、顔を赤くした。
僕はにやにやしながら、佳澄のメッセージチャットにその写真を送った。
「佳澄のそんな顔するのが意外でさ」
僕が面白がっていると、メッセージで『今すぐ消して』と送られてきた。
チラッと佳澄の顔を見ると表情が怖く、抱かれている猫も怖がって震えていた。
「わかったから怖い顔をやめて!! 猫も怖がってるだろ……」
僕の言葉を聞いて、佳澄はさっきの感じの幸せそうな顔をして猫を見た。
佳澄は猫のほうを見ると震えていたので、猫をそっとおろした。
「ま、まあ…… とりあえずここに座ろう」
僕と佳澄は目の前にあった、2人席に座ってメニューを開いた。
「……」
なんか気まずい感じになってしまった。
こんな雰囲気に気を使っているのか、僕と佳澄の足に2、2匹の猫がほっぺをすりすりとしてきた。
「佳澄、悪かったって…… とりあえず何か頼もう 何にする??」
「カフェオレで」
「わかった、僕はそうだな この美味しそうな抹茶オレにする」
僕はボタンを押して、店員を呼んだ。
待っている間、僕は携帯を開いた。
メールで海都に、佳澄と予定があったからもうちょっと時間がかかるとメールを送った。
「これでよし、せっかくきたし僕も猫を……」
僕は足元に擦り寄ってきた茶色い毛並みの子猫を抱っこした。
「え…… この子可愛い……」
佳澄は僕の抱っこしている猫を見て、顔が明るくなった。
僕はそんな佳澄を見て、猫を抱いたまま佳澄の座っていた席の横に歩いて行った。
「せっかく誘ってくれたんだし、楽しもうよ」
僕は抱いていた猫をそっと佳澄の膝の上に乗せた。
猫はにゃあと鳴き、甘えるように佳澄のへそのあたりを触った。
「可愛い……」
「ふっ……」
僕は佳澄が猫を可愛がる様子を見て思わず鼻で笑った。
「何よ…… そんなに面白いかしら」
「いや全然、なんかこういうのいいなって思っただけ……」
「ふーん」
こんな他愛のない会話を2人でしていると、注文していたものが届いた。
「こちら、カフェオレと抹茶オレです ごゆっくりどうぞ~」
「ありがとうございます!! んじゃあ冷めないうちに飲も!!」
「うん……」
僕たちは静かに飲み始めた。
飲みながらこんなものなんだろうかとふと思った。
最初は恋人同士のラブラブしている感じのものを想像していたが、現実的にはこんな感じの寂しい感じだ。
(確かに佳澄とは仲のいい友達だとは思っているけれども、恋人かと言われるとそれは違うか…… いっそここで……)
「おや、デートかい」
「ぶっっ……」
心の中で考え事をしていると、後ろの席から聞き覚えのある声が聞こえてた。
僕は思わず吹き出してしまって、自分のズボンを汚してしまったので布巾を使って拭いた。
「久しぶりだな 城ヶ崎陽翔くん…… いや…… 今は最強の一角『ディザスター』か??」
「からかわないでくださいよジョーさん…… それにあなたに鍛えてもらったからここまで戦えるようになったんですから!! ほんっっっとうにありがとうございます!!」
僕がジョーさんに感謝を伝えると、ジョーは嬉しそうに笑った。
「まあ彼との約束だ…… いいんだ…… 今日は最後に君の成長を見に来ただけだ……」
「約束ってなんですか??」
僕が聞くと、ジョーはレシートを持ってレジの方へ向かった。
「私はそろそろ用事があるので、この辺で失礼するよ…… まあ……なんだ…… 幸せに、そして自由に生きてもらえると私も嬉しいよ……」
「え……」
僕はお店を出たジョーを追って外に出た。
周囲を見回しても、ジョーの姿は見当たらなかった。
約束とはなんのことだろう、それに僕にはジョーとこれから先会うことがないだろうとなんとなく思った。
「さっきの人って、前に私たちのところにきたおじいさんだよね…… あんたの師匠??なんだ……」
僕のことを追って、佳澄が店の中からやってきた。
「うん!! 僕に戦い方を教えてくれた尊敬してる人!!」
「なるほどね~」
「まあいいさ、また今度話そうと思う!! 冷めないうちに飲も!!」
僕は佳澄と共に店の中へ戻った。
店の中に入ると、灰色の猫が僕の足によってきた。
東部警察庁の総本部屋上のベンチにジョーは座っていた。
「まったく…… ここまで強くなるとは、私も嬉しいな」
陽翔の成長を思い出して喜んでいると、階段を誰かが上がってきた。
「私は逃げ隠れせんよ…… 天使……」
ジョーが階段の方を見ると、晃の死体を引きずるエルサキナが上がってきた。
「ほらよ、これでちょっとはオレと戦う気になったか」
「私はあいにく、生徒会に干渉している訳ではなくてな…… 誰かすらわからない」
「そりゃ残念だ」
エルサキナは晃の死体を屋上の端っこに投げた。
「オレはこの時代に来て、さらに力を得た」
エルサキナは指パッチンをした。
音が響くと背中から白黒の翼が出現した。
「お前を殺す」
「戦うことはいい、すまないが場所を変えさせてもらう」
ジョーがそう言うと、屋上の貯水タンクの上に人影が見えた。
エルサキナが人影に向けて黒い翼で発生させたビームをぶつけると、そこには英次が立っていた。
英次はビームが当たった衝撃で、まるで結晶が割れるように全身が砕けた。
「結構気に入ってんだが…… 20年前くらいか?? この若い頃姿、それに明るい雰囲気も楽しかった」
英次の体があった場所の空間歪み、そこからスーツを着たソフトモヒカンの男性が現れた。
「分身か…… まあ誰でもいい…… なんの用だ」
「ジョーに頼まれてな…… 悪いが別の場所で戦って貰う」
英次は薙刀を振って斬撃をジョーとエルサキナがいた場所の中心に飛ばした。
空間の歪みが発生し、空間の穴に2人は吸い込まれて消えた。
「西部の街なら、あの次元の戦いをしても大丈夫だろう」
英次はポケットからタバコを1本取り出して、ライターで火をつけて煙を吸った。
「ふぅ…… 俺たちはあいつの手の上で踊らせられているんだろうな……」
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