忘れられた青年(仮タイトル)

剣斗

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第一章 忘れられた青年

第二話

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――――というわけで、早速ダンジョン関連の店へ来ました!市役所から、大体10分くらいの距離にあるお店だ。この街でも最も評価が高い店であるため、結構期待している。

「いらっしゃいませ~!」

 お店の方が元気な声で迎え入れてくれる。今はお客さんも少ないし、店員さんにどんな武器がおすすめか聞いてみるか。あまり人と話すのは得意ではないが、1人だけで選んで後悔するのも嫌だしな。

「すみません。初心者なのですが、良ければどのような武器が良いとか教えていただけませんか?」

「いちばん人気なのは片手剣と盾ですが……個人によってそれぞれの武器の扱いやすさが違うので、一概にも言えませんね。地下に体験場がございますので、良ければ行ってみてはいかがでしょうか?場所が限られているため、1時間毎に6000円の使用料をいただいておりますが……」

「おぉ、そんな物があったのですね。では、地下へ行ってみます。教えていただき、ありがとうございます」

 いいことが聞けたな。2時間前後なら1万円くらいだし、とりあえず地下でそれぞれの武器がどんな感じか、使って確かめてみよう。

 とりあえず、全部の武器を使ってみて、メモ帳にそれぞれの特徴などをメモしてみるか。

・大剣…とにかく重い。満足に振ることもできないくらいだ。ステータスを入手したら多少は変わるのだろうが……俺が振るっても、最初の方のモンスターに手こずりそうだ。最初に躓くのも嫌だし、これはなしだな。

・片手剣…ザ・普通。片手で扱うには少しだけ重いかもしれないが、まったく振るうことができないというわけでもない。盾も装備できるし、重装備を使うならこれが一番いいかもしれない。けど、受け続けてもいつかは死んでしまう。ソロでやるなら回避2重きを置くべきだろう。よって、片手剣はなし。

・短剣…かなり軽く、振りやすいが、いかんせんリーチが短い。片手剣は70cmほど、体験がその2倍の140cmもあったのに、こちらはたったの30cmサブの武器として使うには一番いいだろう。メイン武器にするのは控えたいな。

・槍…長い割には予想以上に軽く、リーチも長い。横薙ぎに振るって距離を取ったり、突きをしてダメージを与えたりと、動きが単調で、遠心力も乗るため扱い易い。
 しかし、単調であると、攻撃が読まれやすいため、少し気をつけた方がいいかもしれない。

・刀…重さ、リーチともに悪くはない。しかし、剣よりも「切る」ことに重きを置いているからか、刃筋がしっかり通っていないと、まともに切れない。
 戦闘中に俺がそんなことを考えられる気もしないし、使うのはやめておこう。

・槌…大剣と似ているが、こちらのほうが先端に振り回される感覚がする。だが、打撃ということもあり、大剣よりも少しだけ攻撃力は高そうだ。まぁ、大剣と同じ理由で不採用になるけど。

・弓…的に当たりはする。しかし、命中率は5割程度。攻撃力もあまり高くはなさそうだし、ソロ向きではないかもな。誰かとやるのなら良いのかもしれないけど……友達がいなくなった人にどうしろと?

・魔銃…ここで見て初めて知った武器。魔力がまだなく、実際には使えないが、他の人が使っているのを少し見てみた限り、かなり使いやすそうな武器だ。高級なのが玉に瑕だな。

・大鎌…刃が内側にしかないのが少し使いづらい。両手で持つこともあり、強くないというわけではないが、微妙だ。重さは大剣と同程度。大剣と同じく、重さの問題で不採用。

・薙刀…こちらも槍と同じくリーチ、重さともに使いやすい。上の方を持てば刀っぽくも使える。刀と違って遠心力も多少乗るため、刀よりも刃筋を通しやすく、切りやすい。槍よりも変化をもたせることができそうだし、長柄の武器だったら、こっちのほうが良さそう。

・片手斧…片手剣よりも攻撃力は少し高くなるが、槌と同じく、やはり少し先端に振り回される。どっちを選ぶかと言われれば、片手剣だな。柄の部分が短いから、当たり判定も大きいしね。

・レイピア…刺突特化で、刺突だけで言えば片手剣よりもかなり強い。しかし、刺突重視は、小さい敵相手だと苦戦してしまいそうだ。切った方が効率が良い気がする。それに、かなりの細さであるため、片手剣よりも折れやすい。装備の更新をあまりしたくないし、片手剣を使ったほうが良い気がする。

・鉤爪…短剣と少し似ている気がするが、多段攻撃な分、こちらのほうが火力が出る。どこかに隠すことが出来れば、奇襲にも使えそうだ……隠すのは難しそうだし、良いのが見つかるまで使わなくてもいいかな。

「……これで、あらかた触ってみたか?」

 うーん……やってみた感じ、メインの武器に据えるのは、長柄武器がいいかな。相手と距離を取れるし、威力も結構高い。個人的に使いやすいと思った薙刀で行こう。

 サブの武器は、今のところは短剣だけにして、お金が溜まったら魔銃も追加だな。手札が多いと、絡め手も使いやすいし。

 よし、買うものはある程度決まったな。時間はかかったけど、上に色々買いに行こうか。

 階段を上がると、いつの間にかかなりの人間が来店していた。一見、30人近くはいるだろうか。地下に人が増えてきたからだいたい予想できていたけど、これほどとは。店内は結構狭めだし、早めに買って出てしまおうか。

「ご購入するものは決まりましたか?」

「はい。体験出来る場所を教えていただき、ありがとうございました。今から、目的のものを探して、レジに持っていこうと思っていたところです」

「それは良かったです。武器と防具をお買い求めの際は、私達をお呼びください。ショーケースからお取りして、レジへお運びいたします」

「わかりました」

 さて、必要なものを探すとするか。まず最初に必要なのは、怪我をしたときに必要な回復薬と、それを入れておくためのバッグ。バッグは小さくて丈夫なものがいいな。

 値段は……回復薬が、低級でも1個1万円、低級の魔物の皮で作られたウエストバッグが5万か。回復薬の瓶はかなり小さいし、結構な数が入りそうだ。5個買っておこう。

 そうだ、短剣もサブの武器として腰につけておくんだし、それもできるようなものを買わないとか。どちらもついてるとなると……8万円か。よし、これを買おう。

 ちなみに、最高額は空間拡張機能付きのカバンで、8㎥の広さなのに1000万近くの値がつけられていた。本体は俺が買おうとしているものとほぼ同じ大きさだ。誰が買えるんだよこんなん。いやまぁ、貴重さはわかるんだけどさ。

 次は防具。金属鎧が15万、革鎧が10万。どちらもダンジョン産の素材で作られたものだ。金属鎧は堅そうだが、動きが遅くなりそうで少し嫌だ。攻撃なんざ、受け流すか避けるかさえすればいいのだ。よって、革鎧を購入。

 なお、防具の最高額は1400万。防御が高いのはもちろんのこと、魔法の威力と自身の速度を上昇させ、一部の魔法を吸収することができるローブだ。いやチートじゃん。何だよ魔法の吸収って。つか、なんでこんなもんがこの街で売られてんだよ。普通は売らないだろうが。

 薙刀は不人気な武器なのか、種類が少ない。まぁ、一番安い鋼鉄製のものでいいか。これが10万。やっぱり、こういう危険物は高いな。仕方のないことだが。

 こちらの最高額は200万。丈夫なだけらしい。いや、さっきまでと比べてすごい地味だな。薙刀を使う人が少ないから、あまりいいものを仕入れてはいないのかな。

 短剣は5万。小さい分、薙刀よりも安いな。ありがたい。最高額は800万。速度の上昇と、攻撃した相手に一定確率で麻痺の付与。搦手に最適そう。高すぎて買えないけど。いや、正直に言えば買えるんだ。けど、そんな高い買い物をしたら生活費が減ってしまう。

 参考程度に大剣の最高額を確認してみると、2500万。どうやら、重量を自由に変更できるらしい。大剣でその能力は普通にチートでは?

 最後に片手剣の最高額。なんと3000万。頑丈かつ軽量で、攻撃、速度の上昇、剣自体の遠隔操作に加えて、一定ダメージまでは障壁を自動展開して守ってくれるらしい。こんなもんを売る人の気が知れねぇ……

 さ、無駄話はこれくらいにして。店員さんを呼んで、武器と防具を取ってもらおう。そろそろ店側の迷惑になりそうだし。

「すみませーん!武器と防具を購入したいのですが!」

「はい!どちらをご購入なさいますか?」

「10万円の革鎧と薙刀、5万円の短剣を一つずつお願いします。それと、薙刀を運ぶための細長い袋があったら買いたいのですが……」

「薙刀本体を買えば、鞘と一緒についてきますよ。それも含めて10万円です」

 お、ありがたい。抜き身のまま運ぶのは流石に気が引けるからな。というか、普通に犯罪になるんだったっけか?

「それでは、お支払いの前に、探索者証の提示をお願いします。探索者以外に売ってしまいますと、法律で罰せられてしまいますので」

 その言葉に反応し、すぐに財布から探索者証を取り出す。それを受け取って、少し見ると、店員さんはすぐに探索者証を返してくれた。

「はい。確認できました。お会計38万円となります。お支払い方法はどうしますか?」

……かなり短かったけど、あんなもんでいいんだな。もう少しちゃんと確認すんのかと思ってたんだけど。なんか見分け方とかあるのかな?

「探索者証に口座を登録していますので、それで支払います」

「では、そちらの機器に探索者証をかざしてください」

 言われた通りにかざすと、ピッと音がなって、支払いがすぐに完了する。予想よりも、全てがあっさりだな。いやまぁ、武器を選ぶのには時間がかかったのだが。

「はい。これで大丈夫です。長刀を運搬する際は、鞘をつけて、柄の部分を袋に入れて運搬してくださいね」

「わかりました。ありがとうございます」

 よし、必要なものはこれで買えたかな。あとは、買った武器を使いこなすための練習だ。装備だけを買ってそのまま潜ったって、敵に当てられずに死んでしまうのが関の山だ。

 確か市役所近くの教会支部の地下に訓練場があったはずだ。そこでいくらか訓練を......待って、木刀とか買ってなかった。これじゃ訓練とかできねぇじゃん。流石に実際のものを振り回すわけにもいかないし。

……良いや、明日にしよ。今日は、薙刀を使っている人たちの動画を見て、動き方とかを軽く勉強するか……
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