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第1章
皇帝ダリアと薬瓶
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母に有無を言わせず婚約を言い渡された三日後、俺は授業を休んでゲノーム公爵邸にいた。
「なにしてるんです?」
シャルロットを訪ねると、ゲノーム家の侍従が案内してくれたのは庭だった。
「皇帝ダリアの植え替えです!」
なんだか学園ではみたこともないような、グレーの作業用ドレスに緑の前掛け姿のシャルロットが答えた。
「ダリア?」
どう見ても低木にしか見えない、葉があまりないものを、彼女は庭のあまり日当たりがよくなさそうな斜面に植え込んでいる。
「ちょっとほうっておいたら、元気がなくなっていて。私もかまってあげられなくなるから、せめて地植えにしようかなって」
シャルロットの話し方に、首をかしげた。
ふと、学園でのシャルロットの話し方を思い出す。
「今日は『でございますわ』っていわないんだな」
シャルロットがうつむいて掘り返した土と、持ってきた色々な色の土を丁寧に混ぜながら、
「ああ、あれはそのほうが高貴に聞こえるからと後宮付きの家庭教師が。それ、とってもらえます?」
作業用手袋の人差し指で指されたさきには、細かな石のようなもの。
おれはそれを一握りにぎって渡すと、たずねた。
「?これはなんだい?」
ふ、とシャルロットがわらう。
「鶏糞です」
叫んだ。叫ばずにいられるか!なんでそんなもんがここにあるんだよ!
シャルロットは小馬鹿にしたような表情で、手を洗うよう指示し、手洗い場まで着いてきて、手袋をはずし、自分もきれいに手をあらい、姿勢をただした。
「……ご無礼いたしました」
美しい淑女の礼。あのとき、止められた王女の礼だ。あまりにピッタリとシャルロットに合うので俺はつい、呆然とみまもってしまった。
「私はこれの他に礼をもっていないので。ご不快ですか?」
スッ、と背筋をのばした彼女が挑発的に笑う。ああ、シャルロットは自分を怒らせようとしているのか。と、やっと納得したと同時に、確かな怒りがわいてきた。
「ああ、マリエッタに見せたなら、ウィル殿下が赦しては下さらないだろうな」
できるだけ、冷淡に睨み付ける。シャルロットはそうね、と頷く。
「今となってはあの野蛮な女がウィルの妻になるのだもの。それで、ウィルに命じられてあなたはゴミの後始末にいらしたってわけ?腰巾着も大変ね」
にらみ返されて、やっぱりな、と前髪をかきあげた。
「ウィル殿下は関係ない。君に婚約を申し込みに来ただけだ」
ちゃんと洗ったはずの手を差し出す。だが、シャルロットは困惑したように俺を見るだけだ。
「…………わからないわ、なぜあなたが?」
何故?なぜときたか?それはお前の親が、無関係の俺の親に責任を捩じ込んで来たからだろう?
イライラする気持ちを隠す必要までは感じなかった。
「さあね。なんでもいいだろ?あんたは今では王都で知るもののないお荷物令嬢だ。俺の手をとらなければ、次はないんじゃないか?」
ああ、とシャルロットはため息をついた。
「大体事情はわかりましたわ。ええ、婚約には応じましょう」
そういって俺の手をとる。俺はかたちばかり、唇をその小さくて冷たく骨ばった手にちかづけた。
よし、これでいいだろう。つまらない女に時間をとられてしまったな。と踵を返そうとすると、まって、とシャルロットが言った。
「子爵令息さまにお願いがあるの」
俺はもはや不機嫌を隠すのも難しくなっていた。
「うちは貧しいから持参金はないぞ」
イライラとふりかえると、泣き出す一歩手前のような緋色の瞳が目に入った。
「明日、私を殺してください」
え、とつい彼女に向き直る。
「馬鹿な、なぜ?」
それには答えずシャルロットはポケットから小瓶を取り出した。
「明日、ここでわたくしの従姉妹を呼んで読書会をひらきます。私のお茶にこれを」
俺は差し出された手から一歩後ずさった。
「大丈夫、一瞬で死にますから心臓発作に見えるでしょう。あなたに嫌疑はかからないよう細工しておきます。さあ、受け取って」
さらに瓶を差し出す。その細い指が震えていることに気がついたけれど、俺はただ間抜けにも瓶をうけとるだけだった。
「ありがとう。では、また明日」
シャルロットが屋敷へ歩いてゆく。白い薔薇の垣根を曲がってゆくその背中はあまりに小さくてたよりなく、俺はやりきれなくなって無理やりわたされた瓶を強く握った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺が子爵邸に帰ると、執事が奥からつかつかと歩いてくるのが見えた。奴は仕事は真面目にやるが、母上や兄ほどには俺を敬わない。大抵このまま素通りしてゆくだろう。
三男の運命だろうが、ため息をついて上着とコートをぬいでいると、奴は珍しくそれを受け取りに来た。
「おかえりなさいませ、ダニエル様」
おっと、珍しいこともあるもんだなとしばらく目を目を円くしてから、得心した。いままではしがない子爵家の部屋住み三男でも、いまや公爵家を継ぐ身ってことか。つまり、兄たちにとってはこの上ないバックボーンが俺なわけね。
なんか、どっと疲れてしまって適当に奥へと引っ込もうとすると、
「お客様がおみえでございます」
とひきとめられた。重く感じる体を引きずって、客間へむかう。
「ガイズ、マリエッタまで。どうした」
客間で待っていたのは、暗い表情のガイズとマリエッタだった。
「遅かったじゃないか」
ガイズが、責めるように言う。
「すまない、来ると知っていたらまっすぐ帰ったんだが。どうしたんだマリエッタ」
マリエッタは、ずっとうつむいたまま涙をうかべている。
「今日は王宮殿にはいかなかったのか?」
顔をあげたマリエッタは、俺に向かってなにかを投げつけてきた。
「……靴?」
ヒールの高い、ダンス用の靴だ。王宮での色々なセレモニーにかかせない、ダンスを踊るための靴。
「なんだよ、めちゃくちゃボロいじゃん」
それは、かかとのところにかなりの傷のある、裏面が剥がれかかった靴だった。
「こんなの履かされてるの?王宮の癖にケチだな」
そういうと、マリエッタはかぶりをふった。
「それはシャルロット様のです!」
わあわあと泣き出すマリエッタに、ガイズが肩を竦めて両手をあげる。
放課後王宮殿での王妃教育にゆくマリエッタに、ガイズは付き添っている。
「どうやら、マリエッタ嬢のダンスが上達しないことに腹をたてたダンス教師が、これをマリエッタにみせたらしいんだ」
『伯爵令嬢、こちらは先だってまでここへいらしていた別の令嬢が、1ヶ月履いた練習靴です!毎日何時間も休まず練習なさって、このようにボロボロになったのです!』
そういって出してきたらしい。1ヶ月でこんなになるって、競技会にでもでるつもりかよ。
「他の教師にも、同じように言われたらしい」
『あの方は、一晩で覚えてくださいました』
『あの方は、もっと自然に動いていました』
くらべられて、マリエッタはすっかり自信をなくしてしまったらしい。
「マリエッタが外国で庶民の学校に通っていたときもシャルロットは王妃教育をうけられていたんだぞ?なぜ比べるんだ」
俺がそう言うと、ガイズもうなづく。
「俺もそれをウィルに話したんだが、どうやら今日、王妃にまで……」
ガイズの言葉に、マリエッタは泣き出した。
「ひどいわ!王妃さまもシャルロット様がいるときは私を誉めてくださっていたのに、今になって!」
『もう少し、あなたには気品というものが必要ね』
マリエッタはわあわあと泣き、ガイズはうんざりしたように耳をふさいでうつ向いている。
「まいったな……これは……」
俺は向かいに座るガイズの頭のてっぺんをみながら、呟くより他なかった。
「なにしてるんです?」
シャルロットを訪ねると、ゲノーム家の侍従が案内してくれたのは庭だった。
「皇帝ダリアの植え替えです!」
なんだか学園ではみたこともないような、グレーの作業用ドレスに緑の前掛け姿のシャルロットが答えた。
「ダリア?」
どう見ても低木にしか見えない、葉があまりないものを、彼女は庭のあまり日当たりがよくなさそうな斜面に植え込んでいる。
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「今日は『でございますわ』っていわないんだな」
シャルロットがうつむいて掘り返した土と、持ってきた色々な色の土を丁寧に混ぜながら、
「ああ、あれはそのほうが高貴に聞こえるからと後宮付きの家庭教師が。それ、とってもらえます?」
作業用手袋の人差し指で指されたさきには、細かな石のようなもの。
おれはそれを一握りにぎって渡すと、たずねた。
「?これはなんだい?」
ふ、とシャルロットがわらう。
「鶏糞です」
叫んだ。叫ばずにいられるか!なんでそんなもんがここにあるんだよ!
シャルロットは小馬鹿にしたような表情で、手を洗うよう指示し、手洗い場まで着いてきて、手袋をはずし、自分もきれいに手をあらい、姿勢をただした。
「……ご無礼いたしました」
美しい淑女の礼。あのとき、止められた王女の礼だ。あまりにピッタリとシャルロットに合うので俺はつい、呆然とみまもってしまった。
「私はこれの他に礼をもっていないので。ご不快ですか?」
スッ、と背筋をのばした彼女が挑発的に笑う。ああ、シャルロットは自分を怒らせようとしているのか。と、やっと納得したと同時に、確かな怒りがわいてきた。
「ああ、マリエッタに見せたなら、ウィル殿下が赦しては下さらないだろうな」
できるだけ、冷淡に睨み付ける。シャルロットはそうね、と頷く。
「今となってはあの野蛮な女がウィルの妻になるのだもの。それで、ウィルに命じられてあなたはゴミの後始末にいらしたってわけ?腰巾着も大変ね」
にらみ返されて、やっぱりな、と前髪をかきあげた。
「ウィル殿下は関係ない。君に婚約を申し込みに来ただけだ」
ちゃんと洗ったはずの手を差し出す。だが、シャルロットは困惑したように俺を見るだけだ。
「…………わからないわ、なぜあなたが?」
何故?なぜときたか?それはお前の親が、無関係の俺の親に責任を捩じ込んで来たからだろう?
イライラする気持ちを隠す必要までは感じなかった。
「さあね。なんでもいいだろ?あんたは今では王都で知るもののないお荷物令嬢だ。俺の手をとらなければ、次はないんじゃないか?」
ああ、とシャルロットはため息をついた。
「大体事情はわかりましたわ。ええ、婚約には応じましょう」
そういって俺の手をとる。俺はかたちばかり、唇をその小さくて冷たく骨ばった手にちかづけた。
よし、これでいいだろう。つまらない女に時間をとられてしまったな。と踵を返そうとすると、まって、とシャルロットが言った。
「子爵令息さまにお願いがあるの」
俺はもはや不機嫌を隠すのも難しくなっていた。
「うちは貧しいから持参金はないぞ」
イライラとふりかえると、泣き出す一歩手前のような緋色の瞳が目に入った。
「明日、私を殺してください」
え、とつい彼女に向き直る。
「馬鹿な、なぜ?」
それには答えずシャルロットはポケットから小瓶を取り出した。
「明日、ここでわたくしの従姉妹を呼んで読書会をひらきます。私のお茶にこれを」
俺は差し出された手から一歩後ずさった。
「大丈夫、一瞬で死にますから心臓発作に見えるでしょう。あなたに嫌疑はかからないよう細工しておきます。さあ、受け取って」
さらに瓶を差し出す。その細い指が震えていることに気がついたけれど、俺はただ間抜けにも瓶をうけとるだけだった。
「ありがとう。では、また明日」
シャルロットが屋敷へ歩いてゆく。白い薔薇の垣根を曲がってゆくその背中はあまりに小さくてたよりなく、俺はやりきれなくなって無理やりわたされた瓶を強く握った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺が子爵邸に帰ると、執事が奥からつかつかと歩いてくるのが見えた。奴は仕事は真面目にやるが、母上や兄ほどには俺を敬わない。大抵このまま素通りしてゆくだろう。
三男の運命だろうが、ため息をついて上着とコートをぬいでいると、奴は珍しくそれを受け取りに来た。
「おかえりなさいませ、ダニエル様」
おっと、珍しいこともあるもんだなとしばらく目を目を円くしてから、得心した。いままではしがない子爵家の部屋住み三男でも、いまや公爵家を継ぐ身ってことか。つまり、兄たちにとってはこの上ないバックボーンが俺なわけね。
なんか、どっと疲れてしまって適当に奥へと引っ込もうとすると、
「お客様がおみえでございます」
とひきとめられた。重く感じる体を引きずって、客間へむかう。
「ガイズ、マリエッタまで。どうした」
客間で待っていたのは、暗い表情のガイズとマリエッタだった。
「遅かったじゃないか」
ガイズが、責めるように言う。
「すまない、来ると知っていたらまっすぐ帰ったんだが。どうしたんだマリエッタ」
マリエッタは、ずっとうつむいたまま涙をうかべている。
「今日は王宮殿にはいかなかったのか?」
顔をあげたマリエッタは、俺に向かってなにかを投げつけてきた。
「……靴?」
ヒールの高い、ダンス用の靴だ。王宮での色々なセレモニーにかかせない、ダンスを踊るための靴。
「なんだよ、めちゃくちゃボロいじゃん」
それは、かかとのところにかなりの傷のある、裏面が剥がれかかった靴だった。
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そういうと、マリエッタはかぶりをふった。
「それはシャルロット様のです!」
わあわあと泣き出すマリエッタに、ガイズが肩を竦めて両手をあげる。
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「どうやら、マリエッタ嬢のダンスが上達しないことに腹をたてたダンス教師が、これをマリエッタにみせたらしいんだ」
『伯爵令嬢、こちらは先だってまでここへいらしていた別の令嬢が、1ヶ月履いた練習靴です!毎日何時間も休まず練習なさって、このようにボロボロになったのです!』
そういって出してきたらしい。1ヶ月でこんなになるって、競技会にでもでるつもりかよ。
「他の教師にも、同じように言われたらしい」
『あの方は、一晩で覚えてくださいました』
『あの方は、もっと自然に動いていました』
くらべられて、マリエッタはすっかり自信をなくしてしまったらしい。
「マリエッタが外国で庶民の学校に通っていたときもシャルロットは王妃教育をうけられていたんだぞ?なぜ比べるんだ」
俺がそう言うと、ガイズもうなづく。
「俺もそれをウィルに話したんだが、どうやら今日、王妃にまで……」
ガイズの言葉に、マリエッタは泣き出した。
「ひどいわ!王妃さまもシャルロット様がいるときは私を誉めてくださっていたのに、今になって!」
『もう少し、あなたには気品というものが必要ね』
マリエッタはわあわあと泣き、ガイズはうんざりしたように耳をふさいでうつ向いている。
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