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第1章
指輪の秘密と元令嬢
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シャルロットが手伝ったおかげで、茶会はつつがなく行われたらしい。無論、当日の差配まで王妃はして欲しいと頼んだけれど、それにはシャルロットはうなづかなかった。
「いいのか?せっかくあんたの仕事が皆に認められるはずだったのに」
俺とシャルロットは、学園のサロンに座って午後のお茶を飲んでいる。
「行けばなにが起こるか分かっているわ」
澄ました様子で彼女はお茶を飲む。ええ、と俺は眉をしかめた。噂をすればほら、と彼女が指し示す方向には、マリエッタ。
「素晴らしい茶会でしたわね、マリエッタ様!」
制服ではなく騎士服を着て髪を高く結い上げた少女が飛び付くようにしながらマリエッタを誉めているのが聞こえた。どうやら茶会の招待客のひとりだったようだ。
「私どもも感心いたしましたわ!」
もうひとりの令嬢も、マリエッタへ賛辞をおくっている。側のガイズは黙ってマリエッタの様子を見守っていた。
「そうね…」
しかし、マリエッタ本人はというと、全く上の空というか、顔色は冴えなかった。
「珍しい、特別クラスの奴らが」
特別棟は、普段教職員と同じラウンジで食事をとる。一般棟のテラスへ来ることなど、いままでではあまりなかったことだ。
「ダニエル様、シャルロット様、こちらでしたのね」
マリエッタが駆け寄ってくる。ああ、絶対転ぶなあと思っていると、
「転ばないでください、ここで転ぶと怪我をしますよ」
とシャルロットが言った。マリエッタがぴたりと足を止め、まるでなにか悪事を見つかったかのように悔しげな表情でこちらをにらんだ。
「それで、何の用かしら?」
ぐいっと頭をあげ、マリエッタはこちらへと歩いてくる。
「昨日、なぜ来てくださらなかったのですか?やっぱり、私の事を恨んでいらっしゃるのですね。申し訳……」
マリエッタが話し終わる前に、シャルロットは半ば自暴自棄ともいえる程の大声で
「お許しくださりませ妃殿下!どうかダニエル様の指輪をお返し下さりませ!」
と叫んだ。まるでたった今、マリエッタが婚約指輪を奪ったかのように。
マリエッタとクラスメートたちは
「ちょっと、皆がきいたら誤解するわ、止めて、止めて頂戴!」
と止めにかかる。しかし、シャルロットはマリエッタが近づくと椅子からおりて平身低頭、土下座の構えだ。マリエッタはキョロキョロとあたりを見回し、生徒たちが集まる前にとポケットをさぐった。
「か、返すから!要らないわよこんなもの、王太子妃はダイヤをつけられないんだから!」
そう言うと、じゃら、と音のする小袋を取り出した。
俺はそれを受けとると、テーブルの上へとひろげた。シャルロットの指輪は、台座からダイヤを押さえていた二本のリングがはずれ、繊細なカットのダイヤはバラバラにとびちってしまっている。
「酷い……」
大袈裟なくらいに震えながら、シャルロットは口元を隠して俺の方へ寄ってきた。しかし、ちらりとみえた口元は笑っているようにみえる。
「どうしてこんな。私をそんなにお嫌いなら、王宮殿の仕事などさせなければよかったではありませんか!」
シャルロットが叫んだ。顔を覆って号泣しているように見せかけている。なんなんだ、この茶番は。
「ち、違うわ!落ちた弾みで壊れたのよ!どうせ安物だからよ。私のせいじゃないわ!」
へえ、と俺はシャルロットの頭からジャケットを着せかけながら、マリエッタを見た。俺と目が合うと、マリエッタはあっ、というような表情になり、口をおさえた。なるほど、そんな風に俺のことをおもっていたわけか。
「御前失礼いたします。彼女をなぐさめなくてはならないので……俺の財力じゃ、これを直せるかどうか分からないですから」
俺の言い方がツボにはいったのか、シャルロットがいっそう肩を震わせた。
行こう、とシャルロットの肩を抱いて校舎へと戻る。ちらりと見遣ったマリエッタは、違うわ!嘘よ!罠なんだわ、とまわりに大声をだして言い訳しているようだったが、一部始終を見ていた生徒の前では、あまり効果は期待できなさそうだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「笑いすぎだろう」
マリエッタの姿がみえなくなったところでシャルロットから上着をとりかえした。涙までうかべてまだくすくす笑いつづけている。
「だって、これ、指輪!ばらっばら!」
そう言うと、指輪の三つに分かれていた部分をかちかちと嵌め込んでゆく。
「これ、見ててね」
そう言うと、俺の手をとった。
彼女が指輪をはめようとしているのが、俺の左の薬指なものだから、なんとなくくすぐったいような気分でみていると……意外にもうまく入ってしまった。
「ねえ、外してみて!」
シャルロットに輝く笑顔で言われて、指輪を外そうとすると、何かが関節にひっかかり、ぱち、と小さな音がした。
「…………!」
指輪は抜けたけれど、台座はさっきのようにバラバラになってしまったのだ。
俺はシャルロットをじっとみた。たしか、彼女からマリエッタが取り上げたときには、指輪はばらけたりしていなかった。
「私より太い指のかたが嵌めるとバラける仕組みなの。細工して貰うのに結構高くついちゃったけど、とっても面白かったわ!あなたも見たでしょ、あの女の顔ったら!」
こんなにうまくいくなんて!とシャルロットは笑う。
「……自分以外の人間に、取り上げられる事を前提に、この指輪を?」
シャルロットはそれをきいてええ、と笑った。俺は指輪の台座を袋にいれながら、ふと考えた。
あのとき、随分見た目の悪い指輪だと思ったけれど、それは彼女の趣味からではなく、このためだったのだ。
「なあ、あの宝石商をもう一度よんで貰えるか?」
笑いながら歩くシャルロットに尋ねる。
「どうして?」
シャルロットは、爪先だけでくるりとまわった。
「駄目か?」
細工専門とかじゃなければいいんだが。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エレベーターを待つ暇もなく、俺は階段を駆け上がっていた。編集室へ飛び込むと、暇そうな5、6人の記者が集まってテーブルにチェスボードをひろげていた。
「何かあったのか?」
ひとりが俺の方を見て尋ねる。俺は上から覗き込み、その紙のまん中あたりを指差した。
「ここに白のナイト」
ぎゃっ、と黒を動かしていた記者が叫び、回りを囲んでいた記者がからからとわらった。
編集室の左手奥、編集長の部屋の隣にある倉庫で、俺はある資料を探す。
「どうしたのよ、来るなり」
後ろから編集長が、声をかけてきた。
「ちょっと、金が必要になって、なんかいい記事になりそうなタネがないかなと。王妃殿下について、書かれた資料はここにあるだけでしょうか?」
俺ががさがさやっていると、王妃殿下?と編集長が妙に裏返った声をあげた。
「どうして?」
俺は編集長を振り返り、シャルロット嬢と王宮殿に通っていた話をすると、編集長は眉をきゅっ、と吊り上げた。
「それ、ホントに?王太子の婚約者が貴方を隠し子だと?」
まさか、と俺は首をふった。
「俺と母上は滅茶苦茶似てますからね。王妃の隠し子なわけはないですよ」
ふうん、と彼女は首をかしげる。
「王妃がそんなに貴方を心配するなら、王の、というセンも無さそうね……なんだ、じゃあ大したことなさそう。記事になりそうにないわね……それより、先週から海岸で頻発してる怪獣の目撃談、貴方も取材してきてよ。うまく行けばいい儲けになるはずよ!あ、でも、王妃の件も記事になりそうなら教えてちょうだいね?」
ぱちっ、とウインクしてから編集長は部屋へ戻っていった。
「…海………怪獣?」
畳み掛けるように言われた言葉に聞き捨てならない単語があって、俺は編集長が去ったほうを呆然と見送った。
「いいのか?せっかくあんたの仕事が皆に認められるはずだったのに」
俺とシャルロットは、学園のサロンに座って午後のお茶を飲んでいる。
「行けばなにが起こるか分かっているわ」
澄ました様子で彼女はお茶を飲む。ええ、と俺は眉をしかめた。噂をすればほら、と彼女が指し示す方向には、マリエッタ。
「素晴らしい茶会でしたわね、マリエッタ様!」
制服ではなく騎士服を着て髪を高く結い上げた少女が飛び付くようにしながらマリエッタを誉めているのが聞こえた。どうやら茶会の招待客のひとりだったようだ。
「私どもも感心いたしましたわ!」
もうひとりの令嬢も、マリエッタへ賛辞をおくっている。側のガイズは黙ってマリエッタの様子を見守っていた。
「そうね…」
しかし、マリエッタ本人はというと、全く上の空というか、顔色は冴えなかった。
「珍しい、特別クラスの奴らが」
特別棟は、普段教職員と同じラウンジで食事をとる。一般棟のテラスへ来ることなど、いままでではあまりなかったことだ。
「ダニエル様、シャルロット様、こちらでしたのね」
マリエッタが駆け寄ってくる。ああ、絶対転ぶなあと思っていると、
「転ばないでください、ここで転ぶと怪我をしますよ」
とシャルロットが言った。マリエッタがぴたりと足を止め、まるでなにか悪事を見つかったかのように悔しげな表情でこちらをにらんだ。
「それで、何の用かしら?」
ぐいっと頭をあげ、マリエッタはこちらへと歩いてくる。
「昨日、なぜ来てくださらなかったのですか?やっぱり、私の事を恨んでいらっしゃるのですね。申し訳……」
マリエッタが話し終わる前に、シャルロットは半ば自暴自棄ともいえる程の大声で
「お許しくださりませ妃殿下!どうかダニエル様の指輪をお返し下さりませ!」
と叫んだ。まるでたった今、マリエッタが婚約指輪を奪ったかのように。
マリエッタとクラスメートたちは
「ちょっと、皆がきいたら誤解するわ、止めて、止めて頂戴!」
と止めにかかる。しかし、シャルロットはマリエッタが近づくと椅子からおりて平身低頭、土下座の構えだ。マリエッタはキョロキョロとあたりを見回し、生徒たちが集まる前にとポケットをさぐった。
「か、返すから!要らないわよこんなもの、王太子妃はダイヤをつけられないんだから!」
そう言うと、じゃら、と音のする小袋を取り出した。
俺はそれを受けとると、テーブルの上へとひろげた。シャルロットの指輪は、台座からダイヤを押さえていた二本のリングがはずれ、繊細なカットのダイヤはバラバラにとびちってしまっている。
「酷い……」
大袈裟なくらいに震えながら、シャルロットは口元を隠して俺の方へ寄ってきた。しかし、ちらりとみえた口元は笑っているようにみえる。
「どうしてこんな。私をそんなにお嫌いなら、王宮殿の仕事などさせなければよかったではありませんか!」
シャルロットが叫んだ。顔を覆って号泣しているように見せかけている。なんなんだ、この茶番は。
「ち、違うわ!落ちた弾みで壊れたのよ!どうせ安物だからよ。私のせいじゃないわ!」
へえ、と俺はシャルロットの頭からジャケットを着せかけながら、マリエッタを見た。俺と目が合うと、マリエッタはあっ、というような表情になり、口をおさえた。なるほど、そんな風に俺のことをおもっていたわけか。
「御前失礼いたします。彼女をなぐさめなくてはならないので……俺の財力じゃ、これを直せるかどうか分からないですから」
俺の言い方がツボにはいったのか、シャルロットがいっそう肩を震わせた。
行こう、とシャルロットの肩を抱いて校舎へと戻る。ちらりと見遣ったマリエッタは、違うわ!嘘よ!罠なんだわ、とまわりに大声をだして言い訳しているようだったが、一部始終を見ていた生徒の前では、あまり効果は期待できなさそうだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「笑いすぎだろう」
マリエッタの姿がみえなくなったところでシャルロットから上着をとりかえした。涙までうかべてまだくすくす笑いつづけている。
「だって、これ、指輪!ばらっばら!」
そう言うと、指輪の三つに分かれていた部分をかちかちと嵌め込んでゆく。
「これ、見ててね」
そう言うと、俺の手をとった。
彼女が指輪をはめようとしているのが、俺の左の薬指なものだから、なんとなくくすぐったいような気分でみていると……意外にもうまく入ってしまった。
「ねえ、外してみて!」
シャルロットに輝く笑顔で言われて、指輪を外そうとすると、何かが関節にひっかかり、ぱち、と小さな音がした。
「…………!」
指輪は抜けたけれど、台座はさっきのようにバラバラになってしまったのだ。
俺はシャルロットをじっとみた。たしか、彼女からマリエッタが取り上げたときには、指輪はばらけたりしていなかった。
「私より太い指のかたが嵌めるとバラける仕組みなの。細工して貰うのに結構高くついちゃったけど、とっても面白かったわ!あなたも見たでしょ、あの女の顔ったら!」
こんなにうまくいくなんて!とシャルロットは笑う。
「……自分以外の人間に、取り上げられる事を前提に、この指輪を?」
シャルロットはそれをきいてええ、と笑った。俺は指輪の台座を袋にいれながら、ふと考えた。
あのとき、随分見た目の悪い指輪だと思ったけれど、それは彼女の趣味からではなく、このためだったのだ。
「なあ、あの宝石商をもう一度よんで貰えるか?」
笑いながら歩くシャルロットに尋ねる。
「どうして?」
シャルロットは、爪先だけでくるりとまわった。
「駄目か?」
細工専門とかじゃなければいいんだが。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
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「何かあったのか?」
ひとりが俺の方を見て尋ねる。俺は上から覗き込み、その紙のまん中あたりを指差した。
「ここに白のナイト」
ぎゃっ、と黒を動かしていた記者が叫び、回りを囲んでいた記者がからからとわらった。
編集室の左手奥、編集長の部屋の隣にある倉庫で、俺はある資料を探す。
「どうしたのよ、来るなり」
後ろから編集長が、声をかけてきた。
「ちょっと、金が必要になって、なんかいい記事になりそうなタネがないかなと。王妃殿下について、書かれた資料はここにあるだけでしょうか?」
俺ががさがさやっていると、王妃殿下?と編集長が妙に裏返った声をあげた。
「どうして?」
俺は編集長を振り返り、シャルロット嬢と王宮殿に通っていた話をすると、編集長は眉をきゅっ、と吊り上げた。
「それ、ホントに?王太子の婚約者が貴方を隠し子だと?」
まさか、と俺は首をふった。
「俺と母上は滅茶苦茶似てますからね。王妃の隠し子なわけはないですよ」
ふうん、と彼女は首をかしげる。
「王妃がそんなに貴方を心配するなら、王の、というセンも無さそうね……なんだ、じゃあ大したことなさそう。記事になりそうにないわね……それより、先週から海岸で頻発してる怪獣の目撃談、貴方も取材してきてよ。うまく行けばいい儲けになるはずよ!あ、でも、王妃の件も記事になりそうなら教えてちょうだいね?」
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