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第4章
黒幕の狙いは
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「ああああ!!」
叫びながらオバサン……偽シャルロットは俺とは逆側、つまり、ピアノ室の大きい扉がある方を目ざしてゴム毬みたいに駆け出した。あまりにデカイ叫び声に、俺たちの行動はすこしだけ遅くなる。
「逃すか!」
扉を開けるまえに、そこからイグニットとガイズが飛び出してきて、ヤツを捕獲した。
「うわ、なんだこれ?人間か?」
と、ガイズが叫ぶのを止めさせようとして、手を噛まれそうになりながら言う。
「……聞こえてたろ?そいつがニセモノのシャルロットだよ」
扉の前に待機させておいたのは正解だったな。使用人の通用口は目茶苦茶入り組んでいたが、道に迷ったとはいえ、そこから出られたのは幸いだった。
「では、あの噂はすべてこのお婆さんが?」
ガイズの言葉に、がうぁ!と口と手足を縛られたオバサンが跳ねる。たぶん、失礼ね、と言ってるんだろう。
「噂?」
騒ぎに集まってきた侍従長がたずねた。俺はシャルロットをふりかえり、ガイズに彼女を部屋まで送るように頼んだ。
「……これ以上、噂についてはシャルロットの耳にはいれたくない」
そう言うと、ガイズはシャルロットとともに、ピアノ室を出ようとする。
シャルロットは
「どうして、私は平気よ?」
と残ろうとしたけれど、
「これから俺がすることを、お前に見せたくない」
と言うと、少し怯んだ様子で、渋々立ち去ってくれた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺はヤツの口から、猿轡のように噛ませてあったガイズのハンカチを抜き去り、湿ったそれでヤツの顔を拭った。
「いやあ!なにすんのよ!」
その素顔は、どこにでもいる中年の女だ。癖のあるへばりつくような茶の髪は短く切られており、白髪が二、三本目についた。小鼻が広がって据わっており、目は小さくて唇は厚いが小さい。東洋の絵画で見たような顔で、シャルロットとは似ても似つかない。
俺は鼻で嗤ってしまう。注意深くホルスターから銃を取り出し、ヤツの顔に突きつけた。
侍従たちも騎士の二人も、驚いて言葉をなくしている。この国では剣が主流で、上流階級では狩猟用の銃は使われていても、短銃となると野蛮な武器だと忌避されていた。
「本当に、これでよく騙されたもんだよな」
かちり、と安全装置をはずす。
「お前らも、俺たちも」
今、俺はどんな風にみえているんだろう?こんな人間に、本当についてくる者などいるんだろうか?
「ころ、殺さないで!なんでも話す、なんでも話すからア!」
コイツがなにを知ってるって言うんだ。とも思うが、トリガーをひく前にイグニット准将が俺の脇にしゃがんだ。
「若様、こんな仕事は我々が」
そういって躊躇なく銃と俺の手を引き剥がした。
思いの外強く握られて、右手はそのあとなんとなく痺れたように痛んだ。
イグニット准将は、かまえていた剣を喉元へ突きつけて尋ねる。
「お前、名前は」
銃が剣になったところで状況が変わったわけではない。オバサンは、ヒイイヒイイと泣きながら、
「マルテよ、マルテ・バルケスよお!」
と叫んだ。
「バルケス?隣国の出身か。ここでなにをしていた?目的はなんだ?」
そうだった、このフェリクス領は隣国と接している。まして隣国は、共和国を名乗り今までの王政を倒して民衆が政権をとる国だが、いまだ情勢は不安定だ。
「アタクシはただ、ドレスのデザインをしていたのよォ、ここへ来ていた男たちは皆、デザインを買い付けに来た商人なの!アタクシ、共和国になる前は有名なデザイナーだったのよ!」
はあ?と俺は眉をしかめた。
「じゃ、なんでそのデザイナーのオバサンがここで仕事を?」
マルテは両足をふって体をよじりながら、
「騙されたのよォ!あの男、ローシェってヤツがこの国なら沢山貴族令嬢がいるから、仕事を紹介するとか言って!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マルテの話では、ローシェは王都での屋敷を用意すると騙してマルテをこの国に引き入れた。
そして、バーンダイクでゲノーム公爵にひきあわされた。
「アイツ、あそこが自分の邸宅だからっていってたわよ!」
しかし、マルテはすぐにそこが大公の屋敷であり公爵は預かる身にすぎないと気付いた。
「公爵領ではアシがつくから、他人の領地をつかったわけか」
俺がボソッと言うと、ええ、とマルテは頷いた。
「アイツらはあそこで高級な宝石を使ったアクセサリーやドレスを生産して、アタシのデザインで海外へ密輸してたっぷり儲けてるわ」
あそこで売ったぶんは大公領の収入……王室に税を納める必要がない。公爵のやっていることは大胆な脱税だった。
「爵位のない王都の民間人が土地や建物の管財をしてるから、見にも来なかったし、やりたい放題よ」
チッ、と俺は舌打ちをした。
編集長の夫、ドリアーノ氏は近隣の国の革命前の皇帝だ。国外へ追放された彼が国境地帯に近づかないだろうことを利用して、ゲノーム公爵はドリアーノ氏に土地と建物を二束三文で売ったのだ。
おそらくこの事が明るみになっても、彼らはドリアーノ氏に罪を被せ、自分たちは脱税の訴追を逃れる算段だったのだろう。
だから辺境のバーンダイクで、衣料品店だけがあんなにも高級なドレスを作っていたのだ。おそらくあの店で作られていたのは、商人たちに見せる商品見本といったところだろう。
「で、その高名なデザイナー様が、なぜ貴族令嬢の真似などしていた?」
うう、とマルテは唸った。
「仕方なかったのよ、あの方がそうするよう指示して……」
あのかたとは?、とイグニットがくびもとで剣をかちり、と鳴らした。
「言うわよ!……バリー様よ、宰相の。あの方はゲノーム公爵なんかよりずっと怖いわよ。脱税のことだけじゃなくて、他に秘密があるみたいだった。もっとおぞましい秘密よ」
秘密とはなにか、とイグニットが尋ねようとすると、マルテは身をよじった。
「しらないわ!アタクシが知ってるのは、バリー様に命令してる王族かなんかがさらににいるってことと、ソイツは大公子が破滅するのを待ってるってことよ!」
あ?と俺が思うまえに、イグニットがマルテの首に手をかけていた。5本の指が首に食い込んで、両足が宙にういている。
「イグニット、殺すんじゃない」
バレン将軍にいわれて、マルテは再び床に投げ出された。
「不遜の輩め、若様を呪うとは!」
バレンに言われて、マルテは顔中をびしょびしょにして泣いていた。
「アタシはただ、命じられただけよう、妻が愛妾に召しあげられたら、旦那は怒るのが普通でしょ?王室に離叛する考えの持ち主の筆頭になるからって」
なるほど、だから俺が公爵家に婿入りする必要があったのだ。一度婿入りしてその家の爵位を継げば、実家の継承権は手放すことと法に定められている。
つまり、公爵になれば、大公家をつぐことができなくなり、妻であるシャルロットは王命によって愛妾にすることもできる。
一方のシャルロットは王妃教育で厳しくそだてられ、王室の職務上いなくてはならない人物だが、不品行により王妃にはなれない、愛妾ならばと社交界のみならず民衆にも思わせておく。
狙いははじめから定まっていた。シャルロットがあれほど苦しんだのは、
「俺のせいか」
ボソッと呟いた俺に、殺しましょう、とイグニットが声をかけてきた。
「この女、ここで殺しましょう。それがいい」
いやあああ!とマルテは暴れだした。
「助けて!助けてええ!」
俺はヨロヨロと立ち上がった。頭が割れるように痛む。
「……牢の用意は?」
尋ねると、バレンができていますと答えた。
「少し休む。牢へいれておけ……イグニット、殺すなよ」
今はあまり、ものを考えられそうになかった。
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「うわ、なんだこれ?人間か?」
と、ガイズが叫ぶのを止めさせようとして、手を噛まれそうになりながら言う。
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「……これ以上、噂についてはシャルロットの耳にはいれたくない」
そう言うと、ガイズはシャルロットとともに、ピアノ室を出ようとする。
シャルロットは
「どうして、私は平気よ?」
と残ろうとしたけれど、
「これから俺がすることを、お前に見せたくない」
と言うと、少し怯んだ様子で、渋々立ち去ってくれた。
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俺はヤツの口から、猿轡のように噛ませてあったガイズのハンカチを抜き去り、湿ったそれでヤツの顔を拭った。
「いやあ!なにすんのよ!」
その素顔は、どこにでもいる中年の女だ。癖のあるへばりつくような茶の髪は短く切られており、白髪が二、三本目についた。小鼻が広がって据わっており、目は小さくて唇は厚いが小さい。東洋の絵画で見たような顔で、シャルロットとは似ても似つかない。
俺は鼻で嗤ってしまう。注意深くホルスターから銃を取り出し、ヤツの顔に突きつけた。
侍従たちも騎士の二人も、驚いて言葉をなくしている。この国では剣が主流で、上流階級では狩猟用の銃は使われていても、短銃となると野蛮な武器だと忌避されていた。
「本当に、これでよく騙されたもんだよな」
かちり、と安全装置をはずす。
「お前らも、俺たちも」
今、俺はどんな風にみえているんだろう?こんな人間に、本当についてくる者などいるんだろうか?
「ころ、殺さないで!なんでも話す、なんでも話すからア!」
コイツがなにを知ってるって言うんだ。とも思うが、トリガーをひく前にイグニット准将が俺の脇にしゃがんだ。
「若様、こんな仕事は我々が」
そういって躊躇なく銃と俺の手を引き剥がした。
思いの外強く握られて、右手はそのあとなんとなく痺れたように痛んだ。
イグニット准将は、かまえていた剣を喉元へ突きつけて尋ねる。
「お前、名前は」
銃が剣になったところで状況が変わったわけではない。オバサンは、ヒイイヒイイと泣きながら、
「マルテよ、マルテ・バルケスよお!」
と叫んだ。
「バルケス?隣国の出身か。ここでなにをしていた?目的はなんだ?」
そうだった、このフェリクス領は隣国と接している。まして隣国は、共和国を名乗り今までの王政を倒して民衆が政権をとる国だが、いまだ情勢は不安定だ。
「アタクシはただ、ドレスのデザインをしていたのよォ、ここへ来ていた男たちは皆、デザインを買い付けに来た商人なの!アタクシ、共和国になる前は有名なデザイナーだったのよ!」
はあ?と俺は眉をしかめた。
「じゃ、なんでそのデザイナーのオバサンがここで仕事を?」
マルテは両足をふって体をよじりながら、
「騙されたのよォ!あの男、ローシェってヤツがこの国なら沢山貴族令嬢がいるから、仕事を紹介するとか言って!」
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マルテの話では、ローシェは王都での屋敷を用意すると騙してマルテをこの国に引き入れた。
そして、バーンダイクでゲノーム公爵にひきあわされた。
「アイツ、あそこが自分の邸宅だからっていってたわよ!」
しかし、マルテはすぐにそこが大公の屋敷であり公爵は預かる身にすぎないと気付いた。
「公爵領ではアシがつくから、他人の領地をつかったわけか」
俺がボソッと言うと、ええ、とマルテは頷いた。
「アイツらはあそこで高級な宝石を使ったアクセサリーやドレスを生産して、アタシのデザインで海外へ密輸してたっぷり儲けてるわ」
あそこで売ったぶんは大公領の収入……王室に税を納める必要がない。公爵のやっていることは大胆な脱税だった。
「爵位のない王都の民間人が土地や建物の管財をしてるから、見にも来なかったし、やりたい放題よ」
チッ、と俺は舌打ちをした。
編集長の夫、ドリアーノ氏は近隣の国の革命前の皇帝だ。国外へ追放された彼が国境地帯に近づかないだろうことを利用して、ゲノーム公爵はドリアーノ氏に土地と建物を二束三文で売ったのだ。
おそらくこの事が明るみになっても、彼らはドリアーノ氏に罪を被せ、自分たちは脱税の訴追を逃れる算段だったのだろう。
だから辺境のバーンダイクで、衣料品店だけがあんなにも高級なドレスを作っていたのだ。おそらくあの店で作られていたのは、商人たちに見せる商品見本といったところだろう。
「で、その高名なデザイナー様が、なぜ貴族令嬢の真似などしていた?」
うう、とマルテは唸った。
「仕方なかったのよ、あの方がそうするよう指示して……」
あのかたとは?、とイグニットがくびもとで剣をかちり、と鳴らした。
「言うわよ!……バリー様よ、宰相の。あの方はゲノーム公爵なんかよりずっと怖いわよ。脱税のことだけじゃなくて、他に秘密があるみたいだった。もっとおぞましい秘密よ」
秘密とはなにか、とイグニットが尋ねようとすると、マルテは身をよじった。
「しらないわ!アタクシが知ってるのは、バリー様に命令してる王族かなんかがさらににいるってことと、ソイツは大公子が破滅するのを待ってるってことよ!」
あ?と俺が思うまえに、イグニットがマルテの首に手をかけていた。5本の指が首に食い込んで、両足が宙にういている。
「イグニット、殺すんじゃない」
バレン将軍にいわれて、マルテは再び床に投げ出された。
「不遜の輩め、若様を呪うとは!」
バレンに言われて、マルテは顔中をびしょびしょにして泣いていた。
「アタシはただ、命じられただけよう、妻が愛妾に召しあげられたら、旦那は怒るのが普通でしょ?王室に離叛する考えの持ち主の筆頭になるからって」
なるほど、だから俺が公爵家に婿入りする必要があったのだ。一度婿入りしてその家の爵位を継げば、実家の継承権は手放すことと法に定められている。
つまり、公爵になれば、大公家をつぐことができなくなり、妻であるシャルロットは王命によって愛妾にすることもできる。
一方のシャルロットは王妃教育で厳しくそだてられ、王室の職務上いなくてはならない人物だが、不品行により王妃にはなれない、愛妾ならばと社交界のみならず民衆にも思わせておく。
狙いははじめから定まっていた。シャルロットがあれほど苦しんだのは、
「俺のせいか」
ボソッと呟いた俺に、殺しましょう、とイグニットが声をかけてきた。
「この女、ここで殺しましょう。それがいい」
いやあああ!とマルテは暴れだした。
「助けて!助けてええ!」
俺はヨロヨロと立ち上がった。頭が割れるように痛む。
「……牢の用意は?」
尋ねると、バレンができていますと答えた。
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